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少年銀河は魔王です  作者: 小林晴幸
魔王城の日常
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28/67

どっかの天神様



「「「………」」」

 魔導書の中、説明書きを見て、思わず黙り込む三人。

 最初に口を開いたのは、呆れ顔のレイヤだった。

「銀河…パターン化しかけてない? この流れ」

「僕って、なんだろうね…」

「なんだろうね。本当。毎回何かしら神様召喚しないと気がすまないとか?」

 レイヤの言葉に殊更落ち込み、銀河は苦い顔で笑うしかできない。

 

 …神様召喚。

 そう、銀河はまたしてもやってしまったのだ。

 途中で浮かんだ、余計な予備知識のお陰で。

 今回も無駄に強力で、決して魔王らしくない、召喚魔法が完成してしまった。

 彼等の真ん中に置かれた、魔王専用魔導書。

 新たに記述の追加されたページには、こう記されていた。


          攻撃魔法(雷)レベル4 消費MP1

           “天神召喚「天の裁き」”

    発動条件:呪文

     「東風吹かば にほひをこせよ梅花 主なしとて 春な忘るな」

    効果:

     天神様を召喚し、その裁きによる雷を招来する。

     効果範囲:半径3㎞内にいる者の内、最も罪深き者に裁きは降される。

     雷の強さは効果対象の罪深さに比例し、他者を貶めたことのある者ほど、

     薄汚れた魂の持ち主ほど、神の怒りは深く強まる。


 それは何とも、魔王に相応しくない魔法。

「やっぱりこれってさ、むしろ聖人の使う魔法っぽいんだけど」

「僕も、そう思うよ。なんて言うか…魔王の使う魔法じゃない、よね…」

「ふふふ。この中では間違いなく、私が裁きを食らう確率が高そうですよね」

「「クリュスさんのは笑い事じゃない」」

 前科(かつて国一つ滅亡させた)持ちの吸血鬼は悠長に笑っているが、洒落にならない。

 銀河は間違っても、クリュスが半径3㎞内にいる時に、この魔法は使うまいと決めた。

 吸血鬼の言う通り、間違いなく天の裁きはクリュスに落ちると思われたからだ。

「ふふふ…これで、銀河様の召喚できる神が二柱に増えましたね」

「クリュスさん、ソレ笑い事じゃない」

「魔王が神様召喚して、本当にどうするのよ…」

 あまりにも非常識で、どう考えても魔王っぽくない。

 そんな魔法ばかり創ってしまう己に、銀河は深く溜息をついたのだった。




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