閑話⑤ あなたが選んだ服
今回は第72話「君に着てほしい服」の葵視点です!
ぜひ第72話とあわせてお楽しみください!
第72話を読み返していると、つい書きたくなってしまいました(笑)
◆◇◆葵視点◆◇◆
昼食を終えた私たちは、特に目的もなくショッピングセンター内を歩いていた。
「あ、翔くん」
「ん?」
「少し服を見てもいいですか?」
「もちろん」
翔くんの好きな服を着たい。可愛いと思ってほしい。
「翔くんってどんな服が好きですか?」
「え?なんで?」
翔くんの顔が真っ赤だ。可愛い。
「……翔くんが好きな服を着たいので」
私も恥ずかしくなってきた。
「葵なら何着ても似合うと思うけど」
翔くんは嬉しくなることを的確に言ってくれる。ほんとにずるいと思う。
「……もうそんなの、ずるい、です」
そんなことを言われたら、まともに翔くんの顔なんて見られない。
私は何でも似合うと言われたとしても、翔くんに選んでほしかった。
「お願いですから、選んでください」
「そう言われてもなあ……じゃあ、これ、とか?」
白のワンピースを選んでくれた。
途端に嬉しくなってしまい、ニヤニヤと気持ち悪い笑みが零れてしまう。
我慢したいのに、私には不可能だった。
「では、試着してきますね」
試着室へ私は走る。
少しでもクールダウンが必要だ。
少し時間をかけながら、試着を済ませ、翔くんに見せるために外に出る。
翔くんを見つけて嬉しくなってしまい、つい走って行ってしまった。
「……どうですか?」
翔くんは何も言ってくれない。段々不安になってきた。
さすがにデコルテとか見えてるので恥ずかしいんですけど……。
「どこか、変ですか?」
「いやいやいや、そんなことない!」
……その慌て方は怪しくないかな。ついジト目で見てしまった。
「違う違う!むしろ可愛すぎて見惚れてた!」
……可愛すぎて!?
学校の男子たちには「可愛い」と言われてもなんとも思わないのに、翔くんに言ってもらえるととっても嬉しい。
「…………」
何か言わないとと思うほど、言葉が何も出てこない。
「葵?」
「……翔くん」
「はい」
「そういうことを急に言うの、反則です……」
「いや、本当に似合ってるから」
そこまで言ってくれるなら買いたいと思ってしまった。
懐事情的にも問題ないし。
「……じゃあ、これにします」
「即決?」
「翔くんが選んでくれて、可愛いって言ってくれた服ですから」
「…………」
翔くんが今度は黙っていた。
「どうしました?」
「いや……何でもない」
たまに翔くんは話してくれないことがある。
でも恋人だからといってすべて話せというのも違うと思うから、私は何も聞かない。
いつか、抱えてることも話して共有してくれたらいいなあ。
お読みいただきありがとうございました!
次回投稿は9月13日(日)~9月19日(土)の間を予定しております。
次回は本編でデートの続きを予定しています!
もしかすると作者の予定の都合上、若干遅れての投稿になるかもしれません。
どうぞ、よろしくお願いします!
引き続き推敲もしていくつもりです。
*カクヨムでも本作を連載しております。そちらでは一部推敲前の内容が含まれております。読み比べると表現の変化がわかるかもしれません。




