12 魔獣の襲来
青い惑星の夜を経験した神さま
森の奥に観察へ向かうようです
そこにはどんな生物がいるでしょうか?
12話 はじまります
森を歩き観察すること数日
いつもより更に森の奥に進んだある日、イノシシと呼ばれれている動物に似た、しかし普通よりもずいぶんと身体が大きく、魔力を強く感じる動物に遭遇しました
「おお!初めての魔獣との遭遇です。」
その魔獣は興奮状態で神さまを睨めつけています
「あまり殺傷はしたくないのですが。」
青い惑星にせっかく生まれた命
神さまはイタズラに命を奪うようなことはしたくありません
しかしイノシシに似た魔獣は神さまの気も知らずに突進してきました
「とはいえ無抵抗に突進を受けるつもりはありませんよ。『風』」
神さまが「止まれ」とでも言うように、片手の手のひらを魔獣に向けてつぶやくと、突進してきた魔物は神さまの前で、突前吹いてきた強風に大きく後ろに飛ばされてしまいました
飛ばされた魔獣はゴロゴロ転がって、止まった時には目を回して気を失っていました
「ごめんね。今度会った時には仲良くしたいね。」
そんな事をボンヤリ考えて魔獣をみていると、上空から「ギェーーー!」という叫ぶような鳴き声が聞こえました
「あれは……ドラゴン……いや、ワイバーンって種類でしたかね?」
ドラゴンのような凶暴そうな顔と2本の太い脚を持ち、広げた両翼の長さは10メートルはありそうな大きな生物は、ワイバーンと呼ばれる魔獣でした
その獲物を見つけたような鋭い目は、神さまとイノシシを交互に見たあと、イノシシに向かって降りていきました
そして強靭な爪を持った脚でイノシシをしっかり掴み、その場で食べ始めました
「ここは弱肉強食の世界です。命を奪わずに倒したイノシシでしたが、弱者は強者の糧になってしまうのですね。」
そんなことを考えながらワイバーンの食事を眺めていると、早くもイノシシを食べ終わり、今度はその目をこちらに向けました
「ん?僕を弱者と定めましたか。」
ワイバーンはしばらくこちらの様子をうかがっていたと思ったら、勢いよく神さまに向かって両足の爪を広げ突っ込んできました
「おっと、簡単にはやられませんよ。『重力操作』」
神さまが手を下に振りながらつぶやくと、ワイバーンは上から何かに押しつぶされたかのように、地面に叩きつけられました
「いいですか?今度からは誰かれ構わず襲ってはいけませんよ。」
そうワイバーンに言い聞かせようと近づいたのですが……
押し付けた重力が強すぎたせいか、翼も首もおかしな方向に折れ曲がっていました
首の骨が折れたようでワイバーンはすでに息絶えていたのです
「死んでしまいましたか……仕方ありません。これもまた弱肉強食です。『炎』」
残念そうにそう呟くと、ワイバーンの巨体は瞬時に炎に包まれ、すぐに煙と共に消え去ってしまいました




