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「役立たず鍛冶師と言われた俺、武器改良したら戦死率が激減した」 〜仲間を死なせない戦場工房〜  作者: 街角のコータロー


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第39話 神造武器解析

魔王軍専用工房。


炉の火が低く唸る。


カン。


カン。


タクミの槌が鋼を叩く。


火花が散る。


隣でリゼが短く言う。


「温度」


「下がる」


タクミ


「分かってる」


槌を止めずに言う。


鋼が赤から橙に変わる。


リゼ


「今」


タクミ


「……まだ」


もう一度叩く。


カン!


火花が弾けた。


その時。


工房の扉が静かに開いた。


タクミが目を向ける。


「客か」


入ってきたのはカティアだった。


整った軍装。


情報局の徽章。


カティアは軽く頭を下げる。


「お邪魔しています」


タクミ


「珍しいな」


リゼ


「諜報局」


「ここ来ない」


カティアは少し笑う。


「今日は用件があります」


そしてリゼを見る。


「リゼ」


「呼び出しです」


リゼ


「誰」


カティア


「闇宰相」


一瞬。


炉の火が揺れた。


タクミが槌を止める。


「ヴァルツか」


カティア


「はい」


リゼ


「理由」


カティアは短く言った。


「武器の解析を」


沈黙。


その時。


工房の奥の影が動いた。


いつの間にか、そこに立っていた。


黒い外套。


細い目。


闇宰相ヴァルツ。


カティアがすぐに一礼する。


「ヴァルツ様」


タクミは少し眉を上げる。


「本人か」


ヴァルツは静かに言った。


「突然で申し訳ない」


そして工房を見渡す。


炉。


道具。


鋼。


そしてタクミ。


「ここは」


「良い工房ですね」


タクミ


「ただの鍛冶場だ」


ヴァルツは薄く笑う。


「その鍛冶場が」


「戦争を変えました」


沈黙。


ヴァルツはゆっくり歩く。


机の前で止まる。


そして外套の中から


一振りの剣を取り出した。


静かに机に置く。


コト。


それだけで空気が変わる。


リゼの目が細くなる。


「魔力」


「濃い」


タクミも剣を見る。


「重いな」


ヴァルツ


「当然です」


静かな声。


「魔王専用装備の一つ」


沈黙。


タクミが目を細める。


「……なるほど」


リゼ


「魔王武器」


ヴァルツは頷く。


「はい」


そして言う。


「そして」


「これが問題の武器です」


タクミ


「問題?」


ヴァルツ


「神造兵器」


沈黙。


炉の火がパチッと弾けた。


リゼ


「神」


ヴァルツ


「勇者専用武装」


タクミ


「勇者か」


ヴァルツは静かに言う。


「王国は召喚に成功しています」


カティアが補足する。


「現在訓練中ですが」


「いずれ投入される可能性が高い」


リゼ


「武器」


ヴァルツ


「神造」


「通常武器では対抗困難」


沈黙。


タクミが剣を持ち上げる。


刃を見る。


指で弾く。


キィン……


澄んだ音が響く。


タクミ


「いい剣だ」


ヴァルツ


「魔王様の装備ですから」


タクミは少し考える。


「で?」


ヴァルツ


「解析してほしい」


リゼ


「私?」


ヴァルツ


「はい」


リゼ


「理由」


ヴァルツ


「魔王軍最高の魔術鍛冶研究者」


リゼは短く言った。


「違う」


ヴァルツ


「?」


リゼ


「タクミ」


沈黙。


ヴァルツは少し笑った。


「もちろん」


「彼も含めてです」


タクミ


「面倒な話だな」


ヴァルツ


「ですが」


机の剣を軽く叩く。


「戦争は武器で決まります」


「今までも」


「そしてこれからも」


沈黙。


タクミが剣を見る。


「目標は?」


ヴァルツ


「同等性能」


リゼ


「神造兵器と?」


ヴァルツ


「はい」


短い沈黙。


タクミが言う。


「素材が足りん」


リゼ


「同意」


ヴァルツ


「それでも」


「可能性はあります」


タクミ


「理由」


ヴァルツは静かに言った。


「あなた達がいる」


沈黙。


炉の火が揺れる。


タクミが槌を持つ。


そして言った。


「面白い」


リゼ


「つまり」


タクミ


「やる」


ヴァルツはわずかに笑う。


「頼みました」


火花が散る。


カン。


カン。


新しい武器の研究が始まった。




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