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72 ロキシー王女は願う

王女編 6話中の最終話です

突然すみません

この最終話を含む全6話が私的に気に入ったので勝手ながら「王女編」と名付けました

ここを見つけてくれた貴方、是非とも王女編の6話だけでも読んでいただけたら幸いです


72話 はじまります

王女さまの無事な姿を確認し、神さまはジロさん及びノルディカさんと謁見の間に向かいました


スミス王は神さまにお礼を言いました


「王女を……ロキシーを救ってくれてありがとう。状況は護衛から聞いた。魔獣の脅威を全て君に向けて、王女の乗る馬車を逃がしてくれたそうだな。感謝の言葉しか出てこず申し訳ない。本当にありがとう。」


神さまは首を振りました


「いいえ、スミス王。僕が王女殿下を逃がすことができたのは、僕がその場にたどり着くまで馬車を命懸けで守った兵士達です。僕がもう少し早く到着できていれば、失う命も無かったのでは……と思うと悔やまられます。」


「いや、タイヨー殿は気に病むことは無い。今回は本当にありがとう。」


スミス王にお礼を言われ、神さまとジロさんは王城を出ました




「しかし王女さまの馬車だったとはなぁ。さぞかし怖かっただろうな。早く元気になると良いけど。」


神さまは少し生気の戻った王女を思い出して呟きました


「そうだね。でも大丈夫だよ、きっと。しかし疲労でやつれてはいたけど、王女さまはずいぶんと可愛らしいお人だったね。あれで誰にでも分け隔てなく優しく接する方だから王都の住民に人気があるのも頷けるよ。タイヨー君、ドキドキしちゃったでしょ〜」


ジロさん、ニヤけながら神さまに言います


「イヤだなぁ〜そんなんじゃないですよ〜でも確かに素敵な方でしたね。でもあちらは王女さま。こちらはしがないビンボー行商人。まったく釣り合いもとれないし、よっぽどの事がなければお会いする事もないでしょうねー。」


「タイヨー君。しがないビンボー行商人は酷くないかい?しかも私達はビンボーでもないよ。」


ジロさんは笑いながら言いました

神さまは笑いながら考えました


神さまは人間の観察を始めたばかり

恋とか愛とかまだ勉強してません

そして神さまが恋愛を体験するのは難しいかもしれません


神さまの身体は人形ですから

人々が成長しても神さまは変わらないのです


もっとも一緒にいるゲイルとライアも変わらないのだから別に問題もないのですけどね


「さて、自宅の買い物を済まして帰りましょうか。」




その頃、お城ではロキシー王女が再び元気を無くしていました


元気を無くした……とは違うでしょうか

寂しそうな……と言うのが正しいでしょうか


しかしスミス王にはそんな違いはわかりません

再び元気を無くしたロキシー王女が心配です


「ロキシーよ。元気が無いようだがまだ体調が優れないのかな?窮地を救ってくれたタイヨー君も無事が確認できて良かったではないか。」


タイヨー君……で少し反応したロキシー王女

しかし何事もないかのように微笑んでスミス王にこたえました


「いえ、お父様。大丈夫ですわ。ただタイヨー様とジロ様がお帰りになる時に、ご挨拶できなかった事が残念でして……」


ロキシー王女はそう言って表情を曇らせました


「そうであったな。まだロキシーは寝室で横になっていたからな。でもタイヨー君は王国としても無視できない存在。森の支配者様と管理者様の御二方と我々をつなぐ重要人物だ。我々も彼とは懇意にしていかなくてはならないだろう。彼が王都に来たときは是非王城にも立ち寄っていただきたいな。」


スミス王がそう言うと、ロキシー王女の表情がパァッと明るくなりました


「そうですわね!その時は私も是非同席させてください!」


「お、おぅ。わかった。」


突然元気になったロキシー王女にスミス王は少し後退りしてしまいました


王女は再会を願い、自身ももっとタイヨー様にふさわしい相手にならねばと誓うのでした


側に控えている侍女達はヒソヒソ話します


「これはアレですわね。」

「えぇ。間違いなくアレでしょう。」

「王女さまと命の恩人の少年。」

「しかも美少年。笑顔の素敵な美少年。」

「なぜか目立たないのですが美少年。」

「これはアレですわね。」

「間違いないでしょう。」


恋バナ大好きの侍女たち

噂大好きの侍女たち

しばらくこの話題が冷めることはなさそうです




「ハクション!」


神さまがクシャミをしました

クシャミをした瞬間、口から炎が漏れましたが大丈夫

しかしクシャミなどしない体のはずですが……


「タイヨー君がクシャミなんて珍しいね。誰かに噂されているんじゃないの〜?」


ジロさんがニヤけながら話します


「噂?クシャミと関係あるんですか?」


神さま聞きます


「うん。誰かに噂されると、噂された人はクシャミをする……なんて言われているんだよ。根拠は無いけどね。」


ジロさんは笑いながら言いました


「へ〜面白い話ですね。」


そう言いながら神さまは帰り道を進むのでした



王女編いかがでしたか?

私としては気に入ってるのですが、面白さを評価していただけると参考になります。良かったらお願いします。


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