第29話 発射
ローラシア連邦海防軍ローバ級駆逐艦CIC
「艦長、右から艦影3。海防軍の船舶ではありません。26ノットの速度でこちらに向かってきます。」
「さっきの船と同じものか?。バルプーン発射準備。」
「了解。目標艦影3の1番手前。バルプーン1番管発射!。」
「fwaira。(ファイラ)」
ローラシア海防軍ミサイル駆逐艦ローバ級駆逐艦
の中央に設置されたバルプーンの発射管から1発のバルプーンが空に向かって行った。
「ブースター切り離し完了。巡航モードに入ります。」
「目標まで115m。」
「しかし、当たるかな。バルプーンは命中率が中くらいだから。」
「いや、この速度なら間違いなく着弾するかと。」
「そうかな。」
海上自衛隊第35護衛隊所属あさぎり型護衛艦ゆきぎりCIC
「正面の敵艦隊よりミサイル発射!。距離115m、対空戦闘!。」
「了解!。後部シースパロー発射機より、シースパロー発射!。発射弾数2。」
「シースパロー2発、敵対艦ミサイルに命中。迎撃成功。」
敵のミサイルが低速で良かった。我があさぎり型護衛艦も1番艦は1989年建造でだいぶ年代物だからな。2030年代の改装をしているが、装備はそのままだ。
「こちらゆきぎり、対艦ミサイルを受けたためこちらもハープーンを発射する。」
「ハープーン発射用意。発射弾数1。てーっ。」
「ハープーン、飛行正常。目標に向かう。」
バルプーンとハープーンは外見ではほとんど同じだが、性能は別である。バルプーンは射程100kmなのに対し、日本国海上自衛隊の国産式に改良されたハープーンは射程が250kmもある。ローラシア連邦の海軍艦艇は1980年代後半くらいの装備のため、21世紀の海上自衛隊には歯が立たない。
そしてしばらくしてローバ級の対空レーダーがハープーン対艦ミサイルを探知した。
「艦長!。我が艦前方から飛翔体1。速度マッハ0.85の速度で艦に接近中。」
「防空戦闘!。」
「ダメだ!間に合わない!。」
ローバ級は旧型艦の為、CIWSなどの近接防空火器は装備していない。使えそうな主砲ももうこの距離では打ったところで当たらない。
「くそっ!。」
その瞬間、ローバ級駆逐艦は、ハープーン対艦ミサイルが一発艦中央に命中。艦は真っ二つに折れ、乗員は誰も外に出てこなかった。




