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【挿絵付】月本菜穂物語  作者: ㈱姫神V
11/11

高3、クラスメートの引っ越し③

「あの、じゃあ!やっぱりエッチなし!」

「あはは、まぁ、勘違いしてるんだなと思ったけどさ。全然聞いてくれないから」


顔から火が出るくらい恥ずかしい…

あたし、エッチって、あっ!キスとか、抱きついたり!うわ〜うわ〜!恥ずかしい!


「まぁ、エッチってのはいつかまた、でいいよ。今日は引っ越し前のうちでも見てってよ」

う〜…でも勘違いのお陰で付き合うことは出来たし、今日、朝のあの話を聞いてなかったらこれからも友達のままだったかも知れないもんね。結果オーライってことにしよう。


「それにしても月本、結構大胆なのな。驚いたよ、キスにハグにエッチって(笑)」

「もー!言わないで!」


「ここだよ」

自転車で30分くらいかな、結構来た。

学校からだから帰りはもう少しかかるかも…

自転車を停めて玄関に向かう大原くんについていく。

「お邪魔します…わっ」

家の中は玄関にも廊下にも段ボールが積まれている。


「こんなで悪いな」

「ううん、引っ越しの前の日の押し掛けるなんてホントどうかしてた」

だって二度と会えないかもって思ったから。


「リビングもこんなだし、俺の部屋の方がいくらかましかな」

階段を上がっていく。

大原くんの部屋はベッドと空っぽになった家具とテレビしか残ってない。あとは壁沿いに積み上げられた段ボールに入ってるんだ。


挿絵(By みてみん)


「座るのはベッドしかないけど…」

「あ、ごめんね、気にしないで」

床は歩くスペースでやっと。家具もベッドもきっと元々の配置じゃなく、寄せたって感じだし。


ベッドに二人並んで座る。

あんなこと言っちゃったし少し、意識しちゃう。

「月本…」

「はいっ!」

「なんか緊張してる?(笑)」

「あ、ううん、別に」


「あの、あらためて言いたいと思って」

「?なにを?引っ越し?」

「いや、月本、好きだ。俺と付き合って欲しい」

!「はい!」嬉しい!


思わず大原くんに抱きつく。

「ちょっ!月本!どうどう!」

言いながら背中をぽんぽんされる。

「あたし、きっと大原くんもあたしのこと好きでいてくれてると思ってたけど自分から告白出来なくて、今日、勘違いしてよかったと思う」


「俺も、月本と両思いだったら嬉しいと思ってたけど言えなくて悪かった。先に言わせてごめん」

「ううん、そんなこと…」

大原くんもきゅっと優しく抱き締めてくれた。


「おっと、あまりくっついてると変な気を起こしそうだから」そう言って手を離す。

「へ、変なって!」

「いや、月本が言ったんだからな、エッチとか」

「し、した方がいい…?」

どうしてもと言われたら…どうしよう…


挿絵(By みてみん)


「いやいいよ。めちゃ惜しいけど、そろそろ誰か帰ってくるかもしれないし 」

そうだよね。引っ越しの前の日だもんね。

「めちゃ惜しい?じゃこれだけ…」

離れる前に大原くんの唇に、ちゅっとする。


「ぅう…新しいうちが落ち着いたら絶対呼ぶから!その時は!」

「その前に、次はうちにも来る?」

「いいな!ぜひ呼ばれるよ」


引っ越すけど転校はしない。これからも学校で、デートで、ずっと一緒にいられるもんね!

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