93 神さま、ドワーフの村へ行く
新たに神の使途となった紅炎
人化した紅炎はめちゃイケメン
イケメンは新たな騒動を起こすのでしょうか
93話 「王国南部編4話目」はじまります
サラマンダーの襲撃、イフリート様と獄炎竜さまとの戦いを経た後、獄炎竜さまは紅炎の名を神さまからもらい神の使途となりました
そして今、神さまは温泉街に向けて帰るところです
もうひとり、長身の男性とともに
彼は紅炎が人化した姿です
見た目の年齢は、人の姿で20歳台後半でしょうか
美形で精悍な面構え
優しげで物静かな佇まい
よく鍛えられた身体
なんていうか……とてもカッコいいのです
「ところで紅炎。やっぱり一緒に行くの?」
一緒についてくる紅炎に神さまが聞きました
「当然です。他の使途たちとも、いちど顔を合わせておかなくては。」
神さまはじつはちょっと不安でした
「たしかゲイルは獄炎竜さまの事を短気だと言っていたような……」
あとライアに怒られるのも怖くて不安でした
温泉宿に到着し、ジロさんと合流しました
「タイヨー君!おかえり!無事に帰ってきて良かったよ。大丈夫だったかい?……ん??そちらの彼はどなたでしょうか?」
いろいろと理解してきたジロさんは不安顔です
「……部屋の方で説明します。」
宿屋の客室で……
「えーーこちらは紅炎です。新しく仲間になってくれることになりました。」
「新しい仲間って……まさか……」
ジロさん表情が強張ってます
「お初にお目にかかります。獄炎竜改め紅炎です。ジロさん、よろしくお願いします。」
「……そうでしたか。お目にかかれて光栄です。私は行商人をしていますジロと申します。今はタイヨー君を行商の弟子にして、一緒に各地を巡って見分を広げているところなんですよ。」
ジロさんが普通に挨拶したことに神さまは驚きました
「さすがにね、もう慣れてきたよ。それに今回私はその場にいませんでしたからね、ライアさんに怒られるのはタイヨー君だけですから。」
「そんなぁ~いつも一緒に怒られる仲じゃないですかぁ~」
笑顔のジロさんにすがる神さま
そんな神さまを置いといてジロさんが話題を切り替えます
「ところで今回、ドワーフの村はどうする?お酒は全部温泉街で売れちゃったから持っていく物が無いんだよね。」
行商人なのにドワーフたちに売るため仕入れたお酒が既に無いのはどうなんでしょうか
「それなら武具を見に行きませんか?」
紅炎が言いました
「恐らくタイヨー様がいれば魔獣が襲ってくることはまず無いでしょう。魔獣は強者の気配に敏感なので。しかし人間は気配に気が付きにくいものです。そこで私が武装をしていれば護衛と思い盗賊等か襲ってくる事も無くなるでしょう。」
なるほど
子供の姿の神さまと何度も襲われてるジロさんだけでは格好の的です
見た目が強そうな人がいるだけで不要な戦いを避けれそうです
「それが良いね。村を見たいのもあるけど、今回は紅炎の買い物と鉄製品の買い付けに行こう。」
それにはジロさんも大いに賛成です
意見もまとまった事で明日はドワーフの村に行くことにしました
朝になり荷物を馬車に積んだ3人はドワーフの村に向けて出発しました
「昨晩のアレは大変だったねー」
ジロさんが遠い目をしながら言います
昨晩は大変でした……
「せっかく温泉街に来たのだから今夜は外で夕食を食べよう。」
キッカケはジロさんのこのひと言でした
夜の温泉街に出た途端、紅炎をひと目見た女性達が色めき立ったのです
「何!?あの素敵な殿方は?」
「カッコよすぎるでしょ!」
「凛々しいお顔なのに優しげな眼差し……」
「あのたくましい胸板を見たらもう私は……」
「ちょっと!あなた!しっかりしなさい!」
失神する女性まで出てしまいました
「紅炎はモテモテだったねぇ〜」
「タイヨー様もあと数年すれば同じ目にあいますよ。」
紅炎はそう言いますが神さまに成長する予定はありません
ところでドワーフの村では大丈夫でしょうか
「ドワーフはそもそも体格が違うからね。ガッシリとした体格だけど小柄なんだよ。モテる基準が違うんじゃないかな。」
ジロさんはそう言いますが……
ドワーフの村は武具店と金物屋と鍛冶工房が並ぶ独特の景観でした
そしてジロさんが言ってた通りドワーフ族は小柄でした
しかし皆さんとても筋肉質な身体をしています
そして紅炎はここでも変わらずモテました……
ジロさんが取引きのある武具店を訪れました
「こんにちはー」
ジロさんが店に入ります
すると何やら店の中で揉めているようです
「なぜこの剣を売ってくれない!?」
「お客さんでは扱えない剣だからだよ。筋力も魔力も持久力も実力も全て足りないよ。」
「それを何とか補うのがその剣だろ!」
「お客さん無茶苦茶言わないでくれよ。」
一方は店主さんで、もう一方はお客さんのようです
ジロさんに気が付いた店主さんは一緒にいる紅炎を見るとニヤリとしました
「ジロさん、久しぶり。いきなりで悪いんだが、そこのカッコいい……いや、ホントにイケメンだな……それはいい!隣のお兄さんは知り合いかい?ちょっと腕試しに手を貸しておくれよ。」
紅炎が応えました
「私の事かな?何かお手伝いできる事があるのかね?」
「こちらのお客さんが実力に見合わない剣を欲しがってね。その剣を実際に使わせてみたいから相手をしてやっておくれよ。あんた、かなりの手練だろ?」
紅炎は少し思案したあとで
「ジロさんのお知り合いの頼みだ。受けよう。」
と言いました
「大怪我をさせないでよ。」
神さまは紅炎に頼みました
紅炎は素敵な笑顔で答えました
「まぁ、任せてください。」
さて、どうなる事やら
こちらとは別にロキシー王女の想いを描いた短編「ロキシー王女の日記」を投稿しました
良かったらそちらもよろしくお願いします




