↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
間違った創作論を語る作家の話  作者: 元毛玉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/53

第三十九話 立食

 ジャパンエキスポ最終日の夜。


「チカチカってばそんなに落ちこむの?」

「……世の男どもに見られた」


 弧見(こみ)の慰めも届かず、千佳伊(ちかい)は沈んでいく。


「あれは仙(せん)に見せるために用意した勝負パンツだったのに……」

「そっかそっか。それを他の男に見られて悔しいのね」


 弧見が千佳伊の頭を撫でる。

 その様子をむずがゆいような顔で見つめる仙。


「……いや、あのその……俺も見たから!」

「仙、画像を勝手にアップした連中に慰謝料を請求してこい!」

「んなことより、ラノベ大使としてパーティーにいくぞ」


 大使館が主催するレセプションパーティー。

 必ず参加するように言われていた。

 その力の入れようは、ハイヤーが迎えに来たことからも明白。


「あれが会場か。警備が厳重すぎないか?」


 千佳伊が窓ごしに指さす先には、立派な会場とSPたち。

 ハイヤーを降り、大使へと挨拶を済ませる。

 ジャパンエキスポで見かけた音楽プロデューサーもいた。


「やぁ、黄泉くん、勘さん。アニメ化も検討してみないか?」

「はい! ……もしかして主題歌は?」

「もちろん。僕が楽譜を書くさ」


 目を輝かせる仙。

 いかがわしい広告に向ける目をする千佳伊。


「胡散臭いな」

「ハハハ……勘さんは手厳しいね」


 慌てて仙が間に割って入る。


「ヒット曲を知らねーのかよ!?」

「ググったら超凄い人でビビったし!」


 スマホをみた弧見が驚き、千佳伊は鼻で笑う。


「どのみち、DMで儲け話を持ち掛けるのは詐欺と相場が決まっている」


 面と向かって堂々と言い放った。

 千佳伊がさらに続ける。


「話を持ち掛けてきても、私の作品を知らんだろう?」

「そんなことはないさ。バディ物のBLだろ? 読んだよ」

「ほほぅ?」


 仙の顔が青ざめ、弧見も糸目になった。

 二人は小声で情報交換。


「(まずい……読んでないっぽい)」

「(2話まで読めば分かるよね?)」


 千佳伊の処女作。

 あらすじではBLとなっているが、実は主人公が男装女子のあらすじ詐欺だ。


「では、ラストはどうだった?」

「ラスト? あぁ、最高のフィナーレだったよ」


 黙って振り返る千佳伊。

 貼り付けた笑顔には、マシマシの殺気が浮かぶ。


 その瞬間、大量の拍手が降り注いだ。

 人垣の視線の先にいたのは、フランスのマカロン大統領。


「日本の皆さん。コンバンハ!」


 マカロン大統領が壇上でスピーチを始めた。

 日仏の友好、文化交流、オタク文化の褒め言葉が並ぶ。

 挨拶中に千佳伊が壇上へあがり、SPたちがざわつく。


「勉強熱心だな。褒めてやろう」

「お嬢さんは日本のクリエイターかな? お名前を教えてください」

「だが、大統領を騙るとはな。場をわきまえろ! Sortez!(でていけ!)」


───────────────────

よろしければブクマと、下にある★★★★★で応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。