77 スミス王への報告と指輪
神さまのプレゼントにロキシー王女は大喜び
しかしその指輪が王城の皆を噂の渦中に引きずり込みます
人が集まれば噂話は盛り上がりますよねぇ
77話 はじまります
王都で買い物を済ませた神さまとジルさんは、宿屋で宿泊し翌日早朝に北部に向けて出発する予定です
ダルベロさんのお店で別れたロキシー王女とノルディカ副騎士団長は王城へと戻りました
王城に戻った王女とノルディカさんはスミス王のいる執務室に向かいました
「うぉっ……と、ロキシーとノルディカか。執務室にどうしたのかな?」
書類に目を通していたスミス王がビックリした表情でノルディカさんに聞きました
「一応、伝えておいた方がよいかと思いまして。」
そう前置きしてノルディカさんは話しました
「じつはタイヨー殿とジル殿が先ほど王都に来たという知らせを受けまして会ってきたところです。」
スミス王は興味を示し、続きを促しました
「お二方は王都で行商の仕入れをしたのち、明日北部に向けて発つそうです。そこで人間の村とセイレーン達との対立について話しました。そしてウンディーネ様がセイレーン達を守護し、争いが大きくなると白氷竜様が暴れるかもしれない……と伝えました。」
「するとタイヨー君はなんと?」
「ウンディーネ様と白氷竜様の事は精霊様に聞いている……と言いました。そのうえで何かあれば報告してくれると言ってくれました。」
スミス王は驚きました
「白氷竜様の存在も精霊様はお認めになったのか!?」
「はい。普段は海底深くに住んでいるそうです。」
ノルディカさんは答えました
「了解した。ご苦労であったノルディカ。北部方面には特に注視しておくとしよう。」
スミス王は新たに実在することが判明した白氷竜について考えました
考えながら王女をふと見ると、何やら様子がおかしいことに気づきました
「……ところでロキシーよ。先ほどから右手の指輪が気になるようだが……どうかしたのか?」
「……なんでもありませんわ。」
なにやら王女がモジモジしています
「……何でもないようには見えんが?」
スミス王が懐疑的な目で王女をみます
「問題ありません。なんでもありません。」
ノルディカ副騎士団長が猛獣の眼光でスミス王を睨みます
「おっおう……な、なんでもなかったな。ふたりともご苦労であった。」
スミス王は気が付かなかったことにしました
しかし、侍女達がその様子を見逃すはずがありません
「指輪ですわ。」
「あの反応はやっぱりアレですわね。」
「王女さまとタイヨー様を商店街で見たとか。」
「とても目立っていたとか。」
「王女さまが見たことない笑顔だったとか。」
「間違いないですわね。」
「あの指輪はアレですわね。」
恋バナ大好き侍女たち
噂大好き街の人たち
神さま、意外なカタチで注目されてきました
「ハクション!」
くしゃみをしないはずの神さまがくしゃみをしてます
「タイヨー君、また噂されてるねぇ。」
ジロさんがからかいます
「なんだか本当にそんな気がしてきたよ。」
神さまは身震いしました
ジロさんが面白がって続けます
「これはアレだね。王女さまにプレゼントしたことに関係あるよね~。その指輪をめぐって今頃王城で噂になっているんじゃないの?」
「え?そういうものなの?」
神さまは不思議に思いました
ジロさんが面白そうに話しました
「人間はね、噂話が大好きなのさ。特に恋のうわさともなれば女性たちは敏感に嗅ぎつけるからね~タイヨー君も隅に置けないねぇ。」
「そうかぁ~じゃあ王女さまに迷惑かけちゃったかなぁ~」
神さまはちょっと心配になりました
「そんなことはないよ。王女さまは物凄く喜んでいたよ。もう近くにいた私たちがなんだか照れちゃうくらいにね。」
「それなら嬉しいな。あの指輪には魔法を付与したし。」
突然ジロさんの顔が凍り付きました
「え?魔法を付与?」
「うん。王女さまに危険が迫ると僕に知らせが届くんだ。」
「……タイヨー君……それはライアさんの正座三角目案件じゃないかな?」
ジロさんが怖いことを言います
「え!?そうかな?」
神さま焦ります
「このことは僕とジロさんの秘密という事で。」




