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悪役令嬢・オブ・ザ・デッド ~転生悪役令嬢エレーナは肉食系腐男子(ゾンビ)による回避不能の世界破滅フラグに立ち向かいます~  作者: 佐々木鏡石@『じょっぱれアオモリの星』コミックス発売中
第三章 RESIDENT EVIL:悪役令嬢

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迫王姫 ~悪役令嬢奇譚~①

あの日ジークハルトを見て以来、段々と不安になってきた。




どう考えてもあのやつれ方は普通ではない。

食事も睡眠も満足に摂っていないのは明らかだろう。

王の責務とはああいうものなのか、と思い知るのと同時に、ジークハルトの体調が心配だった。


あのままでは、遠からずジークハルトは参ってしまう。

ゲーム中でも、妙なところで一途で真面目なところのある彼だ。

あのまま全力疾走を続ければ遠からず倒れてしまうのではないか。

私は真剣に心配しながら、それからの一週間を過ごした。


その不安は、アンリエッタも同じらしかった。

後日、私が図書館でクラウス司祭の資料集めを手伝っている時に、アンリエッタが不安そうに言ってきた。


「ジークハルト殿下、なんだか凄くお辛そうですよね……」


遂に来たか、と思い、私はため息をついた。


「やっぱり――アンリエッタにもわかる?」

「だって、あんなに痩せられて、なんだか覇気もなくて……エレーナ様」

「うん、私も彼と話をしないといけないと思ってるんだけどね……」


現状、《琥珀のエルミタージュ》のストーリーが進行していない以上、彼に最も近いのはアンリエッタではなく婚約者である私だった。

弟であるディートリッヒや臣下の言葉も、おそらくはきっと彼は耳に入れようとしないだろう。


だが、婚約者である私なら――。

私はそう思い、彼の部屋に行ったのが三日前。

だが、ジークハルトの意志は徹底していた。


「殿下、私に会おうとしないのよ」

「婚約者のエレーナ様にも、ですか?」

「えぇ、そうなの。全く、どこまで自分を追い込むつもりなのか……」




貴方様だけは通すな、ときつく言われておりまして……。




あの日、ジークハルトが執務している部屋の前に立った衛兵はそう言った。

苦衷を察してくれ、とばかりに困り顔を浮かべる衛兵たちに、私はジークハルトの意志を察した。




あいつ、私が来て甘やかされる事を警戒してるな――。




どうも、婚約者である私の言う事なら聞いてしまいそうになる自分を自覚しているらしい。

だから遠ざけ、会わないと言い張る。

全く、見上げた禁欲ぶりだった。


「……失礼なんですが、私、ジークハルト殿下のことを少し勘違いしていたかもしれません」


アンリエッタが少し驚いたような顔で言った。


「もっと軟派で、軽い方なんだと思ってました。――いえ、軽いというか、お優しいと言うか……」

「いいのよ『軽い』で。私もそう思うし」


なんと言い表そうか困っているアンリエッタに、私は苦笑してしまった。

アンリエッタの戸惑いも尤もな話だ。

私だって人が変わったようなジークハルトの変貌ぶりには驚かされている。

彼のことをまだよく知らないアンリエッタなら、見方が変わって当然だろう。


「全く、こういう時ぐらい頼ってくれてもいいと思うんだけどねぇ。婚約者ってなんなのかしらね――」


愚痴を吐きつつ、私はクラウス司祭に指定された本を本棚から取った。

アンリエッタがぽつりと言った。


「私も、後でジークハルト殿下に会いに行ってみます」


アンリエッタは窓から外の景色を見つめながら言った。


「エレーナ様にもお会いしないのに、私に会ってくれる訳はないけど……それでも、私も殿下が心配です」


そう言ったアンリエッタは、次に私を見た。

いいですよね? アンリエッタの視線はそう言っている。

なるほど、婚約者を差し置いて本人に会いに行ってもいいのか、ということか。

悪役令嬢エレーナに対する、主人公アンリエッタの密会宣言。

こういう状況下でないなら、それは宣戦布告に値したかも知れない。


私は再び苦笑した。


「私に遠慮する必要なんかないわ。それに、あなたの言うことだったら逆に聞くかも知れないしね――」


えっ? とアンリエッタは少し驚いたような顔で言った。


こう見えて、アンリエッタはこのゲームの主人公、ルートによっては逆ハーレムさえ築き上げる魔性の少女だ。

その一途で包容力ある言葉は、もしかしたら婚約者の私なんかよりもよっぽどジークハルトの心を捉えるかもしれない。


「さぁ、愚痴大会はおしまい。口じゃなく手を動かさなきゃね」


そう言って、私は資料集めに戻った。




アンリエッタはまだ不思議そうな顔をしていたが、やがて私と同じように資料集めの作業に戻っていった。




ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


活動報告でも報告しました通り、ここの所、先日の地震と暴風雪のため、

現在我が家を含む地域一帯が日に何回も停電する、という事態に見舞われております(笑)


もうカチカチカチカチと何回も停電してます。

PCが前触れなくオチるので、この話も三回ぐらい書き直してます(爆)


ということで、停電復旧まで少し更新ペースが落ちることが予想されます。

気長にお待ち下さい(核爆)



面白かった

続きが気になる


そう思っていただけましたらブックマーク、

下記のフォームより★★★★★で評価等よろしくお願い致します。

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