ひとりひとり
ある夜、私は考えていた。自分は何者なのか、と。私は、自分を明るくて元気で真っ直ぐな人間だと思っていた。……いや、そう思っていたはずだった。上官を庇ったのは評価の為?しかし、そのようなリスクを負ってまですることだろうか。考えれば考えるほど訳がわからない。
最近自分がよく分からない。指示官になる前の記憶が一切ない。
僕は何者?
だめだ。私には混乱は必要無いはずだ。考えるのをやめよう
そんなことを毎日のように考えるようになった
〇〇〇「朝だぞー、起きろ」
懐かしい声が聞こえる気がする
エルナ「寝たい…」
イサナ「こらっ朝ご飯に間に合わなくなるぞ?」
上官だ、朝ご飯…!?
エルナ「それは困ります!」
イサナ「君らしい返答だな」
朝ご飯は私のモチベですからね!ここは譲れないっ
イサナ「では食堂へ行くとするか」
エルナ「はーい!」
ーーー食堂にてーーー
やはり自分の事が気になってしまう。上官はこのような経験があるのだろうか
エルナ「……上官は自分について考えた事ありますか?」
イサナ「私が私のことか…少ないがあるぞ。自分を見失った時は、自分とはどうかを周りに聞いて回った思い出がある」
上官がクスッと笑った
エルナ「参考になります!」
イサナ「それなら良かった」
そういえば寄りたい所があったんだった。
エルナ「訓練後、本を読みたいので寄ってもよろしいでしょうか?」
イサナ「別に構わないが…いきなりどうしたんだ?君が本を読んでいる所を見た事ないが」
一応これでもちょくちょく読んでるんだが…
エルナ「色々と調べたいことがありまして」
イサナ「ほう、何についてだ?」
これは報告すべきだろうか。いや、きっとしない方がよいだろう。
エルナ「秘密でもよろしいでしょうか?」
イサナ「別によいが…」
ーーーーイサナ視点ーーーー
私はイサナだ。エルナという部下を持っている軍人である
部下は変わり者だ。人としての当たり前だと思うことが、彼女には当たり前では無いように見える。
しかし、変わり者だからこそ、少し救われるところがあるのだ
そういえば最近部下の調子が悪い。走り込みのタイムは長くなるし、訓練もままならない。さらに、毎晩うなされている。何かあったのだろうか?
さらに、本を読みたいと急に申してきた。うなされている件なのだろうか、それともただ単に調べたいことがあったのだろうか…本人に聞いてもはぐらかされてしまった。重要なことなのだろうか。
……もっと彼女を知りたい
いや、情が移るとろくな事がない。私は軍人だ。時には感情を押し殺さなければならない。考えないようにしよう
ーーー部屋にてーーー
エルナ「とりあえず、5冊も本を集められたし読むか!」
何故なら、この時間帯は上官が会議に出ているので自由時間だ。丁度知られたくないことなので絶好の機会である。
2冊読み終わって3冊目に取り掛かろうとすると、不意に声が聞こえた
イサナ「何を読んでいるんだい?」
パタンッ
気づかなかった。後ろに上官が立っていた。しかも、ニヤニヤしながら。
危機一髪で本を閉じられたが、何故いるのだろうか、会議は確かにあったはず…
エルナ「会議はどうなさいましたか?」
イサナ「途中で体調不良が出てしまってな」
間一髪すぎた…もう少しでバレていた
イサナ「見られなくてよかった…そう思っているのだろう?」
ギクッなんでわかるのだろうか
イサナ「別に詮索するつもりはないよ。安心して読みたまえ」
だから貴方の前では読めないんですよ!!
エルナ「気分が変わりましたので読書は中断しますが、お心遣い感謝致します」
イサナ「それならそれでよい」
ーーーーシア視点ーーーー
シア「久しぶりにお手紙書くかー」
国王様へ
シアです。軍では元気にやってます!最近は怖そーなナギ上官に訓練をしてもらっています、ああ見えて全部部下のことを思って行動しているのがギャップ?というものなのでしょうか。周りの女の子達がキャーキャーしていてちょっとうるさいです…
そんなことは置いといて、最近国王様や王妃様はお元気でしょうか?体調崩されていないですか?昔はよく風邪をひいていたので心配です!皇子は成長したでしょうか。今はいたずらっ子ですがとてもいい子ですので、将来はきっと素晴らしい国王になると、この元騎士団長シアが保証いたします
私が国に戻る頃には、国の情勢がよい方に向かっていることを願っております!!
シアより
シア「よーし!結構上出来なんじゃない?」
すると、なんとも恐ろしい声が背後から聞こえた
ナギ「怖そーな上官で悪かったな」
シア「ひゃい!?」
えっ怖、怖!こういうとこだよナギ上官!しかも見られてたって…いつから!?
シア「えっと、決して、怖いとかではなく!熱心にご指導してもらっていて嬉しいなということで…」
ナギ「訓練のメニューを考え直すか」
わ、笑ってる……。絶対に訓練を増やす気だ。戦場じゃないのに倒れちゃう!!
シア「それだけはご勘弁を…」
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次回予告
気になるもの
次回もお楽しみください!!




