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少年銀河は魔王です  作者: 小林晴幸
魔王城の日常~少年ジャック~
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30/67

0.少年ジャック



 その少年は、身が切れるのも、息が切れるのも構わず、森の中を疾駆した。



 彼等が住まう大陸は、地獄だった。

 遙かな古代、光の大神と闇の大神が相争い、同時に倒れ臥したという。

 深き眠りについた、その身体から生まれた四つの大陸。

 闇の大神の心臓部があったとされる場所に相当するのが、代々の魔王が居城『真夜城』。

 つまりは、この大陸。

 それは、四つの大陸で最も闇深き大陸だということ。

 保護してくれる『国』も無く、それでも僅かに根付くこの地の人間達は皆、絶望していた。

 この暗黒の大地に生まれてしまったこと。

 襲い来る数多の魔族に対抗する手段も少なく、多くが命を落としていく。

 それでも此処で生きるしかないことに、彼等は絶望せずにはいられなかった。

 闇の大陸に唯一存在する、人間の集落。

 弱く儚い者達は、驕奢たる魔物の食い物にされながらも、彼等は他所に逃げられない。

 逃げる為に、他大陸へ渡る手段がない。

 船を造ろうにも、海に出没する奇怪な魔物達に転覆させられるだろう。

 他方へ逃げるには、彼等はあまりに弱かった。

 逃げ場のない闇の中、それでも僅かでも生き残る為、人間達は助け合う。

 必死に身を寄せ合って互いに震える体を宥めながら、より強く深く、情を寄せ合って。


 そんな、絶望しながらも生きる為、必死な者達の村。

 ジャックは、そんな村に生まれた一人の少年だった。

 

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