豊穣の神レティア3
私は少し緊張しながら、豊穣の神に尋ねる。
「別の世界の神様がなぜ私の魂を...」
「貴女にお願いがあって来ました。それには貴女の魂でなければならないのです」
「...魂と言っても私は生前、何処にでもいる普通の主婦で...」
「それは関係ないのです。生前どういう人間だったのかではなく、貴女の魂のレベルの事です。貴女はもう神になれるレベルまで到達したのです」
「...へ?」
私はその言葉に思わずポカンと口をあける。
私が神様になれる...?どういう事?
「こんな事、いきなり言われても分からないわよね...」
彼女も困った様に眉を下げる。
「説明するわね。神になれるレベルに達する魂は千年いるかどうかも分からない。貴女は奇跡としか言いようがないの。なぜなら人は生まれながらにして、神の試練を背負っているからです」
「...試練?」
私の言葉に彼女は頷く。
「試練と言っても、人はそんなもの分かるはずもないのです」
確かにそうだ。試練なんて誰にも分からない。
私達は必死に現世で生きているのだから。
勉強や仕事、恋愛、結婚したら生まれてくる子供に生活は目まぐるしく過ぎていく。
神の試練なんてやってる暇ないし!
「神の試練はとても苦しく辛いもの...。分からなくても感じ取れる者もいます。そして敏感な人間は無意識に抵抗し、その魂を汚す...。悪事に手を染め、ある者は命を絶つ...」
彼女はそう言うと、凛とした顔で私を見つめ。
「貴女は千年の時をかけ、様々な試練を成し遂げたのです」
「...え?」
...いつ、どこで成し遂げたの...?




