116 聖女さま、村のために頑張る
村のために頑張るロキシー
人は彼女を聖女と呼びます
本人は断固否定していますが
116話 はじまります
後日、ラングさんが貧民層からの希望者を連れて農村にやってきました
見ると親子連れが多いようです
やはり貧民層の居住地では、子供の未来に不安があったのでしょう
人々は、広大な面積の村に、とても驚いていました
子供達は、木の家に目を輝かしていました
「ようこそ!森の村へ!」
ロキシーは皆を歓迎しました
人々が挨拶を返します
「聖女さま、よろしくお願いします。」
「ですから聖女ではありませんよ。」
人々はラングさんの指示のもと、住居が割り振られました
皆、木の家に目を輝かして喜んでいます
「今回、この家を作ってくれたのは、こちらのライア様です。彼女は西にある、深緑の森の管理者であるドライアド様で、わざわざここまで来ていただけました。」
ロキシーの紹介で住民は皆ライアに感謝しました
「素敵な家をありがとう御座います。」
「喜んでもらえて良かったですわ。」
ライアは鼻高々です
すると、空から巨大な魔獣が近づいてきました
それは濃い緑色をしたドラゴンでした
住民達は驚き慌てました
「ドラゴンが襲ってきた!」
「ここもダメだ!」
「逃げろ!」
慌てる住民をロキシーは制しました
「皆さん!落ち着いてください!あちらも深緑の森から来てくれた仲間です。あの方は深緑竜さまです。」
住民達は驚きました
元貧民層の人々と言えども、伝説のドラゴンの話は聞いたことがあります
「あれが……話に聞いたことがある深緑竜さま……」
その深緑竜が、猪を捕まえて持ってきました
そして猪を皆の前に置きました
深緑竜は、ドラゴンから執事の姿に変化すると言いました
「皆さま。何はともあれ、まずは体力をつけなくてはなりません。早速歓迎の料理を用意いたします。」
皆の声が歓声に変わりました
「さすが聖女さま!」
「深緑竜さまを従えていらっしゃる!」
「聖女さま万歳!深緑竜さま万歳!」
「万歳!万歳!」
ゲイルは皆を制し話します
「ロキシー様は、王女の立場ながら、先日人身売買されそうになった子供達を、まさに命懸けで救いました。民を守り平和を愛する、まさに聖女のようなお方です。その聖女さまが作ったこの村が、平和になるのは当然の事です。そして聖女さまが信頼を置くラング村長は立派なお方です。皆は安心して、ついて行くと良いでしょう。」
ゲイルの話を聞いた住民は、膝をつきロキシーに頭を垂れました
「聖女さま……どうか私達をお導きください。」
「私は聖女では……いや、もういいです。皆さん。よく働き、よく食べ、この村を共に発展させていきましょう!」
「おーー!」
「聖女さま!万歳!」
そして始まるバーベキュー大会
皆が笑顔です
子供達も笑顔です
ただロキシーは複雑な表情です
「どうしかしましたか?聖女さま。」
タイヨーでした
ロキシーは頬を膨らませて反論しました
「もう!タイヨー君まで!私は聖女では無いのに。」
「確かに聖女では無く、神さまそのものだからね。」
タイヨーは悪戯っぽく言って続けました
「神さまって言われるより、聖女さまと皆に慕われた方が、皆もロキシーに話しやすいんじゃないかな?」
ゲイルも近くに来て賛同します
「そうですね。更に王女さまよりも聖女さまの方が、皆も親しみやすいでしょう。」
そこでゲイルは、少し顔を険しくして言います
「ただ聖女と言う肩書を、快く思わない人々もいるかも知れませんね。」
タイヨーは驚きました
「え?そういう人もいるの?」
「はい。神を信仰する人々には、軽々しく聖女と言われる人が存在する事を、快く思わないものもいるでしょう。」
ゲイルの話にロキシーも続けます
「そうですね。あまりにも聖女の名が広まると、宗教国家などは良い顔をしないでしょうね。」
「しかし、一国の王女が民を救い、貧民層にも分け隔てなく接する行動に対して、聖女のようだと評する事は何もおかしくはありません。ロキシー様が、自ら私は聖女です……等と名乗らなければ大丈夫でしょう。」
ゲイルがそう言うと、再びロキシーは頬を膨らませて言います
「私は自ら聖女なんて名乗ませんから!」
住居も落ち着き、バーベキュー大会でお腹も満たされた住人は、早速畑に移動しました
ライアの指導のもと、まずは簡単でタイヨーも経験のあるジャガイモを植えていきます
皆で種芋をせっせと植えていきます
皆が元気に汗を流しています
その様子を見て、タイヨーとロキシーは確かな手応えを感じていました
「まずは自分たちの力で生きていく術を身につけていかないとね。ジャガイモ以外にも何か育てていきたいね。あと森の中にある村だから、狩りなども自分たちで出来るようにしたいね。」
するとライアが言いました
「でしたら、まずはこの森を実り多き森にしましょうか。ロキシー様、森の中に行ってみましょう。」
「私にもできるでしょうか?」
するとライアはロキシーに言いました
「ロキシー様は私などよりも、遥か上位の生命神ですよ。イメージと力加減が分かれば、思い通りに森を作ることができるはずですわ。」
そう言って、2人は森の中に入っていきました
森の中に入ってから、ライアが話しました
「ではロキシー様。お好きな果物を思い浮かべてください。そして、その果物がたくさん実っている様子を思い浮かべてください。」
ロキシーは、赤いリンゴが実る木を思い浮かべました
「いっぱい実がついた『リンゴの木』!」
すると、赤くて美味しそうな実のついたリンゴの木が、目の前に生まれました
ライアが嬉しそうに言います
「そうです。今は1本ずつ木を生み出すのが良いでしょう。ロキシー様の力で一度に何本も木を生み出そうとすると、森の木が全てリンゴの木になってしまうかもしれませんので。」
「分かりました。1本ずつ、いろいろと生み出してみます。」
「ええ、徐々に増やしていってください。そうすれば、木の実を求めて動物達も自然に増えていきます。この森は豊かになるでしょう。」
「わかりました!」
ロキシーは元気に返事をしました
まだ下書きの段階ですが、あと数話で最終回の予定です。
もうしばらくお付き合いください。




