113 ロキシーとタイヨー君
神さまとロキシー王女で新しい村を作る事に
候補地で神の力を使って開墾していきます
そんなに神の力を乱発して大丈夫でしょうか
113話 はじまります
ここは東部の街から街道を、王都にしばらく進んだ場所
辺りはひたすら平原です
その何もない平原に、神さまと王女さまがいます
神さまは王女さまに聞きました
「この辺りでどうかな?」
王女さまが、辺りを見回して言いました
「そうですね。ではここから南側に向けて森を作りますね。強力な魔獣が発生しないように、小さめの森にしましょう。では『木々は生まれ森となれ』」
王女さまが世界樹の力を大地に送りました
またたく間に木々が生い茂り、直径10キロ程の森が出来上がりました
「さすがだねー!あっという間に森が出来ちゃったよ。」
神さまは驚きました
「じゃあ、まずは村になる場所まで道を作ろうか。『風の刃』『重力操作』」
神さまがそう言うと、森の奥にむけて20メートルほどの幅で木が切り倒されました
切り倒された木は隅に並べてあります
「次は『掘り起こし』『重力操作』」
今度は切り倒された場所の土が掘り起こされ、木の根が取り除かれていきます
これも隅に追いやります
そして掘り起こされた土に重力をかけました
すると20メートルの幅の平らな道が出来ました
「タイヨー様もすごいです!素敵です!」
「でも本番はこれからだよ。」
神さまは笑いながら答えました
森にできた道を200メートルくらい進んだところで、神さまが王女さまに聞きました
「この辺りに作ってみる?」
「そうですね。街道から、これぐらい入ったところが良さそうですね。」
「じゃあ2キロ四方くらいの大きさで作ってみるよ。『風の刃』」
神さまから発生した風の刃が、木々を切り倒していきます
あっという間に、2キロ四方が切り倒されました
「次は『掘り起こし』『重力操作』」
なんと2キロ四方全体の土が、一気に浮かび上がりました
そして、フカフカにしながら地面に戻しました
切り倒した大量の材木と根っこは、またまた片隅にまとめておきます
「畑と居住地は半々位にする?」
「そうですね。参考にするものも無いですし、とりあえず半々でいきましょう。やり直しは何度でもできますしね。」
王女さまが笑顔で言いました
「そうしたら『重力操作』」
木々を倒して、できたフカフカの土の広場半分に重力を与え、平らな大地を造りました
残りのフカフカの大地は農地です
「じゃあ今度は私の番ですね。『木のお家』」
すると、木が生えてきたと思ったら、拠点の世界樹の家を小さくしたような、可愛らしい木の家が出来ました
「僕たちの2つ目の拠点が完成したよ!王女さま凄いよ!」
神さまが喜びました
でも王女さまは少し不機嫌です
神さま、ちょっと焦りました
「どうしたの?王女さま?」
王女さまは、深いため息をつきました
「タイヨー様。私たちはこれからここに一緒に住んで、村興しをしようとしているのですよ。なのに王女さまって呼ぶのはどうかと思いますが?」
王女さまは、自分でそう言っておきながら、急に恥ずかしくなってしまいました
それを見ていた神さまも、急に恥ずかしくなってしまいました
「でも、そうだよね。ここで王女さまって呼ぶのも何か変だよね。じゃあロキシーさん。」
急に王女さまは、また不機嫌になりました
「タイヨー様はユキ様の事をユキ、ライア様の事をライア、ディーネ様の事をディーネって呼んでいますよね?はい。もう一度私を呼んでください。」
神さまは言われてみれば……とも思いましたが、やっぱりちょっと恥ずかしいです
でも王女さまの希望なので呼んでみました
「……ロキシー。」
途端に、2人とも顔を真っ赤にして俯いてしまいました
「でもノルディカさんやスミス王は僕の事をタイヨー君って呼ぶよ。タイヨー様はおかしくないかな?」
「そうね……わかりました。タイヨー君。」
今度はニッコリ微笑みながら言いました
「うん!ロキシー!」
「はい!タイヨー君!」
タイヨーとロキシーは、ここからお互いの呼び方が変わりました
「ところでロキシー。木の家をとりあえず1軒建てちゃったけど……村の中の道はどうする?」
2人ともまったく考えていませんでした
そして、村作りのイメージがまったく湧きませんでした
「これは困ったね。」
「ええ、困りましたね。」
と言うことで、村長予定のラングさんに聞くことにしました
ラングさんは、今は東部の街で、貧民層の住人の移住計画を立てています
なので、2人はとりあえず東の街に向かうことにしました
「あ!ちょっと待って!いきなり森が出来て中に広場があったら、街道を通った人がビックリしちゃうよね。今は、まだ人が入らないようにゲイルに見張っててもらおうか。」
ロキシーは疑問に思いました
「そう言うのはライアさんが得意そうじゃないですか?」
タイヨーが顔を強張らせて言います
「んとね、ライアには何故か怒られそうな気がするんだ。」
「お呼びですかな?タイヨー様。」
「ビックリしたーー!」
いつの間にか、ゲイルが後ろにいました
そして、目を三角にして、こちらを睨んでいるライアもいます
タイヨーは何故か挙動不審です
ライアが静かに言います
「タイヨー様。何か怒られそうな事をしましたか?」
タイヨーはオロオロしながら言いました
「えっとね、森を作って村になる場所を作ったんだけど……」
ライアとゲイルは驚いて、辺りを見回しました
この森をたった今作り上げたと?
「タイヨー様!!!」
タイヨーはライアの前で正座をしています
今日はロキシーも並んで正座をしています
「ある日突然、こんな立派な森が出来ていたら、道行く人々が混乱するでしょ!道を間違えたと思うかもしれないでしょ!しかも入り口の道までご丁寧に……これでは入ってくださいと、言っているようなものではありませんか!御二人は神なのですよ!お気軽に怪奇現象を起こさないでください!」
ライアが目を三角にして怒っています
ロキシーはちょっと嬉しそうです
「これがタイヨー君が言っていた、目を三角にして怒るライア様なんですね。」
「ロキシー様!反省してください!」
ロキシーはライアに怒られました
「はい!」
ロキシーは肩をすぼめました
タイヨーは言い訳をします
「でも、僕もやり過ぎたかと思って、ゲイルに見張っててもらおうかと思ったんだよ?」
「そんなの簡単です。」
そういうライアが見せたのは1枚の看板
そこには
「王家直轄の森 立ち入り禁止」
と書いてあります
「え?それでいいの?」
「充分ですよ。」




