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第1話「一文無しのスタート・最初のバズ」

所持金ゼロ、持ち物は錆びた剣一本。

しかし元勇者には、全人類の脳内に直接届く「最強の配信スキル」がありました。

王宮の醜態を世界中に晒し上げる、伝説の初配信が始まります!




(は?)

(え、いま頭の中に変な声が響かなかったか?)

(誰だ今の?)


王都のあちこちで、人々が足を止めて頭を押さえた。

もちろん、声の主は私だ。スキル「全視点中継」の第一段階を全開にし、世界中の約十数億人の脳内に、小さな配信画面を強制投影したのだ。


(皆さんこんにちは。たった今、王都の真ん中で国王と宰相にお前は不要だと追い出された元勇者アレンです。現在、所持金ゼロ、持ち物は錆びかけた剣一本のみ。さて、明日からどうやって生きていこうかガチで悩んでおります)


(ちょ、待て待て待て!!)

(勇者様が追放された!?)

(しかも今の頭の声、まさか世界中に聞こえてるのか……!?)


世界中が一瞬でざわめいた。

なにせ、昨日まで英雄だった男が突如として路上に放り出され、その現状が本人の主観視点で世界中に中継されているのだから無理もない。王都の広場では、情報が追いついていない騎士たちとなんだこの光る板は!?とパニックに陥っている。


(あ、ちなみに今、俺を追放した宰相なんだあの光る板は! 斬り落とせ!って部下に怒鳴ってますね。顔が真っ赤でタコみたいになってますよ、皆さん見えますか?)


(見えてる見えてるwww)

(待て、視点切り替えれるぞこれ!? 宰相のドアップ草)

(リアルタイムで王宮の醜態が晒されてて大草原)


スキルは優秀で、視聴者は私の視点だけでなく、私の周囲を漂う自由視点カメラを自分で動かすことができた。

王宮の慌てふためく様子や、冷や汗を流す国王の情けない顔が、次々と世界中にマルチアングルで生配信されていく。


(おいおい、私のプライバシーを! 魔導通信を切れ! 映すなそれを!!)


広場の遠くで、宰相が絶叫しているのが聞こえた。

私は振り返り、カメラに向けて軽く手を振った。


(さて、王都を追い出されたわけですが。世迷い言を言う暇があったら、目の前のスライムでも狩って日銭を稼がないと今夜の宿代が消えます。というわけで、これより無一文からのスローライフ&時々世界救済配信をスタートします。皆さん、チャンネル登録と高評価、じゃなかった、応援よろしくお願いしますね)


(なんだこれ、めちゃくちゃ面白そうじゃねえか!)

(元勇者の無一文サバイバルとか絶対見るわ)

(がんばれアレン様! 王国なんかに負けるな!!)


脳内に直接流れ込んでくる視聴者のコメントが、雨あられのようにチャット欄で湧き上がっていく。

一文無しで放り出されたはずの私の初配信は、こうして、世界を巻き込んだ一大エンターテインメントとして爆誕したのだった。


次回、早くも王国からの刺客が襲来!?

しかし現れた刺客は、予想外すぎるドジっ子美少女で……

ご覧いただきありがとうございました!

王宮の面々を即座に晒し上げたアレンの初配信、お楽しみいただけましたでしょうか?


もし「面白い!」「応援したい!」と思っていただけましたら、下の評価欄から評価(★★★★★)をつけていただけると非常に嬉しいです!

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