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56 神さまと襲撃者

貴重な竜の鱗を狙う襲撃者

ジロさんに迫る襲撃者はナイフを手に追い詰める

そのころ神さまは同じくナイフを手にリンゴに迫る??


56話 はじまります

世界樹の家の前では……


神さまは拠点で右手にナイフを握りしめていました


左手にはリンゴ


神さまは緊張しながら皮を剥きはじめました

スルスルと剥けていくリンゴ

皮は長く繋がったまま剥けていきます


神さまは最後まで切れることなくリンゴの皮を剥き切ると、それをゲイルに自慢気に見せました


「どうかな?ゲイル。上手くなったでしょ。」


「タイヨー様。お上手です。ずいぶんと上達しましたな。」


ゲイルは神さまを褒めました


「あれからいろいろな果物で練習したからね。」


神さま自慢気です


そんな緩い時間を過ごしていると、突然神さまの顔が緊張したものになりました

ゲイルはその様子に気が付きました


「どうかなされましたかな?」


「うん。ジロさんに渡した指輪から、ジロさんに危険が迫っているという知らせを受けたんだよ。ちょっと様子をみてくるね。」


神さまがジロさんに渡した指輪は神さま特製


ジロさんに危険が迫ると、神さまに伝わるようになっています

そして神さまはその指輪を目指して瞬間移動ができます


そんなアーティファクトな指輪の反応

ただ事ではありません


「承知しました。お気をつけて。」


そう言うと神さまの姿がスゥッと消えました


「やれやれ……タイヨー様が問題を起こさなければよいのですが……まぁその時は私も向かいましょう。」


ゲイルはそう呟いてリンゴとナイフを片付けるのでした


王都の商店街路地裏で……


ジロさんは男に叫びました


「何のようだ!」


男は表情を変えずに言いました


「ドラゴンのウロコ……。」


ジロさんは露骨に狼狽えました


「な、なぜそれを……」


「やはり手に入れたようだな。それをこちらに渡してもらおう。」


男は確信を得たようです

ジロさんはしまった!と思いましたが


「し。知らない!何のことだ!」


と言い返しました


「まぁいい。お前の家は知っている。お前を殺してからゆっくりと調べればよいことだ。」


男は静かに笑いながら言いました


そこに突然少年の能天気な声


「ジロさん、ここにいましたか、探しましたよ。早くお店に帰りましょう。」


男達は驚きました

それ以上にジロさんは驚きました


「タイヨー君……」


ジロさんはそれ以上言葉が出ませんでした


「……お前は何者だ。いつからそこにいる。」


男は驚きを隠して少年に問いました


「僕はジロさんの行商の弟子ですよ。帰りが遅いので探していたところです。ところであなたたちはどなたですか?皆さんナイフを持っているようですが。それは果物の皮を剥くものですよ?」


神さまは笑顔で話します


「……死にたくなければ退け。」


男は少年に言います


「どうやら貴方は達は悪者のようですね。」


少年の雰囲気がガラリと変わりました

男達が攻撃しようと動き出したところで少年は呟きました


『威圧』


「な……に!?」


男達は身体が硬直して動けなくなりました

硬直……いやこれは恐怖?


「中々鍛錬されてるようですね。この程度では効きませんか。ではもう少し強めますよ。」


少年がそう言うと、その身体から黒く目に見えるほどの恐怖が襲ってきました


男達が覚えているのはここまででした

4人とも白目を剥いて泡を吹いて倒れてしまいました

ジロさんはただ固まったままで、その様子を見ていました


やがて男たちが動かなくなったことを確認したジロさんは、緊張が解けて膝をついてしまいました


「大丈夫でしたか?ジロさん。」


いつものタイヨー君が声をかけてきました


「タイヨー君、危ないところだったよ。ほんと助かった。」


指輪の効果で、ジロさんには神さまの威圧は効きません

それでもジロさんは力なく座り込んでしまいました


「抵抗するな!」


神さまが声のする方を見ると、そこには剣を向けた男達がいました

皆、同じような鎧を着ています


「悪者の仲間ですか?」


神さまは再び『威圧』を放ちました

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