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「役立たず鍛冶師と言われた俺、武器改良したら戦死率が激減した」 〜仲間を死なせない戦場工房〜  作者: 街角のコータロー


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第48話 鍛造

魔王軍城――工房。


炉の炎が、いつもより強く燃えていた。


ゴウ……と空気を吸い込みながら、赤い炎が揺れている。


その前に立つのはタクミだった。


腕を組み、炉の中をじっと見ている。


その視線の先。


作業台の上には二つの素材が置かれていた。


ミスリル。


そして――炎竜核。


リアナが持ち帰った、火竜の核だ。


赤い石はゆっくりと脈打つように光っている。


まるで生きているようだった。


リアナはその様子を覗き込みながら言う。


「これが神武器の材料になるんスね……」


タクミは小さく息を吐いた。


「まだ分からん」


「成功する保証はない」


リゼが横で静かに言う。


「でも」


「理論上は可能」


リアナの目が輝く。


「おお!」


「なんかすごいッス!」


タクミは苦笑した。


「楽観的だな」


リアナは胸を張る。


「自分は信じる係ッス!」


リゼは小さく頷いた。


「それ」


「結構大事」


タクミは炎竜核を手に取る。


重い。


魔力が詰まっている。


普通の金属とはまったく違う感触だ。


タクミは呟く。


「まずはミスリルを整える」


炉にミスリルを入れる。


炎が強く燃え上がる。


ゴォォ……


銀色の金属が赤く染まり始める。


リアナは少し驚いた。


「ミスリルってこんな色になるんスね」


タクミ


「熱を入れればな」


リゼが炉の前に立つ。


小さな手を炎へ向ける。


「温度」


「調整する」


タクミ


「頼む」


リゼが魔力を流す。


炎の色が変わる。


赤から青へ。


温度が安定する。


タクミは小さく頷いた。


「いい火だ」


ミスリルが柔らかくなる。


タクミはそれを取り出した。


作業台に置く。


槌を握る。


リアナがワクワクした顔で見ている。


「始まるッスね!」


タクミは答えない。


目が変わっていた。


職人の目だ。


そして。


槌を振り下ろす。


カン――!!


澄んだ音が工房に響いた。


ミスリルが伸びる。


タクミは続けて打つ。


カン

カン

カン


正確なリズム。


無駄のない動き。


リアナは思わず言った。


「すげぇ……」


リゼはミスリルを見つめている。


「魔力」


「通ってる」


ミスリルの内部を魔力が流れている。


整った流れだ。


タクミは形を整えていく。


剣の芯。


その形を作る。


そして。


炎竜核を持ち上げた。


リアナが息を飲む。


「それ入れるんスか?」


タクミ


「ああ」


リゼが言う。


「ここから難しい」


炎竜核は普通の素材じゃない。


魔力が暴れる可能性がある。


タクミはミスリルを炉に戻した。


再び赤くなる。


そして。


炎竜核を炉へ入れる。


その瞬間だった。


ボッ!!


炎が一気に強くなる。


リアナ


「うわ!?」


リゼ


「暴れてる」


炎竜核の魔力が噴き出している。


タクミ


「抑えろ!」


リゼがすぐに魔力を流す。


「やってる」


炎が安定する。


タクミは炎竜核を取り出した。


赤く輝いている。


そして。


ミスリルの芯に押し当てた。


ジュウウウ……


金属が溶ける音。


リアナが身を乗り出す。


「合体してるッス!?」


タクミ


「まだだ」


槌を振る。


カン!!


強い一撃。


火花が散る。


炎竜核の光が強くなる。


カン!!


もう一撃。


リゼが言う。


「魔力」


「流れ始めた」


ミスリルと炎竜核。


二つの魔力が混ざり始めている。


リアナが興奮している。


「いけるッス!」


タクミは黙って打つ。


カン

カン

カン


リズムが変わる。


鍛冶師の集中だ。


炎竜核の魔力がミスリルへ流れる。


そして。


剣の形が少しずつ整っていく。


リゼが呟く。


「すごい」


「魔力回路」


「自然に出来てる」


タクミ


「素材がいい」


リアナ


「つまり!」


二人を見る。


「すごい武器になるッスね!」


タクミは苦笑した。


「まだ途中だ」


だが。


確かに感じていた。


これは。


今までの武器とは違う。


槌を振る。


カン――!!


最後の一撃。


火花が大きく散った。


タクミは槌を止める。


静かになった工房。


リアナが言う。


「……できた?」


タクミは剣を見る。


まだ未完成。


だが。


内部の魔力がゆっくり流れている。


まるで生きているようだった。


リゼが小さく言う。


「成功」


「してるかもしれない」


リアナ


「おおお!」


タクミは剣を見つめた。


そして小さく笑う。


「……面白い」


炉の炎が揺れる。


新しい武器が。


今、形になり始めていた。



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