57 ノルディカ、街を巡回する
ジロさんを助けるために神さま参上!
すぐに敵を倒すも衛兵とも敵対関係に
そこに来たのは我らがノルディカ副騎士団長!
57話 はじまります
一方、商店街喫茶店付近では……
「こうしてたまには街の様子を見るのも悪くないな。」
王国副騎士団長のノルディカはひとり街を巡回していました
喫茶店の前を通ります
ケーキの美味しい喫茶店です
店長が店先の掃除に出てきました
道行くノルディカとの距離が縮まってきます
すれ違いざまに店長がノルディカにメモを渡します
ノルディカは目線を動かすことなく、黙ってメモを受け取ります
少し離れたところでメモを確認します
『新作ケーキ完成 3日後販売開始』
重要機密事項です
何としてでも食べなくてはなりません
ノルディカの眼光が鋭くなりました
「ヒィ」
すれ違う人が小さく悲鳴を上げました
ノルディカは気にすることなく歩きます
さらにしばらく進むと、路地裏を覗き込むように人だかりの輪ができていました
どうやら路地裏の方で何か起きているようです
ノルディカは一目散に進み声を張り上げました
「何事か!」
ササーーッと道ができました
ノルディカは人垣の間を進んでいきます
人垣を抜けると、衛兵たちが抜刀した状態で少年と対峙しています
が、よく見ると衛兵たちはガタガタと震え今にも倒れそうな状態です
「一体何事だ!……ッこ、これは!」
衛兵に近づいてすぐにわかりました
とんでもない殺気が少年から発せられており、ノルディカですら恐れを感じたのですから
しかしそれ以上に驚いたのは、その殺気を放っていたのが見知った少年だったからです
「君は……タイヨー君ではないか?何故ここにいる?」
少年は精霊様の護衛であるタイヨー君でした
少年はノルディカに気が付くと笑顔で殺気を霧散しました
すると衛兵たちは膝をつき肩で息をしています
「あ!ノルディカ副騎士団長様!お久しぶりです。僕はこちらのジロさんに時々行商について教えてもらっているんです。精霊様から、少しなら王都で学ぶのもよいだろうって言われまして。」
そういう少年は相変わらず不思議な少年でした
そして周囲を見回して少年に聞きました
「そこにいるのがジロ殿だとして、この黒装束の4人は何者だ?」
ノルディカは気絶している4人について聞きます
「それは私から説明いたします。」
するとジロ殿が説明を始めました
「私は行商で大変珍しいものを入手しまして、それについて商業組合で相談してきたのですが、その男たちはそれを盗み聞きしていたらしく後を付いてきてナイフで脅してきたんです。そこを私を探していたタイヨー君が見つけてくれて、その黒服たちを気絶させて助けてくれたんですよ。」
「衛兵たちも威圧を受けていたようだが?」
ジロ殿にそう尋ねると
「タイヨー君は衛兵を見たのが初めてで、いきなり抜刀されたので黒服の味方と勘違いしてしまったようで。」
と言ってきました
「あーそういえば精霊様のところにずっといたんだったか。」
「森から出てきたばかりで知らなかったんです。ごめんなさい。」
タイヨー君が申し訳なさそうに謝ります
私は少し思案した後で衛兵に指示を出します
「衛兵!副騎士団長様ノルディカが指示する!この黒装束4人を捉え素性を調べろ。この少年とジロ殿は私が直接聴取する。そのためひとりは騎士団に向かい馬車を1台呼んできてくれ。」
しかし衛兵のひとりが疑問を言います
「しかしその少年には衛兵が攻撃を受けました。こちらで聴取させてもらえませんか。」
私はその衛兵に耳打ちします
「この少年は森の管理者の重要な関係者だ。エルフの私が対応しないと森の管理者と敵対する可能性がある。ここは任せてくれないか?」
そう伝えると衛兵は驚愕に顔を引きつらせて
「そういう理由なら承知しました。お願いします。」
と言ってきました
ほどなくして馬車がやってきました
「まずは2人ともこの馬車に乗ってくれ。まだ黒服の仲間がいるかもしれないし聞きたいこともある。」
そういって馬車にふたりを乗せました
3人が乗車したところで話を切り出しました
「さてジロ殿、詳細を話してもらいたい。先ほどの話からして貴殿は精霊様と面識があると思われる。私も精霊様とタイヨー君が知り合いで精霊様から森についていろいろ教えてもらっていると聞いているし、タイヨー君の恐ろしいまでの強さも知っている。もし貴殿がそれらに関わることで問題ごとを抱えているなら私も協力を惜しまない。話してもらえないだろうか。」
ジロ殿は私の話を聞いて少し考えた後、信じてもらえたようで話し始めました
「わかりました。事の詳細をお話しします。しかしその前にいちど私の家に寄ってもらえませんか。先ほど話に出た、手に入れた珍しいものを持ってきて説明したいのです。あとできれば家族の同行も許可してもらえないでしょうか。自宅に置いておくのは危険なので。」
「わかった。了承しよう。」
馬車はジロ殿の家に向かいました




