第二話 昔馴染みとの話
翌朝、起きた僕の目の前には、ガーランド王国歴737年5月13日という日付が書いてある時計があった。僕は、そのままベットから立ち上がって、横に置いておいた鞄を持った。その時、部屋のドアを叩く音が聞こえた。部屋のドアを開けると、王がいらっしゃっていた。
「ここでは昔のように話さないか?人前でもないんだしな。」と言われた。実は、僕とガーランド王国の王様であられる、ヨーダル·ガーランドは僕と昔からの幼馴染なのだ。なので、たまに僕の部屋に来て、こうして昔のように話すのである。
「そうだね。それで何か用事?次のバスで国境まで行こうかなと思っていたんだけど。」
「それに関することで、お願いがあって来た。実は、私の息子たちが、経験を積ませるために、パラレル王国とファーラー帝国に行かせているんだが、もし何かあるようなら連絡はするから、バックアップ出来るようにしておいて欲しいんだよね。いける?」と言われた。僕は迷わず、
「もちろん。任せておいてよ。」と答えた。ヨーダルは、
「ありがとう。そうだこれを渡しておくね。」と折りたたまれた鉄の板のようなものを渡された。
「これは?」と僕が聞くと、ヨーダルは、
「なかなか手に入りづらかったんだけど、なんとか昨日の夜に届いたから渡させてもらおうかなと思ってね。それは、エイカー。通信用の機械だね。実は、王国軍と宮殿用に120個ほど注文していたんだよね。それがようやく昨日になって届いて、朝までやってもらっちゃったけど、全てのエイカーが問題なく動くということがわかったから、君にも渡しておかなきゃなと思ってね。」と言われた。僕は、
「ありがとう。これで報告が少し楽になるよ。」と感謝を伝えた。ヨーダルは、それで何か思い出したのか、こう話し始めた。
「そうだった!実は、このエイカーはまだハッキングに対して、しっかりとハッキングをされずに対応しきれるかについてがまだ分かってなくてな。もし、報告をそれに切り替えるにしても、今まで通りの暗号文での受け渡し、受け取りをお願いしたい。」と言われた。僕は、
「それなら報告には使わないほうがいいかもな。」と言った。ヨーダルは首を傾げながら僕に、
「何で?」と理由を聞いてきた。
「いやさ。今まで通りの方法は、まだバレたことがないじゃん。だけど、今回の新しいやつに関しては、送った情報をそのまま抜き取られてしまう可能性がある。そうすると、今まで通り暗号を使っていたとしても、いつかはその暗号が解かれ、送った情報が敵にバレてしまうことになる。それに、その方法だと、見られたことにすぐに気づけない可能性が高い。だったら、重要な案件は、今まで通りの方法で、連絡を行い、それ以外は、エイカーを使った連絡でもいいと思うな。」と言った。ヨーダルも、
「確かにな。」と納得してくれた。
「今日は話を聞いてくれてありがとう。その方針で進めてみるよ。」と言われ、ヨーダルは椅子から立ち上がり、部屋の扉の方へ歩き出した。
「ヨーダル。何かあったらいつでも相談してね。軍情報部の大佐としてでも、幼馴染で親友のバイライト·ルペストとしてもね。」と言った。ヨーダルは、
「本当にありがとう!何か困ったことがあったら相談させてもらうね。」と言って、ドアを開けて、部屋から立ち去った。僕はそのまますぐに荷物を持って、部屋を出て、バス停へと歩いて向かった。バス停に着くと僕が乗る予定のバスが来ていた。
「ガルニエ市行き特急バスまもなく発車いたします。お乗り遅れのないように、ご注意ください。」と聞こえてきて、僕は、
「乗ります!」と叫びながら、バス停へ急いだ。バスの入口で、料金を支払い、チケットをもらって席に座った。そしてそのまますぐに眠くなり、一眠りすることにした。




