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「役立たず鍛冶師と言われた俺、武器改良したら戦死率が激減した」 〜仲間を死なせない戦場工房〜  作者: 街角のコータロー


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第41話 氷湖

北方。


魔王領のさらに奥。


空気が刺さるように冷たい。


白い大地の中を二人の影が進んでいた。


リアナが息を吐く。


「さっむいッス!!」


白い息が空に消える。


「鼻が取れそうッス!」


隣を歩くセレナは平然としていた。


白い外套をまとい、雪を踏みしめて進む。


「氷山は」


「こういう場所」


リアナ


「分かってるッスけど!」


「寒いもんは寒いッス!」


セレナ


「慣れる」


リアナ


「慣れたくないッス!」


リアナは腕をさする。


だがすぐに顔を上げた。


「でも景色はすごいッスね」


視界いっぱいに広がる氷の山。


太陽の光が反射し、世界が青く輝いている。


リアナ


「なんか」


「世界がガラスみたいッス」


セレナ


「氷は」


「綺麗」


リアナ


「セレナ様が言うと」


「なんか説得力あるッス」


セレナは少しだけ口元を緩めた。


そして前を指す。


「もうすぐ」


リアナ


「おお」


雪の谷を越える。


その瞬間。


リアナの足が止まった。


「うわ……」


そこには湖があった。


巨大な氷の湖。


表面は凍っている。


だが透明。


青い光が底から揺れていた。


湖の周囲には


氷の結晶のような鉱石が突き出している。


太陽の光を受けて


銀色に輝いていた。


リアナ


「なんスかこれ」


「めちゃくちゃ綺麗ッス」


セレナ


「氷湖」


リアナ


「これが」


「噂の場所ッスね」


セレナ


「そう」


リアナは鉱石に近づく。


手で触る。


ひんやり冷たい。


そして


銀色の光。


リアナ


「これ」


「普通の石じゃないッスよね」


セレナ


「違う」


リアナ


「当たりッスか?」


セレナ


「たぶん」


リアナが笑う。


「やったッス!」


その瞬間。


――ゴゴゴ。


氷が震えた。


リアナ


「ん?」


湖の中央。


氷が割れた。


バキィン!!


巨大な影が飛び出す。


氷の破片が舞う。


リアナ


「来たッスね!」


セレナ


「守護者」


湖から現れたのは魔物だった。


氷の鱗。


巨大な四足。


青い瞳。


氷竜。


リアナ


「でっか!」


氷竜が咆哮する。


ガアアアアアア!!


冷気の嵐が吹き荒れた。


リアナは剣を抜く。


キン。


銀色の刃。


タクミの剣。


リアナが笑う。


「いいタイミングッス!」


セレナも剣を抜いた。


細く長い氷色の剣。


冷気が刃を包む。


リアナ


「行くッス!」


地面を蹴る。


リアナが突っ込む。


氷竜が爪を振るう。


ガギィン!!


リアナが弾く。


「硬いッスね!」


だが笑う。


「でも!」


踏み込み。


一閃。


ザシュ!!


氷の鱗に傷が入る。


リアナ


「斬れるッス!」


セレナ


「当然」


セレナが前に出る。


剣が光る。


「凍れ」


空気が凍る。


一瞬で氷竜の脚が凍り付いた。


リアナ


「ナイスッス!」


跳ぶ。


空中で剣を振り上げる。


「これで終わりッス!!」


全力の一撃。


ザン!!


氷竜の首が斬り裂かれた。


巨体が崩れ落ちる。


ドォン。


静寂。


リアナが息を吐く。


「ふー」


剣を肩に乗せる。


「強かったッスね」


セレナ


「普通」


リアナ


「四天王基準はやめてほしいッス」


セレナは氷湖を見る。


そして言う。


「鉱石」


リアナ


「そうだったッス!」


リアナは岩を掘り出す。


銀色の鉱石。


魔力が脈打っている。


リアナの目が輝く。


「これッス!」


セレナ


「ミスリル」


リアナ


「名前まで分かるッスか」


セレナ


「有名」


リアナは鉱石を抱える。


「大当たりッス!」


空を見上げる。


「タクミ!」


「リゼ!」


「いいの見つけたッスよー!!」


氷山に声が響いた。


この鉱石が。


やがて


魔王軍の武器を変える。


そして


勇者と戦う刃になることを


まだ誰も知らなかった。




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