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第九話 おいしいご飯その2

 こんがり焼けた【レインボー・チキン】の肉は、クリスティーナの口の中へ入っていった。


 「レティシア、これ、絶対フランスパンと合わせて食べたら美味しいやつですね。……やってもいいですか?」


 クリスティーナは目を輝かせて言った。やっちゃダメなんて選択肢があるわけない。好きなように食べてほしい。見てるだけで癒されるから。


 「勿論いいわよ、好きなように食べて!」


 俺がそう言うと、クリスティーナはフランスパンを左手に、【レインボー・チキン】の肉を右手に持ち左から交互にかぶりついた。


 「美味しい……幸せです」


 口いっぱいに食べ物を含みながら、本当に幸せそうに言う。天使か。


 「……レティシアは食べないんですか? 美味しいですよ」

 「そ、そうね、食べるわ」


 クリスティーナに言われて俺はフランスパン1つを手に取る。正直俺はクリスティーナの笑顔だけで満足だが、この量は1人で食い切れるものではないため俺も一緒に食べる。


 「うん、美味しいわね」

 「レティシア王女陛下、……改めてお礼をさせてください。このような美味しい食事を提供してくださったこと、誠に嬉しい気持ちです。私は本来であれば今頃この世にはいませんでした。ですが、レティシアさんが救ってくれました。本当に感謝しかありません」

 「冤罪を掛けられ、婚約破棄されて、ダンジョンに追放された……。私はあなたを救いたい。その冤罪を掛けた見る目のないバカルシアンを後悔させましょう?」

 「レティシア王女陛下、私はもっと強くなって見返したいです」

 「わかったわ、あいつを見返すなら、このダンジョンの深層部に生息すると言われている伝説の魔物、ドラゴンを倒しましょう」

 「ドラゴンを倒すって、それって伝説上の生き物ですよね? 本当に存在するんですか?」


 『エラード・リベレイション』公式サイトには一応1万階層にドラゴンが生息しているという情報が載っていた。まあ誰も到達したことがないから本当かどうかはわからないが、「見返す」という意味ではこれが最高の素材だと俺は思った。たとえドラゴンがいなくてもその過程で強くなればいいわけだし。


 「ドラゴンが本当に居るのかはわからないけれど、その道のりで強くなれば、ドラゴンがいなくても見返せる強さにはなっていると思うの」

 「わかりました。このダンジョンを攻略して、強くなります」

 「その意気よ、あんなやつ見返してやりましょ!」


 クリスティーナに冤罪掛けて婚約破棄して挙句のあてにダンジョン追放したやつ絶対許さん。本人が強くなりたいって言ってるし俺の知識を全部使って手伝おう。

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