86 王都への帰路
森の村での行商は大成功
神さまは王都を経由して深緑の森に帰ります
王国北部編が終わっても二人の美女は着いてきます
86話 はじまります
「今回の行商は大成功でしたね。」
「そうだね。魚を森の村に届けることができて良かったよ。お客さんに喜んでもらえた時こそ行商をやっていて良かったって思える瞬間だよ。」
神さまとジロさんは王国北部から王都に向かっての帰り道でした
今回の北部の旅では新たな街、新たな景色、新たな人、数多くの出会いがあり、神さまはとても満たされていました
「私達との出会いも素敵でしたわね。」
神さまとジロさんの笑顔が引きつりました
「どうなのですか?タイヨー様?」
そういうのはウンディーネのディーネです
「もちろん素敵ですよー」
神さまは返事しました
「それは良かったですわ。」
ディーネは満足顔です
ユキも静かに微笑んでいます
ジロさんの笑顔は引きつっています
ジロさんにはあの後、北の海で起こったことの事実を話してあります
やっぱりウソはいけません
よってユキとディーネの事も話しました
ジロさんは気絶しましたが……
「ところでお二人は、なぜ僕達と一緒に馬車で旅をしているのでしょう?たしか僕が戻ってから瞬間移動するって言っていたような……」
神さまは、たまらずディーネに聞きました
「白氷……ユキ様はほとんどの時間を海底で過ごされていました。ドラゴンは強さの頂点であり恐れられてもいます。他の者を怖がらせてしまうので、あまり自由ではなかったのですよ。」
ディーネはそう言いながらユキを見つめました
「そうですね。なにしろドラゴンは巨体ですから街に近づけば大騒ぎになってしまうでしょ?」
ユキは美しい笑顔で言いました
ディーネが話を続けます
「ユキ様はタイヨー様の配下になったことで人の姿を得ることが出来ました。それはこうやって旅に出ても全く問題ないということです。ユキ様もタイヨー様のように世界を見て回りたいのです。」
神さまにはその気持ちがとっても解ります
「ディーネはなんで付いてきたの?」
「は?ユキ様が行くところに私が行かなくてどうするのですか?」
何言ってるの?と言う顔でディーネに言われてしまいました
おかしいな
ライアはウンディーネは心優しいと言っていたのに
神さまちょっと涙目です
「それに北部で何か感じることがあれば私の『水の扉』ですぐに戻れますからね。」
そうです
ディーネは神の使徒になった時にライアの『木の扉』と同様に多人数を移動できる『水の扉』を得ていました
「それなら僕たちが深緑の森の近くに着いた頃に『水の扉』で来ても良かったのでは……」
神さまがそう呟くと
「だから!旅がしてみたかったのです!」
とディーネに強く言われてしまいました
ジロさんが神さまの近くで呟きました
「ライア様が2人になったような気がするのは私だけですか?」
「奇遇ですね。僕もそう思います。」
王都に向かって進んでいくと、見るからに盗賊な男達が10人ほど現れました
「そこの馬車!荷物を全て置いて立ち去れ!」
リーダーらしき男が怒鳴りました
するとユキが前に出ていきました
盗賊達はユキのあまりの美しさに我を忘れかけましたがなんとか立ち直りました
「お、お、女も置いていけ!」
美しすぎる女性の前では盗賊達もタジタジになるようです
「タイヨー様。これは盗賊と言う者たちですか?確か悪者でしたね。」
ユキが神さまに聞きました
「そうだけど殺さないでね?」
神さまは念を押しておきました
「わかりましたわ。『吹雪』」
ユキがそう言うと、途端に周囲の気温が下がり雪が舞い降りました
盗賊達は寒さに震えながらユキを見ます
ユキは盗賊達に、フゥ……と息を吹きました
すると盗賊達は氷像のように凍りつきました
それはとても幸せそうな顔でした
神さまはため息交じりに確認します
「死んではいないんだよね?」
「もちろんです。1時間もすれば氷も溶けて元通りです。」
ユキは微笑みながら答えました
きっと盗賊達は絶世の美女の吐息で幸せになりながら凍りついたのでしょう
神さまは再び、ため息を吐き言いました
「まぁ彼らは放っといて先に進みましょう。」
街道を進んだ神様たちは王都に着きました
門に近付くと門兵が1人何故か王城の方に走っていきました
門に着いたら門兵さんに話しかけられました
「こんにちは、タイヨー君。ようこそ王城……へ……」
門兵さん、固まってしまいました
視線の先には微笑のユキ
ディーネもかなりの美女です
ですがユキの美貌は大変です
世界の運命すら変えてしまうだろう美貌です
ここに来るまでの人々の反応で、いくら無知な神様でも理解できました
けれどジロさんだけは例外です
ユキの正体が白氷竜だと知っているので
とはいえ、まずは門兵さんに目を覚ましてもらわないと
「門兵さん。大丈夫ですか?」
神さまは肩を叩きながら言いました
「は!?私は何を?」
ユキの美貌は強烈な破壊力です
そんなやり取りをしていると、向こうから猛獣を従えたお姫様がやってきました
ノルディカ副騎士団長さんとロキシー王女さまです
ノルディカさんが獰猛な笑みで神さまに話しかけました
「やぁタイヨー君、こんにちは。」
「タイヨー様、こんにちは。」
2人は驚きの表情
ノルディカさんは緊張と警戒
王女さまは悲しげな表情に
2人の美女と登場した神さま、いろいろ説明しないといけませんよね




