家の価値はプライスレス
なぜ。そんなお顔をしている。それもそうだよね。何も疑っていなかったんだから。自分がお金を貰えるんだって。
「なぜ私めが払わなければならないのですか! 」
なぜ払わなくてもいいという選択肢しかなかったんですか。
「当然でしょ。人の敷地に無断侵入して家の破壊。それだけでも、非道な行いだと思わない? 」
はい。思います。王子様は、そういう感性まともな人で安心した。
「まぁ、それだけでここまでの額にならなかったんだろうね」
うん。だろうね。そんな額になるのは、別の理由。王子様がどうしてここまで知っているのか。それは、聞きたい気がする。今じゃないけど。
王子様が、お姫様の持ってきた紙を見せた。わたしが見えていた赤い紋章。それを見て、行商人が青ざめた。
「な、何かの間違いでしょう! あんな家にそこまでの価値があるはずありません! 第一、あの家の住民は小娘でしょう! 」
「うん。そうだね。僕の隣にいるこの子が、あの家の現所有者だ。それと、あの家の価値に関しては、この書面に書かれた通りだ。間違いはない」
「だ、だとしても! 家が壊れたのは、その小娘が原因でしょう! あんな敷地とわかるような目印もおかず、すぐに外せる柵だけ。それで敷地と誰がわかるでしょうか! 」
柵があったじゃん。なんで柵を外して進もうと思うのか教えて欲しい。いくら近道といっても、柵があって侵入。それもう言い逃れできるわけないじゃん。
「柵あったじゃん」
王子様も言ってる。そうだよ。柵あったんだよ。なのに行ったのは自業自得。
全部、自分が悪いというのにわたしを睨んでくる。わたしは、何も知らないを装う。そうするしかないから。バレないために。
そうしていたら、殴りかかってきた。鎧を着た人達がすぐに拘束する。
「わぁ、良かったねぇ。未然に防いでもらえて」
防がなければ、国際問題。それ以前に、怪我していたんだろうね。向こうが。
「そうそう。シェフィ……隣国の王子様から、もう二度と君らと取引しないってさ。おめでとう」
なんとなく予想はついていました。はいはい、この人は全部知っております。いつ調べたのか知りませんが、全て知っていたうえで何も言っていませんでした。
行商人からしてみれば、なんで隣国が関わってくるって思うよね。
「……あのさ、こっちで対応するから、どうか国際問題は」
「ならないと思う……ますよ」
「もうそれいいよ。お気づきの通り、初めから気づいていたから」
初めから。多分あの時。偶然、光が出てしまったから。そこで気づかれていたんだ。
聖女とか御巫とか特別な存在じゃなくて、真っ先にそれを疑うとは思わなかった。
国際問題にならないように、ちゃんと言っておかないと。できれば、この国で暮らしたいけど、それはもうむりなのかな。
「示しがつかないから、牢屋に入れといて。後で、ちゃぁんと償ってもらうよ」
ここから先は、見せられないってわけかな。別にいいけど。鎧を着た人達が連れて行っている。
問題はこの後、どうやって言い訳しよう。くるのは、使用人というお話だったから。
「……一応、聞かせてくれないかな? 」
「はい……その……どうしても、この国に来たくて。自由とかはどうでも良かったんです。でも、でも、この国の学校行きたくて……兄に相談したら、わたしを選んでくれて」
その……実は、あの土地は隣国のものなの。星の姫がかつてあそこで暮らしていたんだって。それから、あそこは管理人として、隣国から一人送られてくる。それに、わたしが選ばれたの。というか、無理言って選んでもらった。
婚約者を持てず、継承権を持たない。だからこそ、わたしはこの国へ来れたの。
目的は女学院。試験に落ちたけど。
「そっか」
「あの……一般人連れてくるってお話破ったのは、申し訳ないと思っております。その、できる事ならなんでもいたしますので、友好関係だけは」
「わかったよ。君がそんな事言うんならさ、僕と婚約してよ。それで、あの子の願いも叶えられて、君の願いも叶う」
叶う、けど……わたしは婚約できないんだよ。だって……わたしは……
「おめでとう、エレ。あっ⁉︎ あの、私彼女の使用人したいです! 知ってる土地の使用人が一人いていいと思うんですよ! 」
「隣国の王子の婚約者が? 」
そこまでお調べでしたのね。イシュとの出会い。それは、婚約のお話の時。その頃から仲良し。
「そ、そうだ! あの、殿下って王位継承権ないのでしょう? でしたら、殿下が我が国にきてはどうですか? 将来的に。我が国にふさわしいか。私はそれを見極めるのです」
すごい。なんでこんなとんでもない事言い出すんだろう。そんなの断られるに決まって
「面白そうだね。僕ずっとあの国行きたいって思ってたんだ。蝙蝠も彼女の使い魔以外にいるんでしょ? 」
一国の王子様がそんな簡単に物事決めちゃダメでしょ⁉︎
って、ツッコむのも疲れそうだから何も言わない。見守るを徹底する。
それにしても、婚約……星の姫の血族。生まれ変わりだってシェフィは言っていた。だからわたしは、婚約できない。星の姫は純情でいなければならないから。なのに、イシュは勝手に決めている。シェフィも多分反対しない。これ大丈夫なの? もしも、星の姫が認められない相手ならこの国も隣国……わたしのいた国も滅ぶ可能性ある。
「……あっ、そう言えば、まだ名乗ってすらいなかったね。僕はフォル。よろしくね、お姫様」
シェフィのおともだち。名前聞いた事ある。だから知っていたんだ。
「キシャー……俺今日からフォルの使い魔になろっと。俺はゼロ。名前知ったから、契約できる」
……えっ⁉︎ 頭に乗るの気に入ったからって、それはなくない? ゼロがうれしそうに羽を羽ばたかせている。
というか、ゼロいなくなってわたしはどう生活していけと? 今すぐ止めないと。勝手に契約解除なんてさせないんだから。ゼロ言ってたじゃん。絶対に契約を解除しないって。ずっと一緒って。
「それは素直に興味あるけど、婚約者の使い魔を奪うなんて真似できないよ。だから、その申し出は断らせていただけるかな? 君のお仲間の紹介、なら話は別だけど」
王子様すき。こういう時はきっぱり断れる性格。個人的にはとっても好感的。それはそうと
「ゼロ、そろそろこっちに来て」
「キシャー」
本当に言う事聞かない。ゼロはわたしの使い魔なんでしょ。ぷぃってそっぽ向かないでよ。
「……ねぇ、僕の部屋で話さない? イシュピア嬢も一緒に」
急にどうしたんだろう。と思ったわたしに「騎士の目気になるから。」と小声で告げる。それもそうだね。仮にも一国の王子様とお姫様がこんなやりとりしてるのを、見られている。なんかそう考えてくると恥ずかしくなってくる。
王子様のお言葉に乗って、お部屋移動する事にする。わたしのお部屋はかわいい感じのお部屋だったけど、王子様ってどんなお部屋なんだろうね。
読んでくださりありがとうございます。また続きもよろしくお願いいたします。




