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73 ジロさんより家族の方が……

前話まで6話続いた王女編も終了し、通常運転に戻ります

読んでおられない方は是非読んでいただきたいなぁと思います


王女の騒動は一件落着!良かったねロキシー王女

神さまとジロさんは家路をのんびり進みます

帰った拠点では何やら起きてる様子


73話 はじまります

馬車は森へ向かう街道をゆっくりと走ります

神さまは、そろそろいいかなぁ〜と言いながらジロさんにお願いします


「ジロさん。そろそろお願いしますー」


「わかったよ。うーん……『大樹の家へ行きたい』」


ジロさんは指輪に魔力を流し祈りました

そして周囲の景色が歪んだかと思うと、馬車ごと拠点に瞬間移動しました


「……タイヨー君。普通にこの拠点に馬車で移動する事は出来ないの?何だかこの凄い力が当たり前になっちゃうようで怖いんだけど。」


ジロさんは難しい顔をして聞いています


「ごめんねー。この拠点の周囲にはライアの協力な結界が張られていてね。外部からここに入れるのは、僕とゲイルとライアと指輪の効果を使ったジロさんだけなんだよ。」


世界の命運を左右する人物達と同等の力を持ってることに、改めて手にしている指輪がアーティファクトだと実感するジロさん


しばらく頭を抱えたジロさんは周囲を見渡します


「子供達はどこにいるかなー」


現実逃避したジロさん

ゲイルとスコットくんを見つけました


何やら体術の指導を受けているようです


「えい!えい!」


可愛らしいパンチを繰り出すスコットくん


ジロさん微笑みます


ゲイルが


「うむ。なかなか上手だぞ。」


と褒めています


「ほんと?やったー!」


スコットくん、無邪気に微笑みます


ジロさん微笑みます


ゲイルが


「今度はそのパンチの先に水の手が伸びるようなつもりで『水撃』と言ってみなさい。」


「ん?」


ジロさん微笑みが固まります


スコットくんはゲイルの言う通りにやってみます


「わかった!いっくよー!『水撃』パンチ!」


パンチをした右手の拳から、それこそ拳大の水の玉が繰り出されたかと思ったら10メートル程先の木にぶつかり、その木をへし折りました


「ししょー!うまくできたよ!」


スコットくんはゲイルに満面の笑顔を向けました


「うむ。スコット殿は身体に魔力を馴染ませ戦うのが上手ですな。」


そう言ってスコットくんの頭を撫でます


「やったぁ!」


スコットくん、大喜びです


「「あは……あははは……」」


神さまとジロさんは引き笑いするしかありません




別の場所からはライアとフラックスちゃんの声が聞こえます


「えい!」


フラックスちゃんが可愛い掛け声をだしました

すると地面から草のツルがスルスルと伸びてきました


ライアが楽しそうに言います


「やっぱりフラックスちゃんすごいわねぇ。じゃあもう少し動かす練習をしてみようか。」


「うん!」


フラックスちゃんも楽しそうです


「じゃあね、伸びたツルの先が自分の指の先だと思ってごらん。自分の指をあの木に思いっきり突き刺すつもりで『刺突』と言ってみなさいな。」


ライアが新しい事を指示しました


「うん!やってみるね!やーー!『刺突』!」


先程伸びたツルがフラックスちゃんの指の動きに合わせるように木に向かって突き進みました……が、木に当たったところでクニャッと曲がってしまいました


「おにいちゃんみたいに木が折れない。」


フラックスちゃんちょっと泣きそうです

するとライアが言いました


「おにいちゃんもちょっと前まで水を出して手を洗うことしかできなかったのよ。フラックスちゃんはまだおにいちゃんより小さいのにとっても凄いのよ。フラックスちゃんは風魔法も精霊魔法も使えるようね。私と同じね。」


ライアがそう言うと、フラックスちゃんは笑顔になり、ししょーと同じ!と言ってライアに抱きつきました


ジロさん、もはや涙目です




家の方からフリッチさんの声がしました


「おかえり!行商の練習は上手くできたかい?」


そう言うフリッチさんは『風の刃』で薪を大量に作っています


「敷地の隅にちょうどいい感じの倒した木が大量に転がっていたからね。薪にしているのさ。」


あれは拠点を作った時に伐採した木……


それよりも、簡単に言うフリッチさんの『風の刃』はかなりの腕前です……と言うかフリッチさんは風魔法は使えなかったのでは?


ジロさんはちょっと悩んだようですが教えてくれました


「フリッチは人間のように見えますがエルフの血が混じっているハーフエルフなんですよ。あまりその事を公にしたくない彼女の意見もあって、定住しない行商人を始めたんですけどね。でも魔法はそんなに得意ではなかったはず。」


するとフリッチさんが話してくれました


「なんだい。アンタ。ばらしちゃったのかい。そうなんだよ。私の母はねエルフでね。それでも魔法はそれ程得意ではなかったんだけど、ライア様が教えてくださってね。みるみる上達したんだよ。風魔法は便利だねぇ。」


フリッチさんは、ワハハ!と笑いながら言います。

すると、こちらにやってきたゲイルが納得顔で言いました


「そういうことでしたか。スコット殿もフラックス嬢もちょっとの説明で理解し魔法を会得してしまうのです。おそらくはエルフの血と、この場所の魔力のお陰でしょうな。2人ともまったく教え甲斐のある弟子ですぞ。」


そういうとゲイルも愉快そうに笑いました

ジロさんは


「自分の瞬間移動でさえ私は恐れをなしていたのに、家族は私より遥かに人外になりつつある……」


と言って遠い目をしていました



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