表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/36

かかわるベキか?

エピソード②です

 検問所をぬけたクルマは、第4地区にたいして入って行った。クルマのなかから、徳吉は、第3地区と第4地区を隔てている、ぶ厚くて、たかいカベを見ていた。

(物理的に、ニンゲンの住んでる区域を区切るっていうのは、安直といえば安直なんだけど、でもその分だけ、わかりやすいともいえるか。

 コレでオレは、カンゼンに、体制の管轄からハズレた。というカタチになる。いきながら死人になった上に、体制の目が、ほとんど届かない地域にいくワケだから、いきているのか、死んでいるのか。そんざいしているのか、いないのか。イマイチ、よくわからない状態になった。っていうワケか)

 じぶんの置かれた状況・たちば・状態というものが、どうにも不あんていであり、その分だけ、「じぶんのミライ・うんめい・じんせいが、これから先、一体どういうカタチに向かうのか、転んでいくのか」というコトに、あらためて、一抹の不安もかんじていた。

(イヤイヤ、ココでクヨクヨしたところで、しかたないじゃないか。うしろを振りかえっても、どうしようもない。まえを見ていかねば)

 ついつい、ネガティブになりかねない、じぶんのキモチ・感情というものを、ナントカして前向きにしよう。と、内心において、アレコレとかんがえていた。

 第4地区にあるというアジトに近づいた、そのときである。クルマのまえで、ナニやら、人だかりがデキていた。

(ナニゴトだ?)

 徳吉が、こうおもったとき、高井が、クチをひらいた。

「どうやらナニカ、トラブルのようです」

「トラブル?」

「ええ、この第4地区では、予想外のコトがおおいんですが、そのほとんどは、まあトラブルなんですよ。見たところ、先のほうで、ナニやら、モメごとがおきてるようです」

「トラブルねえ」

(コレから、あたらしい道にすすむっていう身としては、幸先がワルイというコトか?)

 こんなコトを、ついおもってしまった。

(イカンイカン。ワルイできごとやジケンだと、まだキマったワケじゃない。そもそも、オレたちにとって、かんけいないコトかもしれん)

 と、徳吉は、このようにかんがえたのであるが、高井と藤柴の表情を見てみると、どうやら、「まったくのしらないニンゲン」というワケではなさそうだった。

(知ってるニンゲンなのか?)

「ふたりとも、あのモメてるニンゲンたちを、知ってるとか?」

「知ってるというか、すこし、かかわりあいがあるというか。くわしくはないんですが、『まったくのアカのたにん』というワケではナイです」

 と、藤柴が答えた。

「アカのたにんじゃない。か」

(となると、これから先、オレにとっても、かかわりあいになるニンゲン。っていうコトなんダロウか?

 だとしたら、ヤッパリ、この件が、プラスの良いコトなのか、ソレとも、マイナスのワルイできごとなのか。どうしてもコレが、気になってくる。

 プラスの良いコトなら、吉兆になるダロウし。マイナスのワルイできごとなら、不吉な凶兆。といえるかもしれん)

 このようなコトをかんがえていたら、高井と藤柴が、おたがいのカオを見ながら、かいわをはじめた。

「高井、オマエはどうおもう。あのモメごとにたいして、オレたちは、かかわるベキなんダロウか?」

「ナンともいえん。ココから見ただけじゃあ、サッパリわからん。ヘタにクビを突っこむと、メンドウごとに巻きこまれるかもしれん。

 とはいっても、こうしてクルマが止まってしまっている以上、放置するワケにもいかん。見たところ、カイケツする素振りが見えん。ソレどころか、ニンゲンがドンドンあつまって、大ごとになってるようだ」

「たしかに、ヘタにかかわって、クビを突っ込むのも避けたいが、でも、かといって、このままただ待っていても、道がふさがったままで、先にすすめないか」

 こういうと、藤柴は、すこし、思案顔をしていた。

「ちなみに、ふたりに聞きたいんだけど、道の先でモメてるニンゲンっていうのは、かたほうだけ知っているのか。それとも、両方とも知っているのか。どっちかおしえてくれないかい?」

「両方ともなんです」

 藤柴が答えた。

「両方ともか。ソレで、その知っている両方が、道の先でモメている。か」

(藤柴も高井も、かかわるベキなのかどうか、はんだんがつかないようだ。となると、コチラにとって、『カンゼンにプラスなニンゲン』っていうワケではない。といったところか。

 プラスになるニンゲンだったり、あるいは、害のないニンゲンだったら、けつだん・はんだんのはやい、ふたりのコトだから、とっくに行動してるダロウし)

「道の先でモメごとにたいして、かかわるベキかどうか、ふたりとも、はんだんがつかないようだけど、このまま、ココでジッと待ってても、ラチがあかない。どうしたもんかねえ」

 と、徳吉が、ひとりごとのようにつぶやくと、高井が、クルマからでる素振りをした。

「いくのか?」

 藤柴が聞いた。

「ああ、そうする。徳吉さんのいうとおり、このままココで、ただジッと待っていてもラチがあかん。だったら、行動するベキだとおもう」

「吉とでるか、凶とでるか。賭けだな」

「ダロウね。でもまあ、なるべく吉に持っていきたい」

 こういうと、高井はクルマを降りて、道の先に走っていった。

「ちなみに、ふたりが知っている、道の先にいるニンゲンは、一体どういうヤツなんだい?」

 徳吉が、藤柴にはなしかけた。

「興味が湧きましたか?」

「興味というか、まあ吉兆なのか、凶兆なのか。とかんがえたときに、もしかしたら、吉兆になるかも。とおもえてね」

「と、いいますと?」

 藤柴は、すこし怪訝そうなカオつきで、徳吉にたいして聞きかえした。

「君たちが、ふたりとも、すぐにキケン・もんだいがある。と、はんだんしなかった。コレが答えな気がするよ」

「スイマセン、おっしゃているイミが」

 藤柴は、徳吉のコトバを聞いて、すこし、困惑そうなカオをした。

「べつに、ハッキリとした証拠だとか、こんきょ・ウラづけ、りゆうがあるっていうワケじゃないよ。

 ただ、カンがするどくて、キケンを予知したり、察知するセンターがするどいキミたちが、ふたりとも、すぐにキケンだとかんがえず、はんだんせずに、まよっている。コレが答えな気がする。

 ホントウに、先にいるニンゲンが、カンゼンに、もんだい・キケンがあるんなら、すぐにソレに気がついて、キケンとはんだんするハズだよ。

 こうして、『今ココで、まよっている』というコト自体が、『カンゼンに、キケンではない』というコトの証明になる。といったところか」

「ナンだかチョット、われわれのコトを、過大評価しすぎてる気もしますが」

「イヤ、そんなコトはない。謙遜しなくても良いよ。もしもホントウに、道の先にいるニンゲンに、もんだい・キケンがあり、かかわるとダメなヤツだったら、キミたちは、すぐにキケンとはんだんし、べつの道に迂回するルートをえらんだとおもう」

「まあ、たしかに。ホントウにキケンなヤツだったら、有無をいわずに、この場から、さっさと避けるでしょうね」

 こういうと、藤柴は、すこしのあいだ、かんがえこんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ