118 総力戦!
タイヨーの見てきた現状は絶望的でした
でも諦めるわけがありません
今ここには最強が揃っているのですから
118話 はじまります
隕石を見てきたタイヨーの話は衝撃的でした
球状で直径が10数キロの巨大な隕石が、まっすぐこちらに向かってきている
その隕石が青い惑星に落ちるまで、あと1日
そして、もし隕石が墜落したら生物は全て絶滅してしまう
「重力操作で何とか出来るか……とも考えたけど、すでに青い惑星に近づきすぎていているうえに、質量とスピードが大きすぎてね。せいぜい隕石の軌道を、僅かに反らせる位しか出来ないかな。軌道を反らせて直撃を免れても、あの巨大な隕石がものすごいスピードで青い惑星の近くを通ったら、地上に大災害を起こしそうなんだよね。」
「何とか……ならないのですか?」
重い空気の中、ロキシーはタイヨーに聞きました
「他にも方法はある事はあるんだけど……」
タイヨーは言葉を濁します
ロキシーはその方法を聞きました
「隕石を僕の『太陽フレア』で狙い撃てば良いんですが……問題は出力ですね。」
タイヨーが説明しました
「太陽フレアを全力で放てば、その程度の隕石なら蒸発するでしょう。ただし、この青い惑星も隕石が墜落する前に、海は蒸発し世界は全て燃え尽きちゃいます。」
皆の顔が青ざめました
「そこで出力を抑えて狙い撃つんだけど、少なからず熱の影響は受けるでしょう。そして砕けた隕石の欠片も振ってきます。出来るだけ細かくすれば、大半は空気との摩擦で消失するかと思うけど……」
するとユキが言いました
「熱については、私の全力の氷魔法で結界を作り防ぎます。小さな破片からも守れるでしょう。」
「私達は結界を抜けてくる破片を攻撃しながら、援護いたしますわ。」
ディーネとライアが言いました
「では私と紅炎殿は、結界の外側で落下してくる大きな隕石を攻撃して砕き、消滅させていきましょう。」
ゲイルが言います
「オレも獄炎竜さまに乗って隕石を攻撃するぜ!」
「あなたは誰ですか!?」
「イフリートだよ!!」
最近出番の少なかったイフリートが涙目です
「いや、お前は地上に残り、結界を突破してきた隕石を撃ち落としてくれ。」
「いや、しかし……」
「頼む。イフリートよ。」
獄炎竜の紅炎に頼まれては、イフリートも断れません
「私は何をすれば……」
ロキシーがオロオロしています
ユキがロキシーにお願いします
「ロキシー様。貴方には私達を助けていただきたいのです。おそらく全力の結界を維持し続けるには、私の魔力では全然足りません。貴方のお力で私達の魔力を回復してください。」
「わかりました!」
ロキシーは元気に答えました
タイヨーが言います
「作戦は決まったね!隕石が少しでも遠いうちに対処した方が地上への影響は少ない。早速行動に移すよ。空にとても大きな爆発の光が見えたら、それは僕が隕石を攻撃したと思って。しばらくすると熱波が届くかもしれないから結界を張ってね。僕は隕石を攻撃しながら戻ってくるよ。ゲイルと紅炎は上空に待機して、近付いてきた隕石を順次撃ち落として。流れ星が見えたら、それが隕石の破片が落ちてきた合図だよ。」
タイヨーがそう言うと、皆が声を揃えて返事をしました
「了解しました!!」
ロキシーがタイヨーに言います
「絶対に無事に戻ってきて!!」
タイヨーは、ロキシーを優しく抱きしめて言いました
「任せてね。行ってくるよ。」
そしてタイヨーは姿を消しました
再びタイヨーは、隕石の前に現れました
「悪いね。どうしても君を地上に落とす訳にはいかないんだよ。『太陽フレア』」
タイヨーは集束した太陽フレアを、巨大な隕石に向かって放ちました
放たれた光線は隕石を貫通しました
そして隕石にヒビが入り、2つに割れました
「さて。攻撃の力加減も分かったし、じゃんじゃん打ちまくるよー!」
タイヨーは太陽フレアを連続して打ちまくりました
隕石は次々と破壊されていき、細かい破片になっていきます
とはいえ元が巨大隕石
細かいとは言っても、隕石の破片は地上に到達すれば、大きな被害を出すレベルです
それが途方もない数になってしまいました
「あれ?もうちょっと上手いやり方があったかも……」
タイヨーは焦りましたが、もう後にはひけません
今度は集束して放っていた光線を、広範囲に広げて攻撃しました
細かくなった破片は、広範囲の光線に次々と焼かれ消滅していきます
太陽フレアの力を強めれば一気に片付けられるでしょうが、おそらく青い惑星にも大きな影響を与えてしまうでしょう
強すぎず弱すぎず……力加減を調整しながら、タイヨーは隕石を破壊し続けました
拠点では、皆が空を見上げていました
時刻は夕方になり、太陽は沈み始めました
ロキシーは不安な顔をしています
「どうなってしまうのでしょうか……」
すると、ユキがロキシーを抱きしめ言いました
「大丈夫です。この世界でタイヨー様より強い方はいませんわ。私達は私達に出来ることをいたしましょう。」
その時、スコット君が大きな声で言いました
「あ!空が光った!」
それに反応して皆が空を見上げます
はるか上空で、まるで星が爆発するような光が見えました
そしてその光は、上空を昼間のように照らしました
「『結界』!!」
ユキが急ぎ氷の結界魔法を、上空に広く展開しました
「ぐっ!凄い熱量!」
ユキの氷の結界が溶けていきます
「援護します!『祝福』」
ロキシーは祈りました
すると皆が金色に輝きました
「これならいけます!」
ユキが白氷竜の姿になりました
氷の結界は、みるみるうちに強固な物へと変化しました
「さすがロキシー様です!」
「援護は任せてください!」
ゲイルと紅炎もドラゴンの姿になりました
「私達も行って参ります。」
そう言うと2人は羽ばたき、勢いよく飛び立ちました
「お願いします!世界を……タイヨー君を!」
ロキシーは叫びました
無事に最終話まで書き終えました
あと3話を残すだけになりました
どうか最後までお付き合いください




