76 神さまからのプレゼント
神さまが北部に行くと知ったノルディカ副騎士団長は何か思案顔
北部には何かあるのかもしれません
そして神さまは王女さまにプレゼント!?
76話 はじまります
門兵の控え室で神さまとジロさん、ノルディカ副騎士団長、そして元気になったロキシー王女が話しています
ノルディカさんは北部について何か知っているようです
「タイヨー君とジロ殿はセイレーンという獣人とウンディーネという精霊様を知っているかな?」
神さまは思い出しながら答えました
「北部に行くことを精霊様に話したら、そういう種族がいることを聞きました。なんでもセイレーン達をウンディーネ様が守護しているとか。」
「では白氷竜という伝説の海竜についても聞いたかな?」
「はい。なんでも白氷竜様は普段は海底で過ごしていると聞きました。」
なるほど……とノルディカさんが腕組みしました
「深緑竜様が実在すると言うことは白氷竜様も実在するのだろうな……」
ノルディカさんはそう呟くと話し始めました
「実はな、最近北部の街では漁場を巡って人間の漁師とセイレーン達で対立しているようで王城に陳情が届いているのだ。その程度で済んでるうちは大して問題では無いのだが、そこにウンディーネ様が関わってくると事態が変わってくる。ましてや白氷竜様が実在するとなると争いが大きくなるやもしれん。それは何としてでも避けなければならないな……。」
ノルディカさんは、うーーん、どーしよー……と唸ってます
神さまの方をチラチラ見ながら唸ってます
神さまはため息をつきながらノルディカさんに聞きました
「僕に何かしてこいと?」
ノルディカさんが悪い笑みを浮かべていいました
「いやいや、行商人の貴方たちに国の問題を頼むなどお門違いだろう。……ただね、タイヨー君は世界を観察しているんだろ?観察して気になる事があったら是非報告して欲しいなぁ〜と思ってな。」
神さまは思案しました
確かにセイレーン達にもウンディーネ様にも白氷竜様にも会ってみたい……
「わかりました。何か気が付いたことがあったら報告しますね。」
神さまが答えると
「そうか!そうか!引き受けてくれるか!さすがは精霊様の弟子だな!」
と上機嫌で言いました
そのあと商店街で行商の品を買いに行きました
なぜか王女さまとノルディカさんも一緒に
「ところで王女さまとノルディカさんはどうして付いてこられるのですか?」
たまらず聞いてしまいました
「ん?深い意味はないぞ。どのような物を北部に売りに行くのか気になってな。興味本位だ。」
ノルディカさん、そんな事を言うけど仕事は良いのですか?
いや、王女さまの護衛と考えれば重要な仕事か
「街の様子を見るのも王女の仕事ですわ。」
なるほど……?なのかな?
神さまはあまり気にしていないのですが、王女さまと副騎士団長と一緒に買い物という姿はとんでもなく目立つのです
当然ジロさんはオドオドしています
「ん、そういえばジロさん。そろそろダルベロさんのところに家賃をもらいに行ったほうがいいかな?」
神さまは以前のジロさんのお店の事を思い出しました
突然話し掛けられてジロさんはビックリしてましたが、神さまの意見に同意しました
「そうだね。しばらく来れないから行ってみるか。」
すぐ近くにある、今はダルベロさんの雑貨屋さんに顔を出しました
「こんにちはー」
「いらっしゃい!……お、タイヨー君じゃない。どうしたの?今日は?」
と言ってジロさんもいる事に気が付きました
「あ、ジロさんも一緒だったんですね……って!王女さま!?ノルディカ副騎士団長様!?」
ダルベロさん、ビックリし過ぎて飛び上がってました
「ごめんねー大勢で来ちゃって。じつは北部に行商に行く前に家賃をもらっておいたほうがいいかなぁ〜って寄ってみたんですよ。買出しのついでなんですけどね。」
笑いながら言う神さまに、引きつった顔のダルベロさん
「わかりました!じゃあジロさん、ちょっとこちらに……」
と言ってダルベロさんはジロさんを奥に連れていきました
「なんで王女さまとノルディカ様が一緒なんですか!」
「まぁ……これにはいろいろあって……」
奥に歩いていく2人からヒソヒソ声が聞こえますが無視します
王女さまはダルベロさんのお店の中を興味深そうに見ています
ノルディカさんは店の入り口で睨みを利かして護衛任務です
誰も怖くて店に近付けません
王女さまはしばらく店内を見ていましたが、アクセサリが置いてあるコーナーで、ひとつの指輪を興味深そうに見ていました
神さまは王女さまに聞きました
「何か気になるものでもありました?」
「素敵な品がいろいろ置いてありますね。」
王女さまはごまかすように言いました
「その指輪が気になりましたか?もし迷惑でなければ僕にプレゼントさせてもらえませんか?せっかくこうして知り合えたので何か贈り物をさせてほしいのです。」
神さまがそういうと、王女さまは顔を真っ赤にして、でも小さな声で
「とても嬉しいです。」
と言って微笑みました
神さまは指輪を取ると小さな声で呟きます
「どうか王女さまに『守護』を与え守ってください。」
すると指輪は薄く金色に光り、すぐに元に戻りました
驚いた王女さまは小さい声で神さまに聞きました
「タイヨー様、今のは?」
神さまは周囲を見回して他に誰も気が付いていないことを確認してから言いました
「指輪にお願いをしたんだよ。この前みたいな危険が再び王女さまに訪れてもどうか守ってください……ってね。僕は精霊様の弟子だからね、きっと効果があるよ。」
そう言って、お店に戻ってきたダルベロさんに、これくださーい!と言って買った指輪を王女さまにプレゼントしました。
周りの皆がニヤニヤしながら見ている中、真っ赤な顔をした王女さまが指輪を受け取りました




