豊穣の神レティア
私はふわふわと漂っていた。
先程、私は家族皆に見送られ、100歳という長い人生に幕を閉じたばかりだ。
気付けば私は、体から魂が抜け、そのまま白い空間の中にふわふわと漂っていたのだった。
一体ここはどこだろう...。天国なのだろうか。
そんな事を考えていると、突然眩い光に包まれたかと思うと、私の目の前に突然美しい女の人が現れる。
髪は長くゆるくウェーブがかかっていて、頭の上には草の冠をしている。
顔立ちは幼いながらも凛としている。
彼女は私を見て微笑むと口を開く。
「初めまして、三波永遠さん」
「...は、初めまして」
丸いふわふわな姿でも会話出来る事に、私は少し驚く。
「この姿でも声出せるんだ!」
少し興奮している私の姿に、彼女はクスリと笑う。
その笑顔を見た私は、余りの美しさに少し見惚れてしまう。
「やっぱり美女の笑顔って美しい...」
「ありがとう、永遠さん」
私はいつもの癖で、声を出して言ってしまった事に気付き、顔を赤らめる。
...いや、顔は無いんだけどね!今は丸い物体だし。
私はコホンと咳払いすると、彼女に向かって口を開く。
「えっと...貴女は私を迎えに来た神様か天使様ですか?」
「迎えに来た...と言えばそうなのかしら...?私はずっと貴女の魂を待っていたの」
「私の魂...?」
「えぇ...」
彼女は少し悲しそうな顔をすると、目をゆっくりと閉じる。




