第69話 愛する人との時間
大変お待たせしました。
様々な予定で書く時間がありませんでした…。
次回以降の投稿は間に合うように調整していきます。
ーー落ち着け、俺。
手をつないでいるだけだ。ただ、それだけのはずなのだ。
なのに、隣を歩く葵が可愛すぎて、俺の心臓は朝からずっと仕事をしすぎている。
「翔くん」
家を出て少し歩いたところで、葵が小さく微笑みながら俺の名前を呼んだ。
「……こうして手をつないで歩くの、少しだけ夢みたいです。……学校ではできないから」
心の底からやめてほしい。
これ以上、俺の心臓に残業をさせてしまうと過労で倒れてしまいそうだ。労基行こうかな。
「どうかしましたか?」
「特に何もしてないけど何で?」
「顔が少し赤いですよ?」
「……気のせい」
「ホントですか?」
楽しそうに笑う葵。
どうやら今日は、朝から葵の独壇場らしい。
このままでは、一方的にやられっぱなしだ。
「そういえば、参考書って何を買うんだ?」
話題を変えるように尋ねると、葵は少しだけ考えるように視線を上へ向けた。
「数学と英語です。夏休み中に復習をしておきたくて」
「偉いな」
「翔くんも一緒に勉強します?」
「え?」
「その……もしよかったら、ですけど」
そんなことを上目遣いで言われて断れる高校生が、この世にいるのだろうか。
「もちろん」
「ふふっ、よかったです」
その笑顔だけで十分破壊力があるというのに、今日はやけに距離が近い気がする。
付き合う前から距離感は近い方だった。
でも、恋人になってからの葵は、その何倍も遠慮がなくなった。
……いや、遠慮がなくなったというより、素直になったと言うべきか。
どちらにせよ、俺の心臓にはよろしくない。
「翔くん」
「ん?」
「今日はいっぱい、思い出を作りましょうね」
そう言って、つないだ手をほんの少しだけ握り返してくる。
……無理だ。
今日一日、俺の心臓が持つ気がしない。
あとがき
お読みいただきありがとうございました!
次回投稿は6月28日(日)~7月4日(土)の間を予定しております。
もしかすると、作者が忙しく若干遅れての投稿になるかもしれません。
どうぞ、よろしくお願いします!
引き続き推敲もしていきます。
内容については以下の通りです。
※推敲履歴
1/06
01〜07話 一部文章・文末の変更
1/10
08〜11話(閑話①を含む) 一部不自然箇所の表現の変更、セリフの加筆・修正 など
1/11
12話 注釈位置の変更
2/07
60話 タイトルの修正(61話との統一)
14〜15話 一部不自然個所の表現の変更、セリフの修正、改行位置の修正
17~21話 セリフの加筆・修正、一部不自然個所の表現の修正、改行位置の修正
2/10
22〜26話(閑話②を含む) セリフの加筆・修正、一部不自然箇所の修正 など
3/01
01~05話 誤字の修正および行間の最適化
*カクヨムでも本作を連載しております。そちらでは一部推敲前の内容が含まれております。読み比べると
表現の変化がわかるかもしれません。




