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「役立たず鍛冶師と言われた俺、武器改良したら戦死率が激減した」 〜仲間を死なせない戦場工房〜  作者: 街角のコータロー


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第46話 魔王軍会議

魔王城―――作戦会議室。


巨大な円卓の周囲に、魔王軍最高幹部が集まっていた。


四天王。


そして魔王。


魔王軍の中枢、その全てである。


重厚な扉が閉まる。


静寂が落ちた。


その沈黙を破ったのは、黒衣の男だった。


闇宰相ヴァルツ。


諜報と暗殺を司る、魔王軍の影の支配者。


彼は静かに一歩前へ出る。


「……魔王様には既にご報告済みですが」


低く、冷静な声。


「御三方にもお伝えいたします」


円卓の視線が集まる。


氷姫セレナ。

炎将バルグ。

獣王ガルド。


四天王の三人だ。


ヴァルツは淡々と言った。


「王国が―――勇者を前線投入する可能性が高まりました」


その言葉。


会議室の空気が、わずかに揺れた。


しかし。


驚いたのは一人だけだった。


「おっ!ついに出てくんのか!」


豪快に笑ったのは獣王ガルド。


巨大な体を椅子に預けながら、大声で笑う。


「いいじゃねぇか!勇者!面白くなってきたじゃねぇか!」


セレナはため息をついた。


「あなたは少し静かにしなさい」


「おう?」


「これは戦争の局面が変わる可能性のある話です」


ガルドは腕を組む。


「へぇ?」


セレナの瞳は鋭い。


「勇者の武器」


「神造武器」


会議室の空気がさらに引き締まった。


ヴァルツが続ける。


「神が作ったとされる武器」


「現在確認されているものは、王国の勇者のみ」


「性能は……通常兵器とは別次元」


ガルドがニヤリと笑う。


「へぇ?どんぐらいだ?」


ヴァルツは即答した。


「魔王様の専用装備と同等」


一瞬。


沈黙。


ガルドが唸る。


「……そりゃ確かに厄介だな」


その時。


静かだった炎将バルグが口を開いた。


低く、重い声。


「神造武器か」


腕を組みながら言う。


「くだらん」


ガルドが笑う。


「ははは!さすがバルグ!」


だがセレナは冷静だった。


「問題はそこではありません」


「勇者が出るということは」


「王国が本気を出してきたということです」


ヴァルツは頷く。


「その通りです」


「現状、王国軍は再編中」


「レオンの殿戦で完全に崩壊しました」


ガルドが笑う。


「リアナが暴れすぎたんだよ!」


セレナが小さく笑った。


「それもありますね」


そしてふと呟く。


「……リアナ」


バルグが言った。


「そういえば」


「最近あの小娘、城を走り回っているらしいな」


ガルドがニヤニヤする。


「聞いたぜ!」


「珍しい鉱石探してるんだろ?」


セレナが答える。


「ええ」


「ミスリルです」


その言葉。


ヴァルツの目が細くなる。


「……ほう」


セレナは続けた。


「彼女が持ち帰りました」


「氷山の湖に存在していたミスリル鉱石」


ガルドが身を乗り出す。


「マジか!?」


「リアナやるじゃねぇか!」


バルグが静かに言う。


「オレの領地でもだ」


ガルドが笑う。


「そうみたいだな!」


セレナは続けた。


「火竜討伐も行いました」


ヴァルツが興味深そうに言う。


「火竜ですか」


バルグが言う。


「オレが弱らせた」


ガルドが爆笑した。


「ははは!だろうな!」


セレナは淡々と説明する。


「バルグが素手で火竜を瀕死にし」


「リアナがとどめを刺しました」


ヴァルツが小さく笑う。


「なるほど」


「良い経験を積んでいますね」


その時。


ガルドが言った。


「ってことはよ」


「ミスリル武器できるのか?」


セレナは答える。


「リゼとタクミが研究中です」


その名前が出た瞬間。


バルグが口を開いた。


「タクミ」


短い一言。


だが、その声には重みがあった。


「ヤツの作ったオレの大剣」


「素晴らしい出来だった」


ガルドが即座に頷く。


「ああ!俺のもだ!あれはいい!」


「いくらぶっ叩いても壊れねぇ!」


「いい腕してるぜ!」


セレナが静かに言う。


「私のレイピアも同じです」


「魔力制御が非常に良い」


ヴァルツも微笑む。


「私の短剣も」


「暗殺には理想的な刃でした」


四天王。


全員が。


同じ人物を評価している。


その時。


円卓の奥。


静かに座っていた存在が口を開いた。


魔王。


低く、重い声。


「タクミ」


その名を呟く。


「面白い男だ」


四天王が視線を向ける。


魔王は続けた。


「もし」


「ミスリル武器が完成した場合」


一瞬の沈黙。


そして。


魔王は言った。


「神造武器に近い性能ならば」


その言葉。


四天王が顔を上げる。


魔王は静かに言った。


「タクミを」


「幹部に上げる」


その瞬間。


会議室がざわついた。


ガルドが笑う。


「おいおい!」


「いきなり幹部かよ!」


セレナは静かに考える。


ヴァルツは目を細めた。


そして。


炎将バルグ。


四天王筆頭が言った。


低く。


確信に満ちた声。


「……ヤツなら」


短く息を吐く。


「やりかねん」


沈黙。


そして。


魔王は小さく笑った。


「そうだな」


会議は静かに終わった。


だが。


この時。


魔王軍の未来は。


確実に動き始めていた。


そして―――


一人の鍛冶師の運命も。


静かに動き出していた。




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