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「役立たず鍛冶師と言われた俺、武器改良したら戦死率が激減した」 〜仲間を死なせない戦場工房〜  作者: 街角のコータロー


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第69話 四天王戦略会議

魔王城――執務区画。


リアナは廊下を歩いていた。


肩には、新しい剣。


タクミの試作品。


まだ少し信じられない。


軽い。


魔力が流れる。


そして何より――


かっこいい。


リアナはにやけながら歩く。


「セレナ様に自慢するッス!」


まずは執務室。


コンコン。


ノック。


返事はない。


扉を開ける。


「失礼するッス……」


誰もいない。


「あれ?」


リアナは首をかしげた。


「どこ行ったッスかね?」


廊下に戻る。


その時――


遠くから声が聞こえた。


低い声。


重い声。


笑い声。


リアナは耳を澄ます。


「……戦略室?」


静かに近づく。


扉の前で立ち止まる。


中から声が聞こえる。


四天王だ。


どうやら会議中らしい。


リアナは小さくつぶやく。


「邪魔しちゃ悪いッスね……」


踵を返そうとした。


その時。


扉の向こうから声が飛んできた。


「――リアナ」


リアナが固まる。


「何している」


リアナ


「え!?」


思わず扉を見る。


「なんで分かったッスか!?」


中から答えが返る。


バルグの声。


「気配だ」


扉が開いた。


中には四天王。


円卓。


地図。


作戦資料。


セレナが微笑む。


「バレバレよ」


ガルドが豪快に笑う。


「ガハハハ!」


「まだまだ若いな!」


ヴァルツが手を差し出す。


「ちょうどいい」


「あなたの力も借りねばなりません」


「中に入りなさい」


リアナは姿勢を正した。


「失礼します!」


ぴしっと敬礼。


バルグが腕を組む。


「それで」


「何の用だ」


リアナは思い出した。


「あ!」


剣を持ち上げる。


「タクミの試作品が出来たんで!」


「皆さんにお披露目に来たッス!」


ガルドが椅子から立ち上がる。


「お?」


剣を覗き込む。


そして目を見開いた。


「なんだその波紋は!」


刃の模様を指差す。


「バカかっこいいじゃねーか!」


リアナは胸を張る。


「へへへ」


「俺の新武器ッス!」


セレナが顎に手を当てる。


「その刃紋……」


「どういう理屈なの?」


リアナは固まる。


「えーーーっと……」


頭を掻く。


「なんて言ってたかな……」


「せきそうたんぞうが……」


「さしやき?することで……」


「まりょくりゅうろが……なんとかって……」


セレナが苦笑する。


「分かってないのね」


その時。


ヴァルツがゆっくり立ち上がった。


剣を受け取る。


じっと観察する。


刃。


背。


構造。


魔力の流れ。


目が細くなる。


「……なるほど」


小さく呟く。


「非常に緻密な魔力回路が組み込まれていますね」


四天王が視線を向ける。


ヴァルツは続ける。


「それに魔力増幅」


「斬撃強化」


「軽量化」


剣を裏返す。


そして言った。


「まさか……」


「オリハルコンとミスリル」


「アダマンタイトを」


一言。


「積層にしているのか」


リアナ


「おお!それッス!」


ヴァルツは小さく笑う。


「興味深い」


「鍛将タクミ」


「恐ろしい男ですね」


その時。


ガルドが机を叩いた。


「ちょうどいいじゃねーか!」


皆が見る。


ガルドはニヤリと笑った。


「ついさっき」


「諜報部隊から連絡があった」


円卓の空気が変わる。


セレナの目が鋭くなる。


バルグも静かに頷く。


ガルドは言った。


「ついに――」


一拍。


「勇者が出陣する」


リアナ


「……勇者」


ヴァルツ


「予定より早いですね」


セレナ


「王国は焦っているのかもしれないわ」


バルグが立ち上がる。


巨大な体が影を落とす。


「準備を整えろ」


「戦いになる」


リアナは剣を握る。


ガルドが笑った。


「リアナ」


親指で剣を指す。


「お前も一緒に出るぞ」


リアナ


「俺ッスか!?」


ガルド


「当然だ」


ニヤリと笑う。


「勇者相手に」


一言。


「試し斬りだ」


リアナの目が燃える。


剣を握る手に力が入る。


「……上等ッス」


戦争が――


動き出した。



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