29 辺境の村の変化
国王から森の調査の依頼を受けたノルディカ副騎士団長
単独で捜査するノルディカが最初に立ち寄ったのは辺境の村
そこでは何が待ち受けているでしょうか?
29話 はじまります
旅の準備を終え荷物を用意したノルディカは、王国が用意した馬車に乗って、まずは森の近くにある辺境の村に向かいました
実家へのお土産もしっかり準備してあるのは内緒です
王国を出れば、そこは見渡す限りの草原です
草原を見てノルディカは思います
これだけの平原があれば、まだまだ人が増えていくのだろう……と
しかしそれには限度があるだろうな……とも
人が増えればやがて住居も農地も限界が来て森を開拓しようと考えるだろう
しかしそれを森の魔獣達が黙って見ているはずはないだろう
人と魔獣は敵対もするし共存もする
そうして勢力はバランスをとっている
森で魔獣と戦いながら生活してきたノルディカはそう考えていました
そうすると今回の森の広がりと魔獣の強化はいったいどういうことだろう……
馬車に揺られながらボンヤリと考えていると、やがて辺境の村に到着しました
辺境の村の村に入ってみると、思っていたほど村人からは危機感や恐れは感じることはできませんでした
……いや、どちらかといえば村は活気に満ちているのではないか?と思えるほどでした
1人思案してもしょうがないと思い、ノルディカは村長を訪ねることにしました
「失礼する。王都から調査にきた騎士団のものだが、村長殿はご在宅か?」
ノルディカがそう尋ねると
「ひっ!?……あ、失礼いたしました。私が村長です。すみません。」
と返事が返ってきました
ノルディカは小さくため息をつくと話し始めました
「最近、魔獣が活発化してきたとの知らせを受けたが、状況を教えてほしい。」
「あ、はい。じつはある日を境に突然、森から何か力が湧いてくる感覚がありまして。それと同時に森が村の近くまで広がってきて、魔獣が力強く大きくなった気がするんです。しかもそれは村の住人達も同じでして。」
「と、言うと?」
「はい、村人達の病気や怪我の回復が早まったり、力が増したり、疲れにくくなったり……と最初は気のせいかと思ったのですが、皆が同じように話すものでして。なにしろ私も体調がすこぶるよろしくて。
」
にわかには信じられない話でした
そして村長はさらに続けます
「魔獣が大きく強くなったのですが、村人達も強くなったみたいで、結果として今まで苦戦していた大物の獲物を以前より楽に倒すことができるようになりました。おかげで食糧事情が向上しましたよ。」
そう村長は笑顔で話すのでした
森で何かあったのか……
「これはますますエルフの村に様子を見に行かなくてはいけないな。」
そうノルディカは呟きました




