18 ゲイルに任せたい
森に響く女性の声
新たな出会いの予感
声の主は敵か味方か
18話 はじまります
怒りに満ちた声を発する方を見ると、緑色の髪と瞳、手足は木の枝のようにもみえる、美しい女性が立っていました
そしてゲイルがそばに寄り、耳打ちをしてきました
「木の精霊ドライアドです。木の上位種族です。」
何故かゲイルの気配が周囲に溶け込むように薄くなりました
「ちょっと?ゲイルさん?ちょっと?? あ、ドライアドさん、はじめまして。」
ドライアドは睨みながら神さまに言いました
「そこの少年……少年?まぁいいわ。よくも森の木々を無残に切り刻んでくれましたわね。」
「いや、それは攻撃を受けたからでして……」
などと言い訳するも虚しく、ドライアドは腕から先の鋭く尖った枝を、いくつもこちらに向かって突き刺してきました
「森の木々を傷つけた報いを受けるがよろしい………ん?何故おぬしは無傷なのだ。」
ドライアドは目を丸くして呟きました
ドライアドの伸ばした無数の枝の槍は、確かに神さまの全身を突き刺すが如く届いたのですが、槍の先は突き刺すどころか、神さまには傷ひとつ付けることもできず、無残に折れ曲がっていました
「ならば絞め殺すまで!」
そう叫んだところで、ゲイルが割って入りました
「あードライアドよ。その辺りでやめておきなさい。」
するとドライアドの敵意に満ちた目は、今度はゲイルに向かいました
「もうひとりいたのか。人間の分際で私に立ち向かうというのか。おもしろい、相手をしてあげよう……って、その溢れる魔力は……もしかして深緑竜さま……ですか?」
「あ、あぁ……久しいな、ドライアドよ。変わらず元気そうで何より。」
「深緑竜さまーー!すきーー!愛してるーー!もう離さないーー!」
そう言うとドライアドは細い枝を何本も伸ばし、ゲイルに絡みつけました
ゲイルはその枝を『風の刃』で切り落としました
「あぁ!酷いわ!でも好き!深緑竜さま〜」
「……えっと、ゲイルさん、僕は帰って良いかな?」
ゲイルは言う
「ま、待ってください!主さま!」
ドライアドは言う
「そうそう!子供は早く帰りなさい。」
神さまは深い溜息をつくのでした




