第十八話 癒着
SNSは大炎上で、再び千佳伊が荒ぶっていた。
「なぜ私と門河の癒着が疑われているのか!?」
「まぁ、外野からしたら判決も示談も同じだろうしな」
仙は冷ややかな態度。
逆に弧見はテンションがあがっていた。
「まとめサイト作ったよ!」
「弧見が作ったん? 広告多くね?」
オリンピックにも頭脳競技の追加が求められる昨今。
eスポーツ、囲碁、即興執筆大会が候補としてあがっていた。
スポンサーにeスポーツの企業が名を連ねていたことで、贈賄の事実が発覚。
「そこに、大手出版社と騒動を起こした張本人の音声がね~」
「都知事との口論が拡散したわけか」
その流れで出版社にも贈賄の疑念が浮上し、今に至る。
「で、どうすんだよ?」
「そうだな、疑惑を逸らすためにも別の燃料を投下するぞ!」
千佳伊が日本のネット民を煽る。
「お前らはどうせ日本語しか読めないのだろう? 出版社は世界中にあるわ!」
さらなる問題発言も追加投下。
「世界の出版社も真っ黒だ! アメリカやドイツの思うままのルールだぞ!」
その内容は、翻訳されて世界規模の騒動へ。
数日を経て、収拾がつかない事態となっていた。
「ど~~~すんだよ!」
「仙、おちつけ。これはよくあることだ」
「俺が黒幕にされてんのに、おちついてられるか!」
千佳伊を裁判で勝たせた優秀なブレーンがついている。
そんな噂が加速度的に斜め上の解釈を呼ぶ。
いつの間にか仙が、ドイツとアメリカの出版社と裏で繋がっていることに。
「待て待て仙よ。誤解されてキレるのは良くない」
「そーだよ。そういうのって痛い作者あるあるだから」
いつもキレている千佳伊と、痛い作風の弧見。
仙を宥めるどころか、火に油を注いだ。
「お前らに言われたくないわ! 鏡を見ろ!」
「ふむ。私はいつも誤解されるからいちいち相手にしないな」
噛み合わない会話に怪訝そうな顔をする仙。
「……お前らなんの話をしてんの?」
腕を組んだ千佳伊がドヤ顔をする。
「当然、創作についてだ!」
もはや定番となっているパワポも出してきた。
今回はイラストのアニメーション付き。
「説明や描写が足りていないのに、読者がズレた解釈をしたらキレる作者!」
「あるある~」
「頼んでもないのに、詳細な裏設定まで含めた長文を返信してくる輩がいる」
「痛いよね~」
しばらく黙って聞いていた仙が、ゴミを見る目に変わる。
「それはお前らの自己紹介か何かか?」
「私はキレてない!」
「ウチは痛くないから!」




