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「役立たず鍛冶師と言われた俺、武器改良したら戦死率が激減した」 〜仲間を死なせない戦場工房〜  作者: 街角のコータロー


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第68話 リアナの新しい相棒

魔王城・研究工房。


炉の火はまだ赤く燃えている。


カン、と最後の音が鳴った。


タクミがハンマーを置く。


そして――


一振りの剣を持ち上げた。


刃は薄く、美しい。


波のような模様が浮かび上がっている。


リアナが目を丸くした。


「……それ」


指を差す。


「新作ッスか?」


タクミ


「試作品だ」


リアナの顔が輝いた。


「誰が使うッス!?」


タクミは剣を差し出す。


「お前だ」


一瞬、時間が止まる。


リアナ


「……え?」


指差して自分を見る。


「俺ッスか?」


タクミ


「そうだ」


リアナは慌てて剣を受け取った。


そして叫ぶ。


「四天王の武器より凄いのを俺にッスか!?」


タクミは腕を組む。


「お前の戦い方に合わせて作った」


リアナの目がキラキラしている。


「専用武器ッス!?」


リゼが横から言う。


「……リアナはテスター」


リアナは一瞬固まる。


そしてすぐに笑った。


「至れり尽くせりッスよ!」


剣を構える。


ヒュン。


軽く振る。


空気が裂ける。


リアナの目がさらに輝く。


「軽いッス!!」


「しかもバランス完璧ッス!」


タクミ


「外へ出ろ」


リアナ


「試し斬りッスね!」


――――――


魔王城・訓練場。


巨大な魔鋼ブロックが置かれている。


リアナは剣を構えた。


「いくッスよ!」


一歩踏み込む。


剣が走る。


シュン――


次の瞬間。


魔鋼ブロックが静かにズレた。


ドン。


真っ二つになった。


リアナ


「……え?」


自分で斬ったのに驚いている。


剣を見る。


「なんか……」


「魔力が……」


腕に力を込める。


刃が淡く光った。


リアナの目が見開く。


「魔力が湧き出るッス!」


タクミ


「流路」


リアナ


「?」


リゼ


「……魔力回路」


リアナは剣をもう一度振る。


今度は魔力を流す。


刃が青く光る。


ドォン!!


訓練柱が爆散した。


リアナ


「うおおお!?」


「制御できるッス!」


「魔力が増えるッス!」


「軽くて硬いッス!」


目を輝かせながら言う。


「こんなの――」


剣を掲げる。


「神の領域じゃないッスか!」


タクミは首を振った。


「違う」


リアナ


「え?」


タクミ


「かなり近い」


一拍。


「だが」


「まだだ」


リアナ


「まだッスか!?」


リゼが剣を覗き込む。


「……精度」


「上げられる」


タクミ


「ああ」


炉の火を見る。


「もう一度だ」


リアナは呆れた顔をした。


「研究バカッスね!」


でも、すぐ笑う。


剣を肩に担ぐ。


「でも最高ッス!」


「これ、めちゃくちゃ強いッス!」


そして走り出した。


「セレナ様たちに自慢してくるッスー!」


タクミ


「おい」


リアナ


「なんスか?」


タクミは少し考えた。


「その武器」


「負けない武器じゃない」


リアナ


「え?」


タクミ


「まだ」


一言。


「勝てない」


リアナは少し驚く。


でもすぐ笑った。


「じゃあ」


剣を掲げる。


「勝てる武器にするッス!」


そして全速力で走っていった。


バタン!


工房の扉が閉まる。


静かになる。


リゼが小さく言う。


「……嬉しそう」


タクミは炉の火を見る。


「武器は」


短く言った。


「使う奴が喜ぶのが一番だ」


そしてハンマーを握る。


カン。


金属音が再び響いた。


神の武器には――


まだ届かない。


だが。


その距離は確実に縮まっている。



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