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42 神さまと盗賊団

盗賊団に襲われる馬車

そこに颯爽と現れる神さま……の予定

がんばれ神さまやり過ぎないように


42話 はじまります

神さまとライアは『木の扉』を潜りました

出た先は森の外縁

向こうの方で何やら言い争うような声が聞こえます


近づいてみると1台の馬車を取り囲むように、10人ほどのいかにも荒くれ者といったような出で立ちの男達がいます


どうやら森の中を無理に走ったせいで馬車を引く馬が怪我をしてしまい、盗賊たちに追いつかれ囲まれてしまったようです


馬車の御者台にはひとりの成人した男性が鬼気迫る顔で叫んでます


「馬車に近づくな!」


それを聞いた、男達の中でも他の者よりひと回り大柄なボスらしき男が余裕の表情で言いました


「残念だったな。まぁ想像はついているだろうが俺たちは馬を含め、その馬車のもの全てをいただきにきた。お前は必要ないし生きて帰られるのも困るのでここで死んでもらう。」


その言葉に御者台の男は顔色を悪くします


「ライア、これはもう悪人決定だよね」


「そうですわねタイヨー様。で、どうしますか?」


「んーそうだねー、じゃあとりあえずライアは盗賊たちをツルで拘束してもらえるかな?その間に僕が馬車の人に話を聞いてみるよ。」


「わかりましたわ。それでは……」


ライアが可愛らしく「えぃ!」と小さく掛け声をかけると、森のあちらこちらから盗賊たちに向かって何十本ものツルが伸びていきました

そしてツルは盗賊たちにグルグル巻き付いて拘束し、馬から引きずり落としました


「な、なんだ!これは!?草がかってに巻きついてきたぞ!?」

「全然切れないぞ!?どうなってる?」


グルグル巻きになって地面に落とされた男たちは口々に騒いでいます


御者台の男は突然の出来事に呆気に取りられています


そこに突然、神さまとライアが現れました

神さまはニコニコしながら話しかけました


「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」


御者台の男は警戒しながら神さまに応えます


「あ、ああ大丈夫だ。それよりこれは君がやったのかい?」


転がった男たちと神さまを見比べながら尋ねてきました


「いえいえ。これは隣にいる僕の友達が拘束したんですよ。彼女はドライアドなので、こうした事は得意なんですよ。」


「ドライアド……森の管理者ですと!?」


ドライアドと聞いて御者台の男の顔色はさらに悪くなった気がします


「ところで貴方は追われていたようですが、こちらの人達は悪者って事で良かったですかね?」


神さまが尋ねると御者台の男は


「は、はい。私は行商をしているものですが、移動の最中、盗賊たちに狙われてしまいまして……」


などと話していたら、後ろから怒声が聞こえてきました


「ふざけるな!小僧から殺してやる!」


みると盗賊のボスらしき大男でした

どうやら自力でツタの拘束を脱出したようです


「あら、人間の割にはなかなかやりますわね。」


とライアはのんびり話します


「死ねーー!」


盗賊が大きな斧を振り被って神さまに襲いかかりました


「あぶない!!」


御者台の男は思わず目を覆いました


神さまは避けることも無くその場に立ってます


斧は神さまの頭を直撃……したのですが、その斧は柄の部分が折れて、刃の部分はクルクル回りながらどこかに飛んでいってしまいました


「バ、バケモノ……」


盗賊のボスはそのひと言を最後に、さらに厳重にツタによってグルグル巻きにされました


御者台の男は恐る恐る目を開くと、そこには変わらずニコニコした神さまがいました

そして近くには先程よりもグルグル巻きにされた盗賊のボス


「いったい……何が……」


御者台の男はそうつぶやくのがやっとでした


「タイヨー様、この盗賊どもはどういたしますの?」


ライアが尋ねてきますが神さまもどうするのがよいかわかりません


「うーん……縛ったまま森の近くの街道沿いに投げ捨てておきましょうか。」


「そうですわね。そうすれば道行く人が騎士団なり自衛団なりに報告するでしょう。じゃあ森の木の中で街道に近い木に扉を繋げましょう。『木の扉』」


ライアが扉を開けてくれたので、そこから縛られたままの盗賊たちをポイポイと投げ捨てた後、扉を閉めました


閉めた後に消えゆく扉を、御者台の男はただ茫然と眺めておりました



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