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09.イーアリル子爵家5(視点:アルベルト)
序章はこれで終わりです。
エレーゼ義姉様が家を出て行ってしまった。
母と姉と呼びたくもない性悪女共のせいで――
一緒に育って来たのだ。義姉さまがどれだけお優しい方か知っている。自分に辛い所を見せないよう気丈に振舞ってらっしゃったが、内心では相当お辛かったのだろう。最後に見た姿を思い出し、もう会えないのだろうかとショックから抜け出せないでいる。
先日の事。バルバラが血相変えてイライザに泣きついてきた。またか、と思って聞いているとエレーゼ義姉様が家を出て行ったと言うではないか!嘘だ、そう問い詰めると「あいつは私を殺そうとしたのよ?きっと今まで猫を被っていたのよっ!出て行って当然だわっ!!」と叫ぶ。
次から次へと出てくる罵声。
すぐ義姉様の部屋へ行った。「高級な家具も持たないで行ったから、きっとその辺りに居るに違いないわっ。覚えていなさい!」と馬鹿は叫んでいたが、自分はそうは思わない。ある一辺を凝視した。そこにあった魔力で隠されていた”モノ”が消えていた。
「……本当に居なくなっちゃったんですね」
力が欲しい。
窓から外を見た。曇りなく澄み渡る空。
姉が幸せに生きていてくれたら良いと、天に祈った――




