第14話「全人類の観測が世界線を書き換える! 追放された元勇者、概念上の神へ」(真・完結)
追放劇の裏に隠されていた衝撃の真実。
スキル「全視点中継」の真の覚醒と、全人類の熱量が引き起こす不可逆の世界線改変!
誰も予想できなかった圧巻のフィナーレをお届けします!
王宮執務室。散らばる裏金帳簿の前に立つタコ宰相は、追いつめられているはずなのに、突如として腹を抱えて笑い出した。
「ハハハ! 愚かな元勇者め! まんまとここまでおびき出されてくれたな!」
宰相が掲げた黒い宝珠が、王都全体を飲み込む巨大な魔導陣を描き出す。
執務室の床が崩れ去り、私たちは古代の祭壇のような異空間へと落ちていく。
「なに……!? 王宮の地下に、こんな古代遺跡が……!?」
シズルが短剣を構えるが、空間そのものがねじ曲がり、身動きが取れない。
宰相は宙に浮き上がり、狂気に満ちた瞳で私を見下ろした。
気づいていなかったのか? 貴様のスキル(全視点中継)は、追放された悲劇の勇者に世界中の意識を集中させ、観測者の熱量を熱量炉へと変換する古代の神殺し兵器なのだ! 貴様を追放したのも、絶望とバズを起こして全人類の視点を集めるための演出に過ぎん!」
宰相の背後に巨大な神の虚像が立ち現れる。
私たちが今まで世界中から集めてきた(スパチャ)と(応援)の膨大なエネルギーが、魔導陣を通じて宰相へと吸い上げられていく。
「貴様が集めた十億人の熱量は、今この瞬間からワシが神となるための糧となる! 感謝するぞ、最高の配信者アレン!」
スキルの通信が強制遮断され、脳内のチャット欄が消えていく。
シズルが血を吐きながら私の前に立ち塞がろうとした。
「アレン……逃げろ……っ! 奴はお前の存在そのものを喰らおうとしている……!」
「シズルちゃん……」
身体が消滅の光に包まれそうになる中、私は静かに笑った。
「宰相さんよ。あんた、配信ってものを根本的に勘違いしてるぜ」
「なに……!?」
「配信ってのはな……一方的にパワーを集める道具じゃない。画面の向こうとこちら側が、リアルタイムで熱量をぶつけ合う雙方向の絆なんだよ!」
私は胸の奥底にあるスキル(全視点中継)のシステム根幹を直接叩き割った。
リミッターの解除。
私が観測していたのは、この世界の十億人だけではない。
次元を超えた果てしない並行世界、すなわち地球に生きる何十億もの(読者)たちの視線だ。
(ピコン! 概念限定解除)
(観測者数が無限大に達しました。世界線の書き換えを開始します)
ガゴオオオンッ!!
天空が割れ、宰相が作り出した暗黒の魔導陣が、次元の彼方から降り注ぐ果てしない黄金の光によって一瞬で蒸発した。
「なっ……なにぃ!?? どこからこれほどの熱量が……!? 観測数が無限……!? バカな、この世界にそんな人数の人間がいるはずが……!」
絶叫する宰相の頭上に浮かび上がったのは、画面を埋め尽くす概念上の(スパチャの滝)だった。
世界中の、そして次元を超えた全ての命が(アレン)という存在を肯定し、応援する圧倒的な念の奔流。
「シズルちゃん、手を握れ!」
「あ……あああっ!」
シズルの手を強く引き寄せると、彼女の存在そのものが黄金の光に包まれ、概念上の(最高位の観測パートナー)として昇華した。
シズルの持つ短剣が、世界線そのものを切断する次元断絶の聖痕へと変化する。
「これが……俺たちの本当のラストライブだぁぁぁっ!!」
私とシズルが解き放った一撃は、光の津波となって神気取りの宰相も、腐敗した王宮も、過去の因果そのものをも綺麗サッパリと飲み込んだ。
黄金の光が世界を包み込み、そして重なり合っていく。
…
光が収まった時、そこにあったのは崩壊した王宮ではなく、温かな日差しが注ぐ新しい世界の始まりだった。
宰相も愚王も、その不正と野望とともに歴史の表舞台から完全に消滅し、世界は人々が自ら治める平和な時代へと再構築されていた。
小高い丘の上。
私の頭上には、世界線の壁を越えて無限の視聴者とつながる透明なカメラが漂っている。
隣には、フードを外し、風に綺麗な髪をなびかせながら穏やかに笑うシズルの姿があった。
「アレン……本当に、世界が変わってしまったのだな」
「ああ。でも、俺たちのやることは変わらないよ」
私は無限の彼方にいる全ての観測者たちに向けて、最高に不敵で爽やかな笑みを向けた。
「世界を救う勇者の時代は終わった! これからは、全人類と一緒に新しい世界を創っていく時代だ! それじゃあみんな、チャンネル登録と高評価、これからもよろしくな!」
輝く未来へと続く大地を、手を繋いだ二人が歩み出す。
世界で一番愛された配信者の伝説は、永遠の感動とともに次の世界線へと語り継がれていくのだった。
「魔王を倒したその日から、元勇者は「配信者」として生きていく。」全14話、ついに完結です!
単なる追放ざまぁにとどまらない、スキルの真の覚醒と次元を超えた感動のラスト、お楽しみいただけましたでしょうか?
ここまで熱い期待を寄せ、作品を一緒に育ててくださった読者の皆様に、心からの感謝を申し上げます!
「この最終話は最高に燃えた!」「伏線回収とスケール感が凄すぎる!」と思ってくださった方は、ぜひ作品ページ下部の評価(★★★★★)やブックマーク登録、熱い感想レビューで応援していただけると大変幸いです!
長い間、本当にありがとうございました!




