第6話「大手クランから「年収一億で広告塔になれ」と上から目線でスカウトされたので、配信のネタにしてみた件」
暗黒騎士を一秒で返り討ちにしたアレンのもとに、今度は巨大組織「大手クラン」の幹部が登場!
上から目線のスカウトを、アレンが配信のノリでスカッとあしらいます!
暗黒騎士が雲の彼方へ消え去った市場には、静寂と……直後の爆発的な歓声が響き渡った。
「ア、アレン様すごすぎるーっ!」
「一瞬で暗黒騎士を吹き飛ばしたぞ!」
熱狂する町人たちに囲まれる中、人混みを割り込むようにして豪奢な鎧を着た数人の男たちが歩み寄ってきた。
先頭に立つ男は、胸元に誇らしげに輝く金色の紋章を見せつけながら、ふんと鼻で笑う。
「やあやあ、噂の元勇者殿。実に素晴らしい見世物だったよ。私は国内最大手クラン『暁の栄光』の幹部、バロンだ」
(うわ、なんか偉そうな奴出てきた)
(あいつ『暁の栄光』のバロンじゃん! 態度でかいことで有名だぞ)
(アレン様、また面白い奴が来ましたよ)
脳内のコメント欄が一気に警戒と野次馬根性で湧き立つ。
私はカメラの角度を調整し、バロンのドアップを画面中央に収めた。
「それで? 大手クランの幹部様が何の用だい?」
「くくく、単刀直入に言おう。我が『暁の栄光』がお前とそこの暗殺者の娘を買い取ってやる。年収一億ゴールド、専属の広告塔としての契約だ。我がクランの庇護下に入れば、王国からの追手など恐れる必要もなくなるぞ?」
バロンは腕を組み、当然受け入れるだろうと言わんばかりのドヤ顔を決めて見せた。
傍らのシズルが、不安そうに私の袖を引っ張る。
(アレン……一億ゴールドはとんでもない大金だぞ……。手に『暁の栄光』は王国ともパイプを持つ巨大組織だ……)
「まあまあ落ち着けって、シズルちゃん」
私は苦笑しつつ、バロンに向けてニッコリと微笑んだ。
「年収一億ねぇ。すごく魅力的だけどさバロンさん。今、俺の配信の同続(同時接続数)ってどれくらいか知ってる?」
「は? 配信? そんな子供の遊びなどどうでも」
「今、全人類の約半数……およそ五億人がこのバロンさんのドヤ顔を生で見ているんだよね。で、視聴者のみんなから届く投げ銭の合計、さっきの暗黒騎士の一撃だけで三億ゴールド超えてるんだけど」
「は……? さ、三億……!?」
バロンの顔から余裕の笑みが引きつる。
(草wwwwwwww)
(一億でイキってたら3秒で論破されてて草)
(アレン様の年収、バロンさんの想像の100倍上だった件www)
(顔真っ赤になってるバロンさん可愛いwww)
「というわけでバロンさん、年収一億のスカウトは謹んで辞退させていただきます! 配信のネタになってくれてありがとう!」
私はカメラに向かって親指を立て、呆然と立ち尽くすバロンとその部下たちを置き去りにして、シズルの手を引いて市場を後にしたのだった。
次回、面目を潰された大手クランが本気で襲いかかってくる!? お楽しみに!
暗黒騎士を一秒で返り討ちにしたアレンのもとに、今度は巨大組織「大手クラン」の幹部が登場!
上から目線のスカウトを、アレンが配信のノリでスカッとあしらいます!




