再会
「うぉぉぉぉぉぉぉ! おめぇら! 気張れぇ!」
「わかって···いるけど···よ!っと、藤崎さん! ゾンビの数が多すぎる!」
「あいつらどっからこんなにゾンビ集団連れて来やがったんだ!?」
「俺と篠崎さんと藤崎さんと鈴木さんの4人で、この···20体位いるゾンビいけそうかぁ!?」
───っ!
声だ。
藤崎さん達の!
急がないと!
幸いにも僕にはゾンビらしき者を5体味方にしてるし、人間と変わらない動きをしてくれる上に、他のゾンビらしき者からは攻撃されないからそっちの相手をさせて、僕は周辺に人間がいない事と神埼を探そう。
その時、藤崎さん達が視界に入ってきた。
「よし、みんな! ゾンビらしき者達だけを駆除して!」
あ"あ"あ"あ"ー!
?
返事をした?
進化しているのか?
まぁ、とにかく今は藤崎さん達を助けないと!
「藤崎さん! この5体に戦わせるから、みんなは離れて!」
「おぉ! 青年! 助っ人だぞお前ら! 南から来るあの5人と入れ替わるぞ!」
「助かるわ!」
「五十嵐君助かった!」
「俺はやれるぞ! ガキの助けなんかいるかよ!」
「木川! 入れ替われ! お前だって息が上がってるだろ!」
「·······」
木川さんを残して藤崎さん達は、僕の5体のゾンビらしき者達と入れ替わり戦線離脱した。
やっぱりあいつら僕らの方しか目に入っておらず、隙だらけのあいつらは次々と片付けられていく。
皮肉にもあの中で唯一人間の木川さんが囮になっている形で、引き付けてくれているから簡単に僕の駒達が片付けられているのもあるかな。
「青年、助かった」
「いえ、藤崎さんにはコミュニティに入れてもらった恩があるので····それより神埼が内通者だったって聞いたんですが」
「誰に聞いたんだ? まぁ、本当だ。あいつが敵対しているグループ連中を招き入れた。とりあえず敵対グループの連中は10人全員片付けたから安心はしてくれ、あとはあのゾンビどもだけだ」
「やっぱり本当だったんですね···それで神埼は?」
「もう少しって所であのゾンビ集団が現れたのよ」
「それより五十嵐君、あれは···ゾンビだよな? 藤崎さんは普通にしているが、木川も鈴木も知らねぇぞ! ゾンビ操るなんてよぉ! お前も──」
「篠崎落ち着け! 青年は敵じゃない、今だって助けてくれた。違うか?」
「そうですけど······ちっ!」
普通ゾンビらしき者を味方にしているなんて、信じられないよなぁ。
篠崎さんも鈴木さんも明らかに信じられないって目を向けているけど、仕方ないよな──
「俺、木川さんの加勢しにいきます。体力回復したし」
「そうだな。俺っちも行くわ。ゾンビの仲間野郎といるよりは良いわ」
2人はそういうと、もう3体位しかいないゾンビらしき者達を倒そうと木川さん達の所へと向かって行った。
「青年、すまないな。彼らにわかってもらうには時間が掛かる」
「仕方ないですよ。僕だってこの能力を信じられないんですから」
さて、僕らも様子を見に行こうとした時だ──
"なんだてめぇはーーっ!?"
"くそが! なんて力してやがるんだ!?"
絶叫にも近い怒声が聞こえてきて、僕らは急いで駆けつけた。
立っているのは木川さんと篠崎さんだけ。
鈴木さんは、首を後ろから捕まれ体を宙に浮かされたまま"それ"に腹を切り裂かれ貪り食われている。
しかし"それ"は、黒い髪···僕がしずくに与えた服を着ていた。
肌はボロボロだし、髪だってぼさぼさ。
そうだ! しずくには歯が無かった! 貪り食えるわけがない!
ははは、そうだよ。 違うに決まってる。
あの服は、しずくから奪ったかどうにかしたに違いない!
きっとそうだよ!
顔だって──
「······あら? 五十嵐さん久しぶりね」
そこには、しずくの面影がある"元"人間の女の子だったゾンビらしき者が、口まわりを血まみれにしてにんまりと笑い、怪物のような尖った歯が姿を露にしていた。




