70 見つけた手掛かり
王女編 6話中の4話目です
突然すみません
この4話目を含む全6話が私的に気に入ったので勝手ながら「王女編」と名付けました
ここを見つけてくれた貴方、是非とも王女編の6話だけでも読んでいただけたら幸いです
70話 はじまります
猛獣の眼光をしたノルディカの前に固まっている若い兵士
「食事中に邪魔をしてすまないな。先ほどの話していたことについて詳しく教えてくれないか。」
ノルディカの質問に兵士は緊張しながら答えます
「は!じつは王女が帰還した後、しばらくして若い男性と少年の行商人が入ってきまして。それが巨大な狼の魔獣を凍らせた状態で大量に運び込んできたのです。なんでも王都に向かっている途中で襲われたので倒したそうで。せっかくだから持っていって売るつもりで運んできたと言っていました。」
ノルディカは久しぶりに鼓動が速くなるのを感じました
「その者たちは名乗ってはいなかったか?」
兵士は言いました
「少年は金の身分証を持っていました。プレートにはタイヨーと書いてありました。」
ノルディカは食堂中に聞こえるように指令を出しました
「全員聞け!今から緊急重要案件の指令を出す!王都にタイヨーという少年が来ているはずだ!見た目は少女にも見える中性的な少年だ!彼は本日帰還した王女の窮地を救った可能性がある。是非見つけ出してほしい!」
このようなノルディカ副騎士団長の行動は誰も見たことが無く驚きました
そして指令は続きます
「ただ彼はとんでもなく強い。絶対に敵対するな!丁重に……必ず丁重に対応してくれ!そしてノルディカがどうしても話がしたいと伝えてほしい!彼を見つけたら即、私に報告しろ!私はここで待機している!とにかく情報が欲しい!よろしく頼む!」
「「「はっ!」」」
前例のない突然のノルディカの指令でしたが、そこにいた兵士全員が力強く答えました
王城でまるで指名手配のごとく神さまの捜索が行われているなど露知らず、神さまは食事処でジロさんとのんびり夕ご飯を食べていました
神さまは食事の必要はないのですが、ジロさんはお腹が空きますので
2人は今日の出来事を話していました
「あの大きな馬車の人達は無事逃げられたのかな?」
あの戦闘では死者も出ていたので神さまは心配しました
「どうだろうねぇ。見た感じでは馬車の中までは被害を受けてはいなそうだったけどね。」
それよりも……とジロさんは話題を切り替えました
「あの魔獣は結構高く引き取ってもらえたね。やっぱり冷凍で持っていったのが良かったんだろうなぁ。見た目のインパクトも強かったしね。あの冷凍する魔法は魚や肉などの傷みやすい食品には絶大な効果だよ。そういう道具が出来たらもっといろいろなものが新鮮に遠くまで流通できるだろうなぁ。」
神さまも考えました
「確かにそうだよね。そうすれば食生活ももっと豊かになるし食料を長持ちさせれるね。いいなぁ……作っちゃう?冷凍する箱とか?」
ジロさんは笑いながら言いました
「たしかに便利だけどね、それってアーティファクトだよね。絶対にライアさんに怒られちゃうよ。目を三角にしたライアさんは怖いからね~」
神さまとジロさんは、ここにいないライアの怒る姿を思い出しながら笑っていました
そんな感じで楽しく食事をしていると、何やら店の入り口の方が騒がしくなりました
そちらを見ると何やら見覚えのある人が
その美しいエルフの女性は神さまを見つけた途端、凶暴な魔獣が獲物を見つけたような鋭い眼光と笑みを浮かべました
そしてその猛獣は神さまのところに向かって一直線
他のお客さんがササーッと道を開けズンズンと近づいてくるのはノルディカ副騎士団長でした
「やぁタイヨー君、こんなところで偶然だな。」
「いやいや、とても偶然とは思えない登場ですよ?いったいどうしたのですか?今日は誰とも揉め事は起こしていませんよ?」
神さまはノルディカさんが4人の騎士を引き連れて登場したので、ついつい身構えてしまいました
「心配無用だ。せっかくの偶然の再開だからな、ちょっと話がしたいだけだよ。でもそうだな、少し店を騒がしくしてしまったな。店を変えようか。ジロさんも是非ついてきてください。」
そう言って、奇遇だなぁ~などと言いながら、勝手に神さま達の会計を済ませるノルディカさん
お店のお客さん達に
「迷惑をかけたな。これで皆で飲んでくれ。」
と言ってお金の入った袋を置いていきました
お客さん達は大喜び
「いただきます!副騎士団長様!」
と喝采を浴びてました
「なるほどなぁ。ノルディカさんは人気がある訳だよね。」
と神さまは頷きました
そしてノルディカさんが用意してくれた馬車に乗って、違うお店へと向かいました
そしてノルディカさんが常連という店に着きました
そこは王城の会議室
神さま思わず言いました
「話が違うよ!」




