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109 生命神、降臨

ロキシー王女と世界樹の対話は終わりました

そして王女は神さまになりました

さあ、皆に報告です


109話 はじまります

世界樹の前に浮かぶロキシー王女さま

皆は王女さまを見上げてます


やがて王女さまの身体全体が金色に輝きました

しばらくすると、その光が収まります

そして金色の目をした王女さまが話しました


「私は世界樹の意思です。今、私はロキシー王女と繋がり、共に生きることになりました。身体は生まれ変わり、悠久の時を生きることになりました。私は世界樹の意思を持つ者。生命神ロキシーです。」


神さま以外の全員が、その場に跪きました

そして生命神の降臨を心から祝福しました


ただひとり、神さまは呆気にとられていました


「王女さま……世界樹かな?確かに僕は生き返ってほしいと願ったけど……良かったのかい?僕と同じような存在になっちゃったみたいだけど。」


金色の目をした王女さまは、にっこりと微笑みました


「はい。ロキシー王女は私と想いをひとつにしました。私達と共に生きるのはお嫌ですか?」


王女さまは、ちょっと悲しそうな表情をします


「と、とんでもない!とてもうれしいよ。この時代にたくさんの仲間ができたけど、王女さまはやはり特別なんだ。これからもよろしくね。」


「私もうれしいですわ。では生命神である私が、とっておきの魔法を使いますわ。」


そう言うと、王女さまと神さまが薄く金色に光りました


「健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、生涯愛し、敬い慈しむ事を誓います……『エンゲージリング』」


すると、2人を包む金色の光が、それぞれの左手の薬指に収束されました

そして、それは徐々に形となり、金色の指輪になりました


「これで私達は永遠ですわ。」


そう言うと、王女さまは瞬きをしました


すると金色の目が、ロキシー王女の元の目の色に戻りました

そして徐々に顔は真っ赤になり、うつむきながら叫ぶロキシー王女


「違うんです!違うんです!いえ……違わないんですが……皆さんも頭をお上げになってください。今の私はただのロキシーです!」


あ、いつものロキシー王女だ


皆が確信しました


ノルディカさんが勢いよく王女さまに抱きつきました


「何はともあれ!無事に息を吹き返してくれて良かった!」


ノルディカさんが涙を流しながら喜んでくれています


「聞きたい事も!言いたい事も!山ほどあるけど、今はどうでもいいわ!無事で本当に良かった!」


ライアが喜んでいます


「作戦通り、全て上手くいったわ!」


ユキとディーネが手を取り合って別件で喜んでいます


神さまは、勢いよく飛んできたノルディカさんに突き飛ばされて遠くまで転がっていきました

その神さまはノルディカさんに言いました


「いてて……それよりノルディカさん。王女さまも無事に……いや、いろいろと問題を残しましたが、とにかく無事に息を吹き返しました。諸々の事は後にして、今は急ぎ東部の街の問題を解決しなくてはならないのでは?」


「そうだった!現地の者に丸投げ状態だった!王女……でよろしかったですか?状況は把握されていますか?」


「王女でお願いします……。で、あの後どうなったのでしょうか?」


ノルディカさんは王女さまに、現地の騎士たちに領主館の調査と馬車の警備を依頼してあることを伝えました


「わかりました。それではまず王城に行って応援をお願いしましょう。ライア様、木の扉で全員を王城に連れて行ってもらえませんか?」


世界樹から知識を得た王女さまは、ライアの魔法についても知っています


「わかりましたわ。『木の扉』」


初めて見る木の扉にノルディカさんは驚きました


「これで王城内の木に扉を開きました。」


「ありがとうございます。では皆さま、行きましょう。」


王女さまはそう言うと、さっさと扉の中に入っていってしまいました。


「ま、待ってください!王女!」


ノルディカさんが慌てて後を追います

そしてその後を神さま、ゲイル、ユキ、紅炎、ライア、ディーネと続きました


「ジロさん、留守番をお願いします。」


神さまはそう言い残し、扉の奥に消えていきました

ジロさんはフリッチさんに言います


「今、僕たちはとんでもない事を見せられた気がするんだが……」


「ああ、まったくだね。タイヨー君はいつもメチャクチャだけど、神の降臨は別格だねぇ。」


ふたりは顔を見合わせると、どちらからともなく笑い合いました




王城内に着いた王女さま御一行様


王女さまは、スタスタとスミス王の執務室に向かいます

王女さまを先頭に、ノルディカ副騎士団長にタイヨー様と紅炎さまとユキ様が後を追う状況に、城内の誰もが息を呑み、声をかけることが出来ませんでした


執務室に着いた王女さまは扉をノックし、中に入りました

執務室にはスミス王と宰相さまがいました

ふたりは王女さまと面々を見て、驚きのあまり声が出ませんでした


何とか再起動したスミス王は、とりあえずノルディカさんに事情を聞くことにしました


「ノルディカよ。お前達はまだ東部の街にいるはずだが、一体なぜ今ここにいるのだ?それにタイヨー君や紅炎殿にユキ殿まで。後の方々はいったい……」


「それにつきましては、とてもひと言では言えない事象が……」


さすがのノルディカさんも、どこから説明して良いのか悩んでいます

すると王女さまがイライラした顔でスミス王に言いました

王女さまの目が、いつの間にか金色に光っています


「回りくどい説明は不要!後ろの面々は深緑竜さまとドライアド様、ウンディーネ様です。今回の東部視察で、私達は領主らによる人身売買の現場を押さえました。ただ、その時に領主の罠にはまり、ノルディカさんが魔物と戦闘中に私は死にました。死んだ私をタイヨー様が助けてくれました。そして私は生命神となりタイヨー様と結婚しました。なので東部の街に増援をお願いします。」


「わーーー!」


神さまは絶叫

皆さんは絶句


王女さまの身体を借りた世界樹が暴露爆弾を投下しました


「……タイヨー君……説明を。」


スミス王が怖い顔を近づけてきました


「近い!近い!」


これは説明が大変そうです


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