62 新たな窮地に追い込まれたジロさん
無事にウロコを献上できたジロさん
スミス王から褒美を頂けるようです
しかしこれが再びジロさんを悩ませることに
62話 はじまります
謁見の間を出たノルディカさん、ジロさん、そして神さまは控室に待機していました
すると宰相さんが褒美を持ってきてくれました
「待たせて済まなかった。手続きに少々時間がかかってな。」
そう言って近衛騎士に持たせていた盆から、まずは装飾が施された箱をジロさんに渡します
「なにぶんあれだけの品だ。誰も査定ができなくてな。これで納得していただきたい。」
「あ、ありがとうございます。」
そう言って箱を受け取りました
「中に大金貨が5枚入っている。」
その瞬間、ジロさんが固まってしまいました
「そしてこちらはタイヨー君の住民証だ。これは王家が身元を証明するもので、特に拘束力は無いから安心してほしい。」
それは首に掛けるネックレスのようなチェーンで金色のプレートが付いています
神さまは住民証を首に付けると、お礼を言いました
「ありがとうございます。」
再びノルディカさんに、馬車でジロさんの自宅まで送ってもらいました
「ノルディカさん。今回は助かりました。本当にありがとうございます。」
神さまはお礼を言います
するとノルディカさんは
「いいや、構わない。私は王都でなら協力できることは多いからな。そのかわり私が困った時は助けてくれよ。」
と、いつもとは少し違う優しい表情で冗談っぽく言いました
こんな可愛らしい表情もするんだな……と神さまは率直に思いました
ジロさんもお礼を言いました
「この度は本当に助かりました。どうして良いか本当に困っていたので。」
「気にしなくていい。それよりもいきなり大金を手にしてしまって大丈夫か?」
ノルディカさんは心配します
「じつは……ウロコもかなり持て余していましたが、大金もどうして良いのか……心落ち着く時がありません。」
ジロさん顔色が悪いです
馬車はジロさんの家に着きました
最後にもう一度、ノルディカさんにお礼を言って別れました
そして今、神さまはジロさんの家にいます
「タイヨー君……私はどうすればいいだろう。黒服の男達は私の家を知っているとも言ってました……ここにいるのも危険かも……。」
急に大金を手にしたジロさんは困惑してます
「本当だねぇ……庶民には一生縁のない金額だしねぇ。」
さすがのフリッチさんも今回ばかりは困惑してます
とはいえ神さまはお金の価値がまだよくわかっていません
大金貨5枚?どれぐらいの価値なんでしょう
さっぱりわかりません
長い沈黙を破ったのはフラックスちゃんでした
「じゃあ私は大樹のお家に行きたいー!」
「あっ!それ良いね!」
スコット君もその意見に乗っかりました
2人は木の家!木の家!と騒いでます
無邪気で微笑ましい
子供達の話を聞いて、ジロさんとフリッチさんは目を合わせ頷きあいました
ジロさんは神さまに話しかけます
「タイヨー君。少し話があるんですが……。」
え?まさかね?
「どうか私達家族を大樹の家に住まわせてくれないだろうか!」
マジですかー
「どうなんでしょ。ゲイルとライアに相談してみないとわからないけど……あの森に人間は住んでないからなぁ。」
とジロさんと話しているところに、突然ゲイルが現れました
「わー!」
「わー!」
ジロさんだけでなく神様まで声を出して驚きました
「もう!ビックリさせないでよー」
神さまもジロさんのところにいきなり瞬間移動したくせにもう忘れてます
「突然申し訳ありません。何やら難しい話をしているようでしたので。」
ゲイルのひとことで本題を思い出しました
「そうそう。ジロさん達家族に急に大金が入っちゃってね。今日すでに一度襲われているし、落ち着けない状態なんだよね。そこで拠点に住みたいって事なんだけどゲイルはどう思う?」
「いいんじゃないですか?」
想像以上に軽い反応です
「え?いいの?しばらく住んでたとはいえ王都の人間だよ?」
「あの拠点は森の中でも隔離された場所なので問題は無いかと。それよりもジロ殿が窮地に追い込まれるたびにタイヨー様が王都に行かれる方がよっぽど問題です。」
ゲイルはキッバリ言い切りました
……そうですか
……そうですよね
神さま反論できません
「とりあえず大樹の家に来ても良いそうなので引っ越しますか。」
「「おー!」」
ジロさん一家揃って良い返事です
神さまは気になって聞きました
「そういえばこの家はどうするの?」
「ここは私達が行商から帰ってきた数日の間だけ住む為にしか使っていないんですよ。下の店舗は雑貨屋を営んでいる若者夫婦に貸しておりましてね。その2人に家を丸ごと借りるか買うか相談してみますよ。」
そうだったんですね
どうやら問題はないようです




