第72話 神造兵器
「……すげえ」
ガイが呟いた。
巨大な斧を軽く振る。
風が唸った。
「なんだこれ。めちゃくちゃ軽いぞ」
兵士たちがざわめく。
「神造兵器……」
「伝説の武器だ……」
「本当に現れた……」
ユウマは手の中の剣を見た。
光を帯びた美しい刃。
握っているだけで体の奥が熱くなる。
王がゆっくり言った。
「それが神造兵器」
「神が勇者に与える武器だ」
大臣が説明を続ける。
「それぞれの武器には“名”がある」
「神の使徒――大天使の名だ」
兵士たちがどよめいた。
「大天使……!」
「本物だ……!」
ユウマは目を閉じた。
剣の情報が頭に浮かぶ。
聖剣ラグエル
炎を宿す刃。
勇者の力を増幅する。
ガイが笑う。
「俺のこれも名前あるぞ」
斧を肩に担ぐ。
聖斧ウリエル
「なんかめちゃくちゃ強そう!」
ソウタが魔導書をめくる。
「ちょっと待て」
「情報量多すぎ」
「えーっと……」
眼鏡を押し上げる。
「キタコレw」
「完全にチート装備!」
聖魔導書メタトロン
ミサキが杖を握る。
聖杖ラファエル
柔らかな光が溢れた。
兵士が叫ぶ。
「癒しの大天使!」
レンは盾を持ち上げる。
聖盾ミカエル
盾が輝いた。
「これ……」
レンが苦笑する。
「めちゃくちゃ重そうなのに」
「全然重くない」
ガイが笑う。
「お前パラディンじゃん!」
「似合ってるぞ!」
最後にカズマ。
短剣を静かに見ていた。
聖短剣ガブリエル
小さな刃。
だが空気が張り詰める。
王が頷く。
「それぞれの武器は」
「持ち主の力を最大限引き出す」
大臣が言った。
「さらに」
「神は“ギフト”も授けている」
ソウタが叫ぶ。
「それも出てる!」
「ステータスみたいな画面!」
兵士たちは意味が分からない。
ユウマが呟く。
「俺のは……」
ギフト:超成長
「……なるほど」
レンが苦笑する。
「完全に勇者じゃん」
ミサキが目を見開く。
「私……」
回復魔術効果極大
ガイが笑う。
「俺はこれ!」
戦闘狂化
「なんか俺っぽい!」
ソウタは興奮していた。
「やばい」
「これガチだ」
高速多重演算
「魔法処理能力ブースト!」
レンが盾を見る。
絶対防御
「……固すぎない?」
最後にカズマ。
目を閉じる。
影が揺れた。
影移動
ガイが笑う。
「なんだそれ」
「地味じゃね?」
その瞬間。
カズマの姿が消えた。
「は?」
ガイの背後。
影からカズマが現れる。
「なっ!?」
ソウタが叫ぶ。
「瞬間移動じゃん!」
カズマは肩をすくめた。
「便利そうだな」
王が満足そうに頷く。
「素晴らしい」
その時だった。
扉が開いた。
重い鎧の音。
入ってきた男を見て兵士たちが敬礼する。
「騎士団長!」
「レオン様!」
長身の騎士。
鋭い目。
腰には剣。
ユウマたちを見て言った。
「この方々が勇者ですか」
王が頷く。
「そうだ」
レオンは静かに言う。
「では」
「私が戦い方を教えましょう」
ユウマたちは顔を見合わせた。
勇者の訓練が始まる。
その頃。
魔王城。
鍛冶場。
タクミが鉄を打つ。
火花が散る。
戦争は動き始めていた。
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