52 アーティファクト
神さまは食事、ライアはゲイルとデート
どちらも楽しい時間を過ごしたようですね
そして神さまはジロさんにお礼のプレゼントを贈ります
52話 はじまります
朝になり、朝食をいただいてから宿屋を後にしました
神さまはジロさんに、何かカタチに残るものをプレゼントさせてほしいと願い出ました
ジロさんは初めは遠慮していましたが、神さまのどうしても!という勢いに負けて結局笑顔で了承しました
皆でゾロゾロと雑貨屋へと入りました
「ジロさん。この中で常にいつも身に着けていられるものを選んでください。」
神さまにそう言われたジロさんは、しばらく店内を見たあとで、何の変哲もない指輪を選びました
神さまは再度確認しました
「これなら常に身に着けていてもらえますか?」
「タイヨー君のプレゼントだからね。いつも必ず身に着けておくよ。」
笑顔でジロさんは答えてくれました
神さまは、さっそくその指輪を購入しました
店の外に出て馬車に乗り込むと、神さまはその指輪を手のひらにのせました。そして言いました
「僕は今からこの指輪に、ライアの使う『木の扉』に似た効果を付与します。これから見ることは絶対誰にも言わないでくださいね。」
そう言うと、指輪は神さまの手の上で金色に光りながら浮かび上がりました
ジロさんは驚いて声が出ません
外からは慌ててゲイルとライアがやってきました
しばらくすると、指輪は神さまの手のひらに落ちました
ゲイルとライアは目を見開いたあと、2人揃って天を仰ぎました
そしてライアは言いました
「やってくれましたわね、タイヨー様。」
ジロさんは我に返り聞きました
「タイヨー君、今のはいったい……」
神さまは微笑みながら言いました
「僕とジロさんの出会いは盗賊の襲撃です。出会えたきっかけの出来事ですが、もうあんな目には絶対に遭ってほしくありません。もしジロさんに危険が迫った時、この指輪にあの僕達と過ごした大きな木を思い出し、あの場所に行きたいと強く願ってください。その願いが強ければ指輪は応え、貴方を馬や馬車ごとあの場所に一瞬で移動してくれるでしょう。」
そう言って神さまは指輪をジロさんに手渡しました
「あ、それとこの指輪はジロさんの魔力にしか反応しませんので他人に渡しても効果はありませんよ。」
と付け加えました
今までに見たことがないほど驚愕したジロさんは、やがて涙を流しながら神さまにお礼を言いました
「本当にありがとうございます。これを身に着けることでいつでもタイヨー君に守られていると安心できます。一生この身から離さないことを誓います。」
そう言ってジロさんは指輪をはめました
指輪は少し光ったあと、ジロさんの指のサイズにピッタリと収まりました
ゲイルがため息をつきながらジロさんに話します
「タイヨー様が大変な物を渡してしまってすまぬな。この指輪は外してしまえば大して価値のない物だが、ジロ殿の指に収まっている時は間違いなくアーティファクトだ。貴重の度合いで言えば、深緑竜のウロコやあの葉よりもはるかに上だ。くれぐれも口外してはなりませんぞ。」
ジロさんはさらに驚きましたが、気を持ち直し言いました
「承知しました。なにしろ私達の命を守ってくれる指輪です。絶対口外しないので心配ご無用です。」
こうしてジロさん達とはお別れしました
いずれ王都の自宅に伺うことを約束して
神さま達も拠点に帰りました
そしてさっそく正座の神さま
「だってジロさん達に何かあったら僕は耐えられないよ?死んじゃったりしたら世界樹の薬を使っちゃうよ?」
ライアが目を三角にして言いました
「それも困りますがアレも困ります。タイヨー様、貴方が作ったあの指輪が何か自覚していらして?」
「アーティファクトって言ってたね。」
「言ってたね……ではありません!アーティファクト、アレはこの世にあらざるもの、神の遺物です!あんな物がポンポン作られたら、この世界の理が根底からひっくり返ってしまいますわ。」
「わかったよ〜今度からは作る前にちゃんと相談するよ〜」
ライアはフゥと表情を緩めました
「絶対ですよ。約束ですからね。」
そこでゲイルが質問しました
「ところであの指輪は瞬間移動の機能のみですかな?」
神さまは小さな声で
「ジロさんに危機が訪れたら僕に伝わるよ。あとジロさんのいるところに僕が瞬間移動できるよ。」
「タイヨー様!!」
ライアの目が三角になりました……




