89 王国南部を目指す前に
拠点の子供たちは成長著しいです
そして神さまは王国南部に向かいます
まずは仕入れですね
拠点に戻って数日
外では子供たちの声が今日も響いています
何やら魔法が乱れ飛んでいるようですが気にしません
「次は南部地方に行ってみましょうか。」
神さまはジロさんに言います
ジロさんは少し不安げに言います
「そうだね。今度は何も問題がなければいいんだけど……」
「ジロさん……そういう事をいうとホントに問題が起きたりするんですよ。」
神さまは残念そうに言いました
「ところで南部地方に持っていく売り物は何でしょうか?」
神さまは行商について聞きます
「そうだねえ……ドワーフ族のところには買い付けに行く事が多いんだけど……彼らはとにかく酒好きだからね、樽で酒を持って行くのも良いかもね。温泉の観光地でも重宝されそうだし。」
「冷却容器で冷やして持っていくのはどうですか?ジュース等も冷えていると美味しそう。氷とかは売れるのかなぁ?」
火山地帯で暑いのなら冷たい物が売れるかもしれないと思った神さま
「良いね〜お風呂上がりに冷たいビールなんて最高だね。ユキさんが冷えたビールを提供したら大繁盛間違いなしだね。」
「ジロさん、それはもう行商じゃあないですよ。」
神さまとジロさんは笑い合いました
「確かにそうだね。でも冷えた状態のお酒を売るのはアリだね。今回はそれを試してみようか。」
ジロさんが計画を立てました
神さまも面白そうだなと思いました
「ところでユキとディーネは南部地方には一緒に行くの?」
2人も世界をみて回りたいと言ってたので神さまは聞いてみました
「今は子供たちに魔法を教えているのでまた次の機会にしますわ。」
「そうですかー」
楽しそうですもんね
まぁ北部の2人には火山地帯の南部はつらいだろうし、今回もジロさんと2人で行きましょう
そうとなればまずは仕入れですね
2人は王都に向かいます
馬車を走らせ2人は王都に到着しました
門兵さんが神さまに気が付きました
門兵さんが1人、王城に向かって走っていきました
すっかりお馴染みの光景です
門兵さんと他愛のない話をしていると、ノルディカさんが1人でやってきました
「こんにちは。ノルディカさんが1人でこられるのは珍しいですね。」
神さまが聞きました
「タイヨー君は王女がいないと、やっぱり残念なのかい?」
ノルディカさんがニヤニヤしながら言います
神さまはちょっと考えて言います
「そうですね。王女さまとお話するのは楽しいですし、何でしょう……ワクワクと言うか何というか他の人とは違うんですよね~」
神さまは首をひねってます
この反応にはノルディカさんもジロさんも驚きました
そしてノルディカさんは優しい目をして言います
「そうか。そうなら私も嬉しいぞ。王女が年齢相応の表情が出来るのはタイヨー君の前くらいだからな。これからも仲良くしてやってくれ。」
「もちろんです。」
神さまは元気よく答えました
「ところで、今日は仕入れかな?今度はどこに行くんだい?」
ノルディカさんが話題を切り替えます
「はい。今度は王国南部に行こうかと思ってます。」
神さまは答えました
「王国南部と言えば温泉とドワーフ族の鉄工品が有名だな。あの火山には、伝説では深緑竜さまや白氷竜さまと並ぶ強力な竜種の獄炎竜さまがいると言われているが……やっぱりいるのか?」
ノルディカさんは恐る恐ると言う風に聞いてきました
「精霊様が言うには火口の中に住んでいるって話ですね。精霊様は獄炎竜さまの事も精霊のイフリート様の事も苦手だ……と言ってましたよ。性格的にも荒くれ者みたいだし……」
神さまはため息交じりに言いました
ノルディカさんが顔を引きつらせながら言いました
「……タイヨー君。くれぐれも問題ごとを起こさないでくれよ。」
「……善処します。」
神さま否定できません。
そのあと神さまとジロさんは酒類を色々と仕入れて宿屋に向かいました
国王執務室では……
ノルディカ副騎士団長はスミス王の執務室に向かいました
「失礼します、国王。ノルディカです。」
スミス王はドキッとしながら顔を上げました
「お、おう。ノルディカよ。どうしたのだ?」
「先程タイヨー殿とジロ殿が王都を訪れたので話を聞いてきたところです。」
神さまの行動は王国では重要事案です
「今度はどこに行くと言っていたか?」
「はい。王国南部に向かうとのことでした。」
そこで神さまと話したことをノルディカさんはスミス王に伝えました
「精霊様の話ではやはり獄炎竜さまも実在するそうで、普段は火口の中に住んでいるとの事です。そしてかなり気性が荒いとか。」
「やはりいるのだな。しかし気性が荒いとは……中々厄介な御方のようだ……タイヨー君が行って大丈夫だろうか。」
スミス王が心配顔です
「私も気になりましたが、白氷竜すら仲良くなってしまうタイヨー殿なら大丈夫でしょう。」
ノルディカさんがそう話したところで執務室の扉が開かれました
「ノルディカさん!タイヨー様が来ていたと侍女から聞いたのですが。」
そこには息を切らせながら問いかけるロキシー王女がいました
「ええ。先程まで話を伺っていたところです。」
ノルディカさんはサラッと言いました
「そんな……私もお話したかったのに。」
ガッカリする王女さま
「王女は大事なお茶会があったではないですか。お茶会は公務ですから抜け出す事はできませんよ。」
「それはそうですが……」
ノルディカさんの指摘にガッカリする王女さま
その王女さまにノルディカさんが付け加えます
「タイヨー君も王女に会えなくて残念そうでした。次に来た時は必ずお連れいたしますから。南部地方からの帰りを待ちましょう。」
それを聞いたロキシー王女は笑顔になりました
それを聞いたスミス王はビミョーな顔をしていました




