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88 神さまの帰還とノルディカの報告

王都から拠点へと向かうジロさんの馬車

ジロさんは指輪の力で拠点へと瞬間移動

王城ではスミス王にノルディカ副騎士団長が報告


88話 はじまります

ジロさんの馬車は王都から深緑の森に向かって走っていました

美女ふたりを乗せて


神さまはジロさんに言います


「ジロさん酷いです!僕をおいてダルベロさんのところにひとりで行ってしまうなんて!」


ジロさんも言います


「タイヨー君。私はあの人たちの中に入ることはできないよ。僕はいたって普通の人間なんだよ。だいたいタイヨー君はロキシー王女さまとずっと仲良く話していたって聞いてるよ?そうしたら私は独りぼっちだよ?それの方が酷くないかい?」


「そ、それはそうなんですが……」


神さまは反論できません

事実、ずっと王女さまと楽しく話していましたから


「ま、まぁ分かりました。ジロさんの言う通りです。ではそろそろ拠点に行きましょうか。ユキとディーネも瞬間移動で拠点に行くけど良いかな?」


神さまが聞くと、ふたりは了解の意を示しました


「ではジロさん、お願いします。」


「わかったよ。『大樹の家へ行きたい』」


馬車はその場から忽然と消えました




一方その頃、王城ではスミス王の執務室にノルディカ副騎士団長とロキシー王女がいました


「ロキシー、ノルディカ副騎士団長よく来た。タイヨー君が北部から帰ったと聞いたが何かあったか?」


ノルディカ副騎士団長は答えます


「はい。例の北部の街のセイレーン達と漁師との対立ですが、無事に解決できたそうです。」


スミス王は微笑んで答えました


「おぉ、それは良かった。原因は何だったのだ?」


「海底火山の活発化で魚が逃げて漁獲量が減ってしまい、少ない魚をめぐって争いになっていたようです。それを知った白氷竜さまが火山活動を鎮静化させて、再び魚の過ごしやすい環境に戻したとのことです。」


スミス王は驚きました


「タイヨー君がそれを成し遂げたと?」


「いえ。深緑の森の管理者様と北の海の管理者様がお知り合いのようで、そのつてを生かしタイヨー君が北の海の管理者であるウンディーネ様に火山活動の鎮静化をお願いし、相談を受けた白氷竜さまが対応してくれたそうです。」


「そうか。無事に争いを回避できたのは良かった。しかし白氷竜さまの力はすざましいな。」


ノルディカさんはそれに対して答えました


「白氷竜さまは人族同士の争いを好まず手助けをしてくれました。人間側から攻撃しない限り敵対する恐れはないと思ってよいでしょう。」


スミス王は大きく頷きました


「その通りだな。……ところでロキシーよ。大丈夫か?なにか心ここにあらず……といった感じだが?」


「……いえ。そのようなことはありません。」


実際のところ王女さまは夢見心地でした

白氷竜のユキ様に恋を後押しされ、タイヨー様といっぱいお話ができて……


ノルディカさんがスミス王に言いました


「王女は大丈夫です。まったく問題ありません。」


「お、おぅ……そうか。ノルディカ副騎士団長が言うなら間違いあるまい。報告ご苦労であった。」


スミス王はなにか良い事があったのだろうと思いました


しかし侍女達はすでに情報を得てました


「あの表情はアレですわね。」

「スワンズで美女ふたりとタイヨー様といたとか。」

「特にそのうちのひとり絶世の美女と王女さまが顔を赤らめお話を。」

「タイヨー様と王女さまが楽しそうに話してたとか。」

「絶世の美女からの恋のアドバイス。」

「最高においしいケーキ。」

「あの幸せそうな表情はアレですわね。」


喫茶店スワンズの様子は王都で話題になっているようです




神さま達はジロさんの指輪の力で拠点に帰ってきました


そこではゲイルとスコットくんが剣の練習を行ってました


木剣で撃ち合うふたり

時々水魔法での攻撃や防御を交えながら物凄いスピードで打ち合っています


「今日こそ!ししょーから一本取るんだ!」


スコットくんが木剣の先から水の刃を打ちながら、ゲイルに接近し突きを放ちます


「ヤーー!」


しかしゲイルはそれを軽々かわすと、スコットくんの頭を木剣で軽くたたきました


「やられたーー!」


「まだまだですな。」


ふたりはとても楽しそうです


離れた場所では、ライアがフラックスちゃんと精霊魔法でツルを操り、ツル同士での攻防を繰り広げています


フラックスちゃんがライアの死角から伸ばしたツルをライアの足に絡めます


「やるわね。でもまだまだ。」


ライアがそう言うと、風の刃でフラックスちゃんのツルを切り落としました

そしてライアのツルがフラックスちゃんをグルグル巻きにしました


「やられたーー!」


やられたのにフラックスちゃんはニコニコ

こちらも楽しそうです


ジロさんは遠い目でその様子を眺めていました


ユキとディーネは面白そうに模擬戦を見ていましたが、それが終わるとゲイルとライアのところに行きました


ユキがゲイルに話しかけます


「深緑竜さま、お久しぶりですわ。」


「これは白氷竜さま、お久しぶりです。私は今はゲイルを名乗っておりますぞ。」


ユキも微笑みながら答えます


「私も先日からユキと名乗っております。どうかよろしくお願いしますわ。ところでこの少年……スコットくんと言いましたか。かなりの逸材ですわね。」


ゲイルも微笑みながら答えます


「そうでしょう。これでもまだまだ発展途上ですぞ。」


「それは素晴らしいわ。では水魔法が使えるようですし、私が上位の氷魔法を教えましょう。」


スコットくんは美女のユキに顔を真っ赤にして照れながらも


「はい!ユキせんせい!お願いします!」


と挨拶してました




一方、ディーネはライアのところに向かい言いました


「お久しぶりですわね。ドライアド……いまはライアと名乗っているようですね。」


ライアは驚いた顔をしました


「ウンディーネじゃないですか!久しぶりです!ここで再会するとは思ってもいませんでしたわ。」


それに対してディーネは自慢げに言うのでした


「ライア、あなたがライアと名乗っているように、私も今はディーネと名乗っているのですよ。」


その瞬間、ライアが目を三角にして怒りながら神さまを探します


「タイヨー様!あなたは神の使途を何人増やすおつもりですか!どこですか!タイヨー様!」


神さまは逃げました


そんなライアをほっておいて、ディーネはフラックスちゃんに優しく話しかけます


「はじめましてフラックスちゃん。私はディーネと言います。貴方は素晴らしい素質を持っていますね。驚きました。私もあなたに水魔法を教えて差し上げますわ。」


フラックスちゃんは喜びました


「うん!ディーネせんせい!よろしくね!」


ジロさんが呟きました


「うちの子がますます人外に……」



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