39 神さまの身体の不思議
大体が人間のやることとは思えない行動をする神さま
でもそれは人間らしい行動をするため
結果、ライアに怒られるのはいつもの事になりつつあります
39話 はじまります
「大体がですね!タイヨー様は人間が食べるものは調理されているということは、これまでの観察で解っておいででしょう!人間は顔を血まみれにして魔獣の生肉を食べるようなことは致しません!」
ライアはプンプン怒ってます
なぜか神さまだけ正座で怒られています
「ま、まあ、そのあたりで許してあげても良いんじゃないか?ライアよ。」
「ゲイル様は良いのです。魔獣を捕獲してそのまま食べるのは竜種の常識なのですから。」
ライアのひいきは露骨です
でもそのライアもしょんぼりしている神さまをみてやっと怒りが収まりました
「私も強く言いすぎましたわ。すみません、タイヨー様。でも血塗れの姿はびっくりしてしまうのでお止めくださいね。」
「うん。ごめんよ、ライア。」
神さま、許してもらえたようです
ライアの許しが出たところでゲイルは気になっていたことを聞きました
「ところでタイヨー様。先ほど食べた肉の味が判らない……これはタイヨー様がそもそも食事をされたことが無いことから、味を感じる器官を身体に作っていなかった……ということで理解はしましたが、飲み込んだ肉の塊はどこに行ったのですかな?」
「そういえばそうだよね。どうなっちゃったんだろう?実際のところ僕の身体の中は空洞ではなく、いろいろな素材が混ざったものでできているんだよね。そこに僕の意思が浸透しているって感じかなぁ……。だから口から物を取り込んでも身体の中にそれが入る隙間がないんだよね。」
するとライアが実験を提案しました
「こういうのはどうでしょう。木の精霊である私の身体から細いツルを伸ばします。それをタイヨー様が飲み込んでいくのです。私の身体から伸ばすことのできる枝やツルは、私の意思で自由に動かすことができ感覚もあります。つまりツルの先端の周囲がどのようになっているのか解るんです。」
つまり胃カメラのように身体の内部を調べてみようってことですね
神さまもライアもゲイルも胃カメラなんて物は知りませんが
「え?そんな事をしてライアは大丈夫なの?もし僕の身体の中でツルに何かあったら……。」
神さまは心配しましたがライアは大丈夫と胸を張ります。
「伸ばしたツルに何かあれば切ってしまえばいいのですわ。」
「え?切っちゃって大丈夫なの?」
「感覚はありますからね。切られた事はわかりますけど、痛いとかダメージを受けることはありませんわ。所詮、枝やツルです。」
「でも出会った時にゲイルに切られたときは痛い〜って言ってた気がするけど。」
「イヤですわ〜タイヨー様。か弱い女のイメージは大事なのですよ〜」
なぜかライアが体をクネクネさせて顔を赤くしています
ゲイルもその時のことを思い出しました
「あぁ、初めてタイヨー様とライアが対面した時の事ですか。ライアと私の付き合いも長いですからな、あの程度の事はダメージにならないことは知っています。」
「長くお付き合いしてるなんて〜」
ライアは相変わらずゲイルが大好きです
「まぁそう言うことですので危険を感じたら私が切り落としますのでご安心を。」
「ゲイルがそういうのならやってみますか。」
神さまも自身の身体について興味が湧いたので実験することにしました
「ではツルを伸ばしますのでタイヨー様、お口を開けてくださいまし。」
そう言うとライアの指先から緑色の柔らかいツルが神さまに伸びてきました
神さまが口を開けるとツルは口の中にスルスルと入っていきます
ライアはツルに神経を集中させます
「これは……どういうことでしょう……とても広い空間というか……って!熱い熱い!」
『風の刃』
瞬時にツルはゲイルに切り落とされました




